14歳からの天文学

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535788084

作品紹介・あらすじ

「宇宙って素敵! 」――

夜空を見上げるとさまざまな星に心を奪われます。

夏は天の川や織姫星や彦星。冬はオリオン座やシリウス。

そしてその星々のあいだでひときわ明るく輝く木星や火星。よく晴れた夕方の西空に、

金星のまばゆいばかりの光を目にすることもあります。

星をよく見ると、白っぽいだけでなく、赤い星や黄色い星があります。

こうした色のちがいは何でしょう。

それに、よく晴れた日は青空ですが、夕日が赤いのはなぜでしょう。

また、当然のように夜空は暗いと思っているかもしれませんが、

星がいっぱいあったら、その明るさで昼間のようにはならないでしょうか。



さらに、宇宙についての素朴な疑問として、

○宇宙人はいますか?

○ブラックホールってなんですか? なんでも吸い込んでしまうのものですか?

○宇宙の外には何がありますか? 宇宙の始まりはどうなっていますか?

といったことを考えたことはありませんか。



天文学者である著者が、みなさんが思うこうした疑問を、ゆっくりと、ところどころ脱線しながら、解き明かしていきます。

でもすぐに答えがあるわけでなく、「思考タイム」といったアイコンがあるところでは、

少し立ち止まってみなさんに考えてもらえるよう、著者が待っていてくれます。



目次を見て、身近な話題、関心のあるところのページをどうぞ開いてみてください。

中学生だけでなく、小学校の高学年から、高校生、そして、おとな、宙女、宙ガールのみなさん、

センス・オブ・ワンダー(不思議に思う気持ち)をもっている方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 『感想』
    〇昔から宇宙について神秘性を感じていた。ただこれはよくわからないから感じていたのだが、今この本を読んでみると、分からないことが分かったことで神秘性を持てている自分に気づいた。

    〇いやあ、14歳で理解できる子はほとんどいないでしょ。私もわからないところばかり。でも専門書をやさしくかみ砕いてくれているのはわかる。

    〇数字や時間が余りにも大きすぎて、本当の意味での違いが分からない。でもとにかくすごいということは分かる。

    〇光の三原色(赤・緑・青)と色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)の違いについて、なるほどと納得した。この説明を学生時代にしてもらえれば、よくわかったのに。色の三原色の原因になっている人の視細胞が、光の三原色を作り上げているのだから相互互換(と言っていいのか)関係になるが、色の三原色を均等に混ぜ合わせると黒になるが、光の三原色を均等に混ぜ合わせると白になる。光は人が勝手に色づけしたものであり、白が作り出せることが衝撃であり納得。

    〇知ってはいる言葉の再定義ができた。今だからこそ多少は理解できる。

    〇この中身を14歳で興味を持ち、理解ができるような人が、宇宙の仕事について新たな発見をしていくのだろう。

    『フレーズ』
    ・虹の7色の色の名前は、赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)(p.6)

    ・地球と太陽の距離(1億5000万km)は、地球と月の距離の約400倍。太陽と月の大きさも約400倍。現在は大きさの比率と距離の比率がピッタリ。(p.59)

    ・光の三原色は赤・緑・青のことで、均等に混ぜると白になります。(略)光そのものに色がついているわけではなく、人間の脳内で色は認識(着色)されるのです。(p.81)

    ・ダークマターの正体は不明ですが、すくなくとも通常のガス物質のようなものではなく、お互いに衝突しない(相互作用の小さな)何かの素粒子のようなものです。(p.176)

    ・ビックバンというと”爆発”のイメージが強いですが、ビッグバンは、すでに存在していた空間の中での通常の爆発とはまったく違うものです。時間と空間が誕生したときに、時空そのものがきわめて高いエネルギーだったという意味で、時空が”爆発”のように広がり始めたという意味です。(p.186)

    ・この宇宙は非常にデリケートに幸運な状態になっていることがわかってきました。宇宙の構造や物理定数(光速度や万有引力定数など)が、星や生命が存在できるような値に奇跡的に微調整されているとしか思えないフシがあるのです。(p.204)

    ・この宇宙のありようが、生命の存在にとって”ちょうどいい”ように調整された状態になっていることを、天文では”ゴルディロックス”という言い方で表現します。(p.207)

  • 天文宇宙検定2級テキストでよし

  • 最初は身近な現象から始めて、だんだんと宇宙についての専門的な話に入っていてとても読みやすかったです。

  • 令和4年10月の特集「空と宇宙」

  • 難しい。14歳でも難しい。興味をそそられるテーマがいっぱい。
    空はどうして青いの?

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著者プロフィール

大阪教育大学教授,理学博士,専門は理論宇宙物理学,とくにブラックホール降着円盤と宇宙ジェット.
 1956年宇部市生まれ.1978年京都大学理学部卒業,1983年京都大学大学院理学研究科(宇宙物理学専攻)博士後期課程修了.日本学術振興会特別研究員,大阪教育大学助手,助教授を経て,2004年4月より現職.
【主な著書】
『アインシュタインの宿題』(光文社,2003年),『となりのアインシュタイン』(PHP研究所,2004年),『100歳になった相対性理論』(講談社,2005年),『科学の国のアリス』(大和書房,2005年),『シネマ天文楽入門』(裳華房,2006年),Black-Hole Accretion Disks(共著)(Kyoto University Press, 1998, 2008)ほか

「2007年 『光と色の宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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