孤立無業(SNEP)

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.15
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本棚登録 : 172
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532355777

感想・レビュー・書評

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  • NEETとも引きこもりとも異なる

  • 出だしはデータの羅列羅列羅列…で正直読みにくかったですね。
    定義が大事であること、それに基づいたデータが大事であることは研究である以上良くわかるのですが、興味持ち始めの前知識のない人間にはちょっときつい、それ程興味のない人には途中でやめられてしまうんでは思いました。

    その意味で、4章を最初に持ってきてくれたほうが個人的にはとっつきやすかったのにな、と感じました。4章を読んで初めてデータの羅列の意味を納得できたのです。
    その辺りが一般の人の興味の置き所と、研究者の意識のずれなのかな
    という感じがしました。
    どなたかも書かれていましたが、自閉症を病気扱いしているのは認識不足かなと思いました。その辺はこのような研究をされる著者もあまり詳しくないのですね。

    SNEPというのは大変な問題です。そして私にとってはかなり身近な深刻な問題です。ニートとの違いがよくわからなかったのですが、これをよむと凡そはわかります。
    まだ敷衍していない認識ですが、この状況を説明されたら心当たりのある人はかなりいるものと思われます。
    これから大きな問題として社会にでてくるのではないでしょうか。

  • ○東京大学教授で経済学者の玄田有史氏の著作。
    ○20~59歳の未婚無業者のうち、ふだんずっと一人でいるか、家族としか一緒にいることのない人々である「孤立無業者(SNEP:Solitary Non-Employed Persons)」について、人数や実態、ひきこもりやニートとの違いなどについて、分析・解説。また、その解決策についても提言。
    ○スネップという言葉を初めて聞いたが、その定義や実態を知るにつれ、これほど多くの人がいるんだということにビックリした。
    ○単純に良い悪いではないが、少なくともスネップの存在は、社会全体でマイナスであり、個々人や各家庭での取組みだけではなく、社会全体で解決する必要があるということを認識。今後のスネップの増加などを考えると、本書は、その分析のパイオニア的存在になるだろう。
    ○一方で、多種多様なデータによる分析がなされており、専門家でない人が読むと途中で飽きてしまう。

  • 366.2

  • 最近パオロばっかり読んでいたので、こういう統計をもとにしてる真面目な話も疑ってしまうわ。ましてや経済学者だし。しかし、自閉症を精神の病気扱いしてるのが気に入らない。自閉症とうつ病を並べるかね。病気と障害は分けて書いてほしい。しかし、私も仕事をしてなかったら『孤立』にくくられてしまうなぁ。2日間だけの調査なんじゃ、連休だったら誰ともしゃべらないこともしょっちゅうだもんね。ばあちゃんは今日も結婚してない私を「かわいそうだ」と連呼してったし。結婚して良かったことを聞いても、結局うちに帰ってしゃべり相手になる、と、病気で寝付いたときに世話してもらえる、の二つしか挙げられないのに。しかも自分は病気になったこともなかったっつーし。まぁ大正生まれの人だからね。筆者はこういう人間は大勢いるということを当事者たちにも知ってほしかったと書いている。確かに。無職の人が増えれば、そのうちどこかが困るわけで。そんなに心配しなくていいんじゃないかと思うけど。変な人は世の中に大勢いるんだから、お互い譲り合って諦め合って過ごすしかないのだ。

  • ■SNEP

    A.「孤立無業者」とは、20~59 歳の未婚者のうち、仕事をしていないだけでなく、普段ずっと1 人でいるか、家族しか一緒にいる人がいない人たちのことである。英語では、「SNEPスネップ 」という。

    B.ニートと孤立無業の最大の違いは、無業者を分類する時の「切り口」の違いである。すなわち、ニートであるか否かを区別するのは求職活動の有無である。それに対し、孤立無業であるか否かを区別するのは、友人や知人との交流の有無である。

  • solitary no-emproyed person, neat,dinks...只读「这个章的发现」OK.

  • 2012年、15歳以上、就業者6270万人無業者4828万人。うち家族以外と交流がないのは162万人、60歳未満未婚無業者の6割。10年で80万人増えた。

    個人ではなく社会構造が原因。対策のスキルとノウハウも出てきつつあるのが救い。

著者プロフィール

1964年生まれ。88年、東京大学経済学部卒業。ハーバード大、オックスフォード大各客員研究員、学習院大学教授等を経て現職。博士(経済学)。
主著
 『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社、2001年、日経・経済図書文
 化賞、サントリー学芸賞)
 『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社、2004年、エコノミスト
 賞、労働関係図書優秀賞)
 『孤立無業』(日本経済新聞出版社、2013年)
 『危機と雇用』(岩波書店、2015年、沖永賞)
 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会、
 2017年、編著)
 ほか多数。

「2022年 『仕事から見た「2020 年」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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