タックスよ、こんにちは!: 茶の間で語らう親子のために

著者 :
  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535555020

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  • 著者は政府税制調査会会長、国立大学協会副会長そ歴任し
    現在、放送大学学長、一橋大学名誉教授、日本郵政取締役監査委員長であります。

    日本国憲法30条
    「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」

    本書はタックス(税金)に関する仕組みや基礎知識についての内容になってます。

    本書では日本人は納税者としての意識が希薄で
    納税者とは単にタックスを納めればいいという感じにとらえている。
    しかしアメリカやイギリスでは
    納税者とは「タックスを支払いその使い道を監視する人」という意識があると書いてあります。

    日本人は往々にして納税されたタックスが
    何に用いられるか使い道とを結びつけて考えない傾向があるようです。
    その結果、「タックスは少ないほうが良い」が「公共サービスは多いほうが良い」という無理な要求になりがちです。

    タックスを支払う額は少ないのにそれ以上の公共サービスを提供すれば
    国の借金が増えざるをえないことになります。

    財務省発表では国の借金は総額908兆円8617億円(2010年9月末時点)と
    先進諸国の中で最も多く、1人当たりは713万円になります。

    もっと納税者としての意識が浸透していれば
    タックスに見合うだけの要求し、これほど借金は増えていなかったことでしょう。

    ではなぜ日本では納税者としての意識が希薄なのでしょうか?
    本書では原因の一つとして
    欧米社会のように市民革命を起こし自分たちの手で新しい国を作ったという経験がなかったことあります。

    つまり国民が自らの手で国を築きあげたという自覚、責任が少ないとのことです。
    その自覚があればタックスをすすんで支払い、その使い道を監視するという考えが身につくはずです。
    そうであれば国も税収に応じた適切な公共サービス供給し
    国民も過剰な公共サービス受けるというような状況の回避は可能だったはずです。

    事業仕分けなどが注目を集めていますが
    現在のところ残念ながら市民社会の担い手としての自覚がまだまだ育っていないのが現状でしょう。

    しかし少子高齢化の下で財政再建が急務という状況で
    私たち国民はどのような負担を求められていて、
    どのような選択をするのかを迫られているかを考えなければなりません。

  • 消費税アップ前に税金についてちょっと勉強しようと思って、ブックオフで105円で購入して読んでみた。
    累進課税について今まで勘違いしていた。超過累進税率方式というのは、全体ではなく、超過金額に対してのみ、より高い税率を適用するのか。
    ところで、この本は2006年に発売された本らしいのだけれども、その時から消費税2桁には、近いうちにならざるをえない。みたいなことが書いてあった。やっぱりそうなのか。

  • 税金の仕組み、使われ方について非常にわかりやすい。

  • 課税方法を見れば、その国が分かる。いや、そんな事は誰も言っていないです。適当に作っちゃいました。まあ、一応読者の対象は若い人向けという事もあり、優しく書かれていますが結構ためになります。2007/11/13

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著者プロフィール

石 弘光(イシ ヒロミツ)
一橋大学名誉教授
1937年東京に生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学院を経てその後、一橋大学経済学部助手、専任講師、助教授、教授、学長(1998-2004年)。退職後、2007-11年の間、放送大学の学長を務める。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。その間、政府税制調査会会長(2000-06年)、財政制度等審議会委員、経済審議会委員、金融制度調査会委員などを歴任。経済学博士。専門は財政学。財政、税制に関する主な著書として、『財政構造の安定効果』(勁草書房 毎日エコノミスト賞)、『租税政策の効果』(東洋経済新報社 日経・経済図書文化賞)、『財政改革の論理』(日本経済新聞社 サントリー学芸賞)、『現代税制改革史』(東洋経済新報社 租税資料館賞)、『税制改革の渦中にあって』(岩波書店)、『増税時代』(ちくま新書)、その他多数。

「2014年 『国家と財政 ある経済学者の回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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