- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532355982
作品紹介・あらすじ
大不況に、未曾有の金融緩和で立ち向かった、MIT人脈に連なるセントラルバンカーたちの果断な行動と理論を、豊富なエピソードとともに語る。
感想・レビュー・書評
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新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:333.6//Ta63
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金融危機が一応終わったことになっているのに、なぜ企業投資や消費行動は思ったように回復しないままなのか。筆者は冒頭で自ら立てたこの問いに対し、主にアメリカの(国内外における)政治的リーダーシップの凋落と、これに起因するウクライナ危機を挙げる。金融サイドの責務は果たしきった、後は政治がしっかりしろと言わんばかりだが、本当にそうだろうか。それより僕には、危機が去ったという割には何故か日米欧の中央銀行が一向に大規模金融緩和というbattle stationを解こうとしない、この不自然さが経済主体のマインドに影を落としているように思える。確かに本書に書かれる通り、モディリアーニに連なるMIT人脈「海水学派」の現実主義的な政策により、どうにかリーマンショックのアフターマスは押さえ込むことができているのは確かだ。しかし国債を中銀が大量に買う「だけ」という、一見誰の腹も痛まないような方法で100年に一度の危機が克服できたという「出来過ぎた」物語の結末を、どこか頭から是とすることができない多数の人々がいるということではないのか。何せ前回の世界恐慌の際には最終的に世界大戦まで行ったのだ。
筆者は「ファンダメンタルがそもそもはっきりしないのだから、その規格はずれであるバブルの害悪も確実にあるとはいえない。そして現実に貨幣供給は伝統的ケインズ主義的ルートではなく資産バブルを通じたリスクオンによりインフレ率を上昇させ、これが危機克服につながっている。そしてこのルートを主導したのが経済安定のためにはバブルさえ容認するという海水学派だった」、という。確かに現実に起こったことはこの通りであるように思える。思うのだが、一方で経済学ってそれでいいの、という気もする。簡単にこれまで積み上げてきた理論を捨て、一番安易と思われる方法で効果が出れば「結果オーライ」というのでは身もフタもないのではないか。仮にバブル的ルートでも可とするなら、経済学という学問には、それが問題にならない(またはなっても解決可能)とする論理の提示を期待したいと思う。バブルは事後的にしか分からないので先に考えても無意味、というグリーンスパン的な弥縫策を繰り返すのでは余りに芸が無さ過ぎる。僕がこの本に期待したのは「これでいいのだ」とする理由だったのだが、ついにこの本にはそれが書かれていなかったのが残念。 -
東2法経図・開架 333.6A/Ta63s//K
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ルーズベルトは国を1つにしたが、オバマはバラバラにした。医療改革保険制度を始めたのが原因。
アメリカの国内政治の麻痺に端を発する将来の不確実性は大きい。 -
MITコンセンサスという視点
フランコモディリアーニを軸に
ルーカスパパデモス首相
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