競争しない競争戦略 改訂版 環境激変下で生き残る3つの選択

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532324353

作品紹介・あらすじ

ロングセラーを全面改訂!
「ニッチ」「不協和」「協調」――最新50社の成功事例に学ぶ生き残り策

 限られた市場のシェアの奪い合いから脱し、「競争しない」状態を作ることで利益率を高める。国内での激しい同質競争や、海外での新興国企業によるコスト競争を抜け出すための戦略を、「ニッチ戦略」「不協和(ジレンマ)戦略」「協調戦略」の3つに整理して解説します。

 本書には、50社以上の豊富な成功企業のケーススタディを収録。改訂に当たりケーススタディを全面的に見直しました。ワークマンといった有名企業だけではなく、知られざる中小の成功企業を多数取り上げます。様々な業種、規模の企業のビジネスパーソンが参考になる内容です。

感想・レビュー・書評

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  • 競争しない競争戦略。まず言葉が面白いね。ニッチ戦略、不協和戦略、協調戦略の3つについて実際に戦略を取っている企業の事例を挙げながら説明している。
    最後のまとめとして、競争しない競争戦略を取る企業同士の競争が課題になっていると。もう複雑すぎて頭がショートしそうになる。

  • こちらで書評を書きました。

    https://www.rinen-mg.co.jp/web-rinentokeiei/entry-5106.html

    競争戦略論を専門とする早稲田大学ビジネススクール教授が、「ニッチ戦略」などの「競争しない競争戦略」を体系的に論じた書。
    7年前の元本を全面改訂し、事例は半分以上差し替えてあるので、買い直す価値あり。

    日本企業を中心に85社以上の成功事例が集められ、著者の主張のすべてはそれらの具体例によって説明されていく。だから、「ああ、そういう意味か」とすんなり理解できる。わかりやすいし、ビジネス読み物としてもバツグンの面白さだ。

    先行する大企業の間隙を衝く巧みなビジネスモデルの数々に、感銘を受ける。知恵者がいるもんだなァ、と。
    セブン銀行とか宝島社とか弁護士ドットコムとか、身近な事例も多く登場するので、企業経営にくわしくない人でも、楽しく読めるだろう。

    むろん、ここに集められた成功事例の背後には、失敗事例も死屍累々なのだろうけど……。

  • 私も競争したくない。。。
    なんか取り入れたくなる話でした。

  • 競争しない戦略=ニッチ戦略、不協和(ジレンマ)戦略、協調戦略。
    医薬品卸、ガソリンスタンド、は競争で企業数が減少した。

    競争のメリット=能力向上、市場の成長、組織の活性化、多様化するニーズの対応、価格の低下。
    競争のデメリット=顧客志向から競争思考、必要以上の価格の下落、組織の疲弊

    棲み分け=ニッチ戦略、不協和戦略、
    共生=強調戦略

    ブラウン管ではソニーのトリニトロン方式、100年持った。液晶ではシャープ、プラズマではパイオニア、有機ELは韓国メーカーなど。10年ほどしか技術が持たない。
    プリントゴッコ、年賀状市場は20年で激変。
    万歩計は山佐時計計器の商品名。時刻表とともにスマホで市場が激減した。

    ニッチ=小さい売上、ではない。
    差別化とニッチは別物。
    市場規模を大きくしない=リーダー企業を参入させない。明光商会、ダイソン、アイロボット、などの例。
    単価を上げない、ガリガリ君など
    利益率を高くしない、
    成長率を高くしない=大手が参入しない。
    失敗例はほけんの窓口、いきなりステーキなど。

    わりかん保険など少額短期保険の分野で大手が参入しない保険が作られている。
    残存ニッチ=レコードなど。東洋化成。
    インテルインサイドのシールは、日本で優秀な学生を採用するため。
    ゴア社は、アパレルとWINWINの関係をつくった
    山下達郎は、やらないこと宣言=テレビに出ない、武道館ライブはやらない、本を書かない。
    アメックスはセンチュリオンカード(ブラックカード)を作った。年会費38万5千円。

    自転車のPOS(パナソニック)=カスタマイズニッチ戦略。
    ニッチ戦略は質と量の2軸で決まる。量をコントロールしてもニッチ戦略は可能。止まることはできず、技術資源を絶えず磨き続ける必要がある。

    同質化と不協和=経営資源を持っている優位性が足かせになるケース。
    大手生保は営業マンが資産。ライフネット生命はそれがないから、特約の廃止や原価の公開ができた。
    ipodは、mp3に対応したことで、ソニーのATRACを撃退した。
    コスモスマートビーグル=全車種全メーカーの販売。
    スタディサプリ=地方の教育環境の改善
    ワークマン=高機能商品へ進出
    トラスコ中山=とことん在庫をもつ、戦略。
    宝島社=ムック市場。付録をつけて新たな読者を開拓。
    ソニー損保=テレマティクス保険GOODDRIVE

    リブセンス=成果型広告業。リクルートと業態はかぶっているが、課金方式が違う。
    SREホールディングス=旧ソニー不動産=片手手数料が武器。

    リーダー企業の強みを弱みにする。足かせにする=不協和音戦略。

    強調戦略
    無駄な争いを排除する。
    映画はヒットする確率が低いため複数企業で政策委員会を組織する。航空会社のアライアンス。
    現実の市場では100%の競争も100%の協調もない。
    バリューチェーン=企業が生む価値の連鎖。一つの企業で賄わないで、アウトソーシングや部品購入をライバル企業から行う。
    アスクルはプラスの子会社から始まった。キングジム
    ファイルの要望から、他社製品を扱うようになった。
    楽天バスサービスで、中小のバス会社がチケットを売る。
    GEは、ジェットエンジンを作りながら、ライバル企業(ロールスロイス、プラット&ホイットニー)のメンテナンスを一手に請け負っている。
    セブン銀行は、銀行であり、他社のATM網でもある。
    星野リゾートは、運営受託事業で、ライバルの事業も請け負う。
    トランスファーカは回送業務を消費者にやってもらうことで無料レンタカーを作り出した。
    成長の速度の調整が必要。スターマイカの例。オーナーチェンジマンションを買って大挙してから売り出す。デベロッパーにはならない。大規模集中投資はしない。多角化しない。
    ヤマダ電機が地域電気店のための仕入れルートを作った。ライバルが売り上げを上げても自社に利益が出る。
    グリコの職域販売。他社製品も売る。
    アスクルはコクヨが卸に強みを持っているところを逆手に、卸をスキップした。
    ホギメディカルは手術用品のセット販売。

    競争しない企業同士の競争の激化。
    料理宅配業、ほけんの窓口(来店型保険販売)、ブルーオーシャンは長続きしない。次のプルーオーシャンを探す。リクルートは紙媒体の陳腐化を自ら進めた=資産を重視しなかった。
    オープン&クローズド戦略。あらかじめ用意周到に事業を組み立てる。走りながら考えるのは難しい。

    ニッチ度を緩めて売り上げ拡大を図るのは危険。
    リーダーは負債化した資産の最資産化を考えている。パナソニックの販売網は、地デジ化のときに力を発揮した。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50265480

  • 東2法経図・6F開架:336.1A/Y19k//K

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2016年 『経営戦略[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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