サイバー生活手帖: ネットの知恵と情報倫理

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  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535584358

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  • サイバースペースにはもはや自由はない。そういう時代になった。

  • ITの普及が現代社会に及ぼす影響を現実の事象に基づいて考察した一冊。『ASAHIパソコン』の創刊編集長を務めた著者は、インターネットや携帯電話が当たり前のように浸透した社会を「サイバー空間」と定義。佐世保小学生殺害事件やイラク邦人人質事件といった現実社会の動きが、サイバー空間でどのように受け止められたかや、サイバー空間での反応が世論をどう動かしたかを解説する。「(2ちゃんねるに代表されるネット上のコミュニティは)原理的には全世界に公開されているが、当人たちはそのことにまったく頓着しておらず、仲間うちに閉じている」など、その指摘は的確だ。
    その上で著者は、一般市民がこれからのIT社会で個人の尊厳や意思を守りながら、快適に生きるための教養としての「サイバー・リテラシー」の習得を呼びかける。「現実世界にしっかりと軸足を置く」など、四つの原則を提示する。このあたりの記述はいささか抽象的で食い足りないが、著者の主張はよく理解できる。

    【目次】
    第1部 サイバーリテラシーは「IT社会を生きる杖」(地球を覆うサイバー空間
    サイバースペース事件簿 ほか)
    第2部 IT社会が突きつけるもの(サイバー空間に翻弄される子どもたち―佐世保小学校事件・ケータイ
    情報の流れが錯綜する「総メディア社会」―イラク戦争・ブログ ほか)
    第3部 サイバーリテラシーと情報倫理(IT社会をどう生きるか
    情報倫理の構築と「社会資本」 ほか)
    第4部 それにしても、なんとかならぬか―サイバー生活手帳“リアル篇”(情報処理からこぼれ落ちる問題を救うはずの人間のマニュアル化について
    イラク戦争直前に駆けめぐったチェーンメールについて ほか)

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