TPPが日本農業を強くする

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532357016

作品紹介・あらすじ

○TPPは農業に大打撃を与えることはない。国内農業を守るためと称して行われる対策は農業を強くするのに有効ではない。TPPは、日本の農業を破壊する要素は少なく、むしろ、海外市場への道を開く点でメリットがあり、日本農業を強くするものだと主張します。TPPを契機に、減反を廃止し米の輸出力を強化する、農地法改革を実施し農業への新規参入を促し、これまでの農業保護政策を転換し、真の農業の担い手を育成することこそ重要だとし、グローバル化で稼げる日本農業へのビジョンを示すものです。

○本書を読めば、日本農業の実態と農業の潜在力を開花させる筋道がよくわかります。たとえば、米、牛肉・豚肉、乳製品、野菜、果実など農業の主要分野のうち、乳製品の一部を除き、TPPは実質的には農業生産にはネガティブな影響を与えない。むしろ、農産品を加工生産する食品産業が打撃を受け、国外に生産ベースを移すため、国内農業は重要なユーザーを失うことになる、と著者は主張します。

○また、TPPは他国市場へのアクセスを広げ、取引ルールの明確化など、農産品輸出の促進にとってメリットがある。農業の担い手の意識が変わることで、必要な変革への動きを加速させるメリットがあると説きます。

○むしろ、TPPで「攻めの農業」に向けた農政新時代というキャッチフレーズとは裏腹に、高米価政策、「減反」維持、消費者への高負担の押しつけ、誤った農業保護の継続という点で、農業政策の基本が変わっていないことが問題であると指摘します。

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  • 東2法経図・6F開架:611.1A/Y44t//K

  • 【請求記号】6100:1317

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著者プロフィール

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1977 年東京大学法学部卒業。ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。博士(農学)。農林水産省ガット室長、地域振興課長、農村振興局次長などを経て、2008年より独立行政法人経済産業研究所上席研究員、2010年よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
主な著書に、『国民と消費者重視の農政改革 ―― WTO・FTA時代を生き抜く農業戦略』(東洋経済新報社、2004年)、『食の安全と貿易 ―― WTO・SPS協定の法と経済分析』(編著、日本評論社、2008年)、『環境と貿易 ―― WTOと多国間環境協定の法と経済学』(日本評論社、2011年)、『日本農業は世界に勝てる』(日本経済新聞出版社、2015年)など。

「2016年 『経済政策論 日本と世界が直面する諸課題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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