地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震

  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535786523

作品紹介・あらすじ

温暖化肯定派vs.懐疑派どちらが正しい?データに捏造はあったのか?隠蔽や消去はあったのか?科学史上最大のスキャンダル「クライメートゲート事件」膨大な流出メールから科学者の素顔にせまるノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • SDGs|目標13 気候変動に具体的な対策を|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/715125

  • [ 内容 ]
    温暖化肯定派vs.懐疑派どちらが正しい?
    データに捏造はあったのか?
    隠蔽や消去はあったのか?
    科学史上最大のスキャンダル「クライメートゲート事件」膨大な流出メールから科学者の素顔にせまるノンフィクション。

    [ 目次 ]
    序章―事件の根元
    1章 科学の議論とインターネット
    2章 あぶないデータ
    3章 研究所長の心変わり
    4章 疑惑の論文
    5章 データを見せろ
    6章 ダビデの軍勢
    7章 狂乱の週
    8章 彼らの動機
    9章 夢のあと

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • クライメートゲート事件の真相に迫る本です。
    クライメートゲート事件は日本で殆ど報道されていません。また、報道されていてもごく一部で、単に気候学者間のメールがハッキングされてそのなかに不適切な文言があった程度の報道になっています。
    ところが、この事件の真相はそのようなことではなく、IPCCを主導してきた気候学者の科学者としてあるまじき行為が暴露されました。
    気候変動を理解するために必要なのは、元となる気温や昔の年輪等のデータで、そのデータをコンピュータで解析し結論を出します。第3者による批判や再現を可能にするには、データならびにソースコードの開示が必要です。それなしにはピアレビューは不可能です。
    温暖化を考える場合2つ重要なトピックがあります。ひとつは都市化の気温への影響で、その分析をしたジョーンズ論文があります。もうひとつは中期の気温の変化をしめしたホッケースティックの図です。この2つが崩れると温暖化の議論はその根拠を失います。
    この論点について、温暖化懐疑派が、データとそのコードの開示を要求しました。科学の常識に従えば即座に開示されてしかるべきですが、ジョーンズはへりくつをならべて開示を拒みました。また、マンのホッケースティック論文はすでに誤りであることがマッキンタイアらにより明らかになったのですが、この理論の新たな論文を作成しIPCCの論文収集の期限に間に合わないものを論文雑誌の編集者を抱き込んでむりやり採用させました。これらの行為を懐疑派が情報公開法によりジョーンズやマンを追い込みましたが、再度へりくつを言って情報公開を拒否しました。その直後に起こったのがこの事件です。
    この事件の顛末を理解するとおよそ温暖化ガス説を強力に推進した科学者たちのモラルが如何に低いかがよくわかります。気候学会も地球温暖化説を唱えれば研究予算が増えるので、日本の原子力研究者を同じように御用学者化しているわけです。
    もう一点、この本で知ったのは、ゴアの「不都合な真実」はイギリス政府によって政治的なプロパガンダであることが認定されました。科学的な映画として見せてはいけないのです。
    日本ではこのような重要な情報が報道されません。多くの人がこの本を読み温暖化ガスによる地球温暖化の神話から目を覚ますべきでしょう。
    気候は複雑系のシステムであり、歴史の浅い気候学が解明できるような代物ではないと思います。多くの仮説を建設的に批判検討し少しでも真理に近い仮説を打ち立ててもらいたいものです。そうはいってももととなる気温の測定もいい加減な状況でどこまでできるかわかりませんが・・
    局所的な温暖化は当然起こっていますが、地球全体が温暖化しているとはどう測定できるかそもそもわかりませんね。

  • これは国連のIPCCによるクライメートゲート事件(温暖化発言とCo2の関係)を
    流出したファイルから検証している本。
    そこには「ネイチャーの論文で使ったトリックで気温低下を隠す作業を完了した」とか
    「IPCC報告書関連でブリッファと交わしたメールはみな消してくれ」
    などの膨大な記述があり。

    ファイルの閲覧コードを最初に受け取った著者たちは、メールと事件の背景を
    丹念に追いながら、地球温暖化に絡む学者たちの人間模様を描き出す。

    温暖化論争を扱った本は数百冊あるだろう。
    科学の伝統作法を踏みにじり、交信メールを消し、情報公開法の後ろに隠れ、
    気温データさえ隠し政治家の好きな「温暖化対策」の根拠をぐらつかせた科学者達。
    彼らの振る舞いをじっくりと観察しよう。
    てなことを翻訳本の前書きで述べている。

    IPCC側の学者たちによる捏造に使われたデーターの公開を多くの学者たちが
    法を通して迫ったが屁理屈を捏ねて逃げまくってなかなか応じることがない上に
    各国のマスメディアや政府がしぶとくIPCCを守り
    未だに濡れ衣だろうCo2削減を積極的に推進している
    戦争につぎ込むほどのお金と人海戦術を使いまくり
    低開発国に対しては膨大な援助をしている

    その陰に誰のどんな策略があるのかはっきりとさせないまま国連も各国政府も
    メディアによって暗黙の了解があるかのように口裏を合わせ一方的に押し通している
    多くの民衆も恐怖に包まれて言いなりに流されている
    バカで善良な我々市民も不安に追い立てられながら盲滅法に群れている

    競争とは自分で掻き立てている恐怖感に追われて逃げ惑うことらしい
    資本主義とは常に敵を想定しているヤクザで保守的依存組織である
    お互いに想定している敵の襲撃に怯え
    その恐怖感を推進力に利用して群れをなし逃げこむための縄張り集団である

    依存とはSとMの関係でつながりお互いに相手を盾とする脾虚な間柄である


    どうやら何処かの誰かが視野の狭い軍事的欲望による駆け引きで
    国連を利用してIPCCを作り地球温暖化という恐怖をばらまくことで
    世界中の政府とメディアをかき回し膨大な人的努力を無駄遣いさせているようだ。
    そのお先棒を担ぐことで地位と予算を獲得している学者たちの捏造となる机上の空論を
    表沙汰にした「クライメートゲート事件」を深読みする物語である

  • 温暖化について現在までわかっていることを知りたかったためスキャンダルの部分は個人的に冗長だった.
    事件については政治的・金銭的な理由で年輪等から気候を予測する古気候学者が暴走してでっち上げを行ったもの,という理解.
    温暖化そのものについてはCO2も少なからず影響しているのかもしれないが,それが全てかはまだわからないという状況.ただの周期的な気候変動の範疇のようでもあるし,具体的な原因がわかるにはまだまだ時間が足りない.
    環境のために生活の中で色々と心がけるのは大事だが,政策レベルで温暖化対策を行うレベルには全然至っていないと感じた.

    それと,地球シミュレーションも気候変動を解析するには精度・手法がまだまだ?

  • 地球温暖化スキャンダルというタイトルに惹かれて、この本を手にしてみたのですが、引用箇所がとても多いのが印象的でした。2009年秋(COP15頃)に起きたクライメートゲート事件を解説するのがこの本の趣旨なので仕方ないのかもしれませんが。

    二酸化炭素と温暖化の相関性は過去6億年のデータを遡る限り、無いことを証明するデータ(p12)は最も見たかったものでした。

    私も省エネ推進はたしかに重要だと思いますが、省エネ=二酸化炭素排出の低減=原子力発電の推進=排出権取引による証券市場のバブル化等が正当化されるのは、やはり変です。

    地震の起きない国ではともかく、ほぼ全域で地震が起きる可能性のある日本で原子力発電を推進していくには無理があると、今回の地震&津波で痛感しました。

    あの地震(3月11日)から1ヶ月以上経過しましたが、余震や誘発震が起こり続ける中でも原発を運転し続けている日本は本当にリスクの高い国なのですね。

    2011/4/17作成

  • ホッケースティック曲線に代表される、地球温暖化の議論を根っこから問う。
    仮にこの議論の真意がわかった上で、
    日本のマスコミが大きく報道しなかったとすれば、それは僕達がソフトな言論統制を受けているのと同じことなんじゃなかろうか。

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