死生学とはなにか

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  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535981157

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  • ・病苦を乗り越えるためには、患者側および援助したり治療したりする側の人間の死生観や価値観の見直し、家族への働きかけ、経済的側面への配慮、精神科医や医師、看護師などとの協力、聖職者の介入、自助グループやボランティアなど社会資源の活用、行政への働きかけなど積極的にやる必要がある。

    ・精神的な次元における“老廃物”である葛藤も、そのまま放置しておくと神経症や精神病にかかることが明らかにされている。


    <終末期ケアにおいて必要なこと>
    ☆末期ケアにおいて、家族に介護の“場”なり“役割”なりを与えることは大切。
    ・介護する家族のために、生活環境を整える。
    ・すすんで家族の悩みを聞く。
    ・(医)病状をはっきりと説明―終始一貫してること。
      説明は、相手のレベルに合わせて、丁寧にわかりやすく。
    ・家族が何を最も聞きたがっているのかを把握しておく。
    ・家族の持っている価値観や、死生観を理解する。
     (病気や死をどのように考えているのか)
    ・(医)医療費が公費でまかなわれる場合は、その申請の仕方を教える
    ・ケースワーカーなど人的資源の活用の仕方や、施設種々の関連施設の利用方法、支援団体の紹介などサポートにあたって必要な情報を積極的に与える。

    ☆末期患者に対しては、一般の患者以上に温かなケアが施され、最後まで人間としての尊厳が守られるように配慮すべきである。

    ・悲しみをわかちあってくれる人、一緒にいると自然にこころがなごむ人、共通の時間をできるだけ多く持ってくれる人がベッドのそばにいてくれることを望む。
    ・「する」(行為)ことはできなくても、そこに「いて」(存在)あげることはできる。その場合、黙っているだけでよい。なにか言ったり、したりすrことがかえって相手の心を傷つけることすらある。

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著者プロフィール

横浜市立大学医学部卒業。自治医科大学助教授(精神医学)、東洋英和女学院大学大学院教授(死生学、精神医学)を経て、聖学院大学総合研究所・大学院(人間福祉学部こども心理学科)教授、医療法人財団シロアム会理事長。精神科医。医学博士、精神保健指定医。

「2018年 『ヘンリ・ナウエンに学ぶ 共苦と希望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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