- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535784222
作品紹介・あらすじ
一般相対論の基本的な内容に絞りその考え方を伝授する。全部で約80問の章末問題と、巻末の詳しい解答つき。
感想・レビュー・書評
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論理や数式展開の飛躍はない。独学可能だが、解析力学の知識は前提とされる。
入門とあるが、やや中級だと思う。
章末問題で応用的、具体的問題に触れていて、興味深い。こちらの解説も充実している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近年、宇宙についての興味深い研究成果が、メディアで取り上げられる機会が多くなりました。2011年のノーベル物理学賞は、宇宙の加速膨張を観測によって明らかにした研究者たちが受賞しました。昨年には、念願であった重力波の直接検出に、アメリカの研究グループが初めて成功したことが報告されました。これらの偉業を心の底から理解したいと思うのであれば、一般相対論(一般相対性理論)を学ぶ必要があります。
本書は一般相対論の基礎を学ぶためのテキストです。著者は本学の理学系研究科物理学専攻の須藤靖さんです。昨年まで、本書の内容に相当する授業である「一般相対論」を担当されていました。比較的薄い本ですが、非常に丁寧な記載が多く、この分野の入門書としては定番になりつつあります。
本書の特徴を二つ挙げると、難所となる概念の明快な解説と、テンソル計算の丁寧な記述です。一般相対論では、他の物理の分野ではあまり見かけない数学を使います。例えば、座標変換、反変ベクトル、共変ベクトル、テンソル、共変微分などです。これらはどんなテキストでも、はじめのあたりに出てくるため、ここでつまずくと先へ進むことが難しくなります。本書ではこれらの概念が、類書には見られないほど丁寧でわかりやすく書かれています。一般相対論に出てくる数学がよくわからないと感じた際は、部分的にでも本書に目を通すとよいでしょう。
もうひとつ、初学者を悩ませる一般相対論の特徴が、テンソルの計算がとめどなく出てくることです。この計算は独自の記法を使っているため、慣れないと大混乱におちいってしまいます。このテンソルの計算についても、本書では十分な配慮がなされています。演習問題としてまとめられている重要な計算には、テンソルが多く出てきますが、非常に丁寧でボリュームのある解説がついています。計算で困った際は、この解説が助けてくれます。
一般相対論のテキストは、日本語のものに限ったとしても、数多くあります。それぞれ特色を持ちますが、初学者に対するやさしさという点では、本書が一番だと言えます。
若林智章 (新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻)
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2001957684 -
光速をc=1とする単位系を採用している。
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これはわかりやすい.計算を追う気になれる.
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相対論を専門としない人向け(文系も含めて)の講義ノートを元にしたらしいです。平行移動や共変微分あたりの解説は幾何学的に解説されていて、イメージがわかないと難しいです。ただ全体的に数学的にも物理的にも解説は割と詳しいように思うので、自習するには良いかもしれません。豊富な演習問題と解説もあるので便利。初版だったせいか誤植がかなりありました。webの正誤表を確認のこと。
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2005年刊であり、相対論的宇宙論に関して、最新の情報が盛り込まれている。WMAPによるダークエネルギーやダークマターの比率のことなどが書かれている一般相対性理論の本は、この本の他にはあまりない。章末問題に解答がきちんとついていることも、非常に有り難い。
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ディラックの一般相対論に手が出なかったので購入した本。相対論を専門にしない人向けだが、物理を知らない一般の人向けの本ではない。ということで、物性系の私にはもってこいの本。だが、未読破。時間があればまず先んじて読みたい本。