高田直芳の実践会計講座 原価計算

著者 : 高田直芳

• 日本実業出版社 (2010年4月22日発売)

作品紹介・あらすじ

基礎知識から複利計算に基づく新手法までを平易に解説。オリジナルの原価計算規程も紹介。企業実務に最も即した決定版。

感想・レビュー・書評

[ＹＳの書斎さんの感想 · 2010年6月19日]

●100704
原価計算などの実務的な分野の学習者にとって一番恐ろしいのは、
「今自分が学んでいることは、実務ではまったく役に立たない」
ということ。

だから、こういう分野の専門書は、「いかに実務現場の臨場感を与えてくれるか」が重要になる。
（正確な知識を与えてくれることは当然）

その点、本書はそのバランスが絶妙。
「教科書的な知識をわかりやすく伝えてくれる」箇所と、
「そうは言っても実務ではこうなんですよ」という箇所が、
うまい具合に混ざり合って、とてもわかりやすい。

こういう書き方のできる専門家になりたいですね。

●100601
どの分野にも優れた書き手はいる。
決してその分野の第一人者ではないのかもしれないが、その優れた文章能力・説明能力によって、
その分野の入門者にとっては最高の先生になりうる書き手だ。

進化論・遺伝学の分野では｢利己的な遺伝子｣のドーキンスや「動的平衡」の福岡氏。
数学・宇宙論などについては、「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンなど。

彼らと同列に並べるのが適切なのかはわからないが、
管理会計の入門者にとってダントツで面白い著書を提供してくれるのが高田氏である。
管理会計、その中でも特に退屈な原価計算に、現場の風、企業の躍動感を吹き込み、
僕に伝えてくれるその内容たるや素晴らしい。
ぜひ読み込みたい。

著者プロフィール

公認会計士、株式会社CPAファクトリー取締役社長

「2019年 『［決定版］はじめての管理会計＆戦略会計』 で使われていた紹介文から引用しています。」