都市の再生と下水道

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  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535574335

感想・レビュー・書評

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  • 戦後の日本において、下水道という設備がいかに整備されてきて、それがどのような問題を孕んでいるのかというのが主なテーマです。

    「大型の下水処理施設とそれに繋がる下水道の整備こそが都市のあるべき姿」という印象に対し、データを用い反論しています。
    これについては僕自身もそのような幻想を持っていたので、改めて考え直す必要があると感じました。
    著者の行ってきた反建設省の行動もいろいろと述べられており、一方で研究者として、あるいは大学に所属する研究員としての難しい立場も描かれており、なかなか興味深いです。
    それゆえに、一部思い入れが強すぎる、感情的な表現も見受けられなくはないですが、文章の信頼性を揺るがすまでではないと感じました。

    なんでこんな表現を使うのか?とか、このデータはそんなに単純に評価してよいのか?とか、恣意的なものはやはりあるでしょう。それでも学生とともにどのように問題に取り組んできたかがよくわかる内容ですし、何より生じた疑問を明確にしているので、読者にも問題意識というものが芽生えるような内容です。
    汚いものを隠すように造られてきた下水道に関して、この本が書かれてから30年以上経過し、どのように日本は変わってきたのか、本当に正しい変化をしているのかは、これを読んだ我々が考えなくてはならないことでしょう。

  • 2009/
    2009/

    この著者三冊目の本を読もうと思っています。
    流域下水道のお話です。巨大なシステムの方が経済効率がいいと考えられていましたが、現実には全く逆だったそうです。経済も情報もそうですが、グローバルにしていくことは良いこともありますが、悪いところも必ず出てしまうものなのでしょうか。

    流域下水道の問題点
    1.費用が非常にかかり、供給開始まで時間がかかること。やはり、経済面も考慮しなければならないのです。
    2.処理した水が河川に戻らず、水の使い捨てのシステムを全国に張り巡らせることになること。これはとりもなおさず、水循環を否定するシステムなのです。
    3.流域下水道システムは、大量の工場排水を受け入れる計画になっていること。

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著者プロフィール

産業技術総合研究所フェロー

「2014年 『原発事故と放射線のリスク学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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