教養としての現代漫画

著者 :
  • 日本文芸社
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本棚登録 : 73
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784537262001

作品紹介・あらすじ

漫画は教養(リベラルアーツ)としての武器だ。世界に大きな影響を与えている日本の現代漫画。つげ義春、諸星大二郎、大友克洋、高橋留美子、高野文子をはじめ、60年代以降の代表作家40人を取り上げ、作品に込められた思想、哲学、現代的意義を深く考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 『リベラルアーツの学び方』の実践版と言える作品。
    『リベラルアーツの学び方』でも、ロック・ジャズ、クラッシック、映画、漫画といったところに作者の嗜好を感じたが、先ずは漫画からということで漫画には格別な思いがあるのだと本作を読んでいても感じる。

    はしがきに「一つの視点から現代漫画についての物語を物語り、見取図を示す本」とあるように本書における現代漫画は作者の視点を通しての現代漫画である。作者の視点については、第1部に詳述されている。また、本書で取り上げられている作家を一覧する事で感じる事もできよう。ガロ時代のつげ義春を嘴矢として諸星大二郎、大友克洋、高橋留美子、高野文子の五人に加えて、いがらしみきお、近藤ようこ、こうの史代、五十嵐大介を現代漫画を代表する9人としている。これに加え31人の作家の計40人を作品紹介を中心に取り上げている。多人数な上に作品を網羅的に取り上げているので、作家論・作品論という意味では少々物足りなく感じる。

    私自身は、学年が上がるほどに漫画を読むペースは減っていたし、学校を卒業後はアニメは選択的には追いかけているものの漫画はほとんど読んでおらず、子どもたちが面白いよと推薦するものぐらいになっているのであるが、漫画に対する思い入れというものは残っているので、現代漫画(漫画に現代以前のものがあるのかとは思う)という以上はこういう作家を入れて欲しいという気もする。手塚治虫の流れを受け継ぐ現代日本漫画のいわば主流派の作家はほぼ取り上げられていない。理由は本書でも述べられているが、現代漫画と謳う以上は全く無視はできないようにも思うのである。作家ではなく作品にフォーカスするという方法もあろう。

    とはいいつつも、自分とは違った視点で選ばれているので、知らなかった作家で読んで見たいなあと感じる作家も何人かあったし、知っている作家についてもそういう見方があるかと啓発される部分もある。教養として漫画を読むという姿勢での「読書」のガイドとして役立つ本ではある。

  • 紙面の都合上40人の漫画家のみ取り上げていて、それはやはり必要ではあっても十分とは言い切れない人数で、例えば松本大洋や荒木飛呂彦などについても評してみてほしかった。あだち充は?浅野いにおは?士郎正宗は?浦沢直樹は?山下和美は?次々と他の漫画家が思い浮かんでしまいキリがない。

  • 知らない方もたくさんいたので知れて良かったです。

  • いろんな漫画が知れてブックガイドとしておもしろかった。が、瀬木比呂志さんの解説はわたしにはわかりにくく、その漫画の魅力がイマイチ伝わらなかった。

  • 参考になった。かなり低評価なのは、視点が偏っているから?こう言ったガイドになるものはある程度偏ったものでないと平均的なものになってしまうので、偏りのある内容で構成されているのは、編集者さんの「あえて」の戦術なのでは、と思った。

  • 誰に向けて書いているか分からない。表紙はオシャレな感じなのに、読んでみたら、超インテリが知識を総動員させて、難解にこねくり回した文章。私的な解釈を高尚に書いているだけ。歴史に残るはずである鳥山明や赤塚不二夫を含むベストセラー漫画家などの記述も一切無い。

  • 漫画を教養として捉えた時の各作者の位置づけなどが知れる

  • 流し読み

  • 元裁判官の法学教授による人物に焦点を当てた漫画史&著者の漫画レビュー。


    率直に厳しい。
    マンガをたくさん読まれてるのは分かるし、僕らより前の世代の漫画家や、その読まれ方が多少見える歴史の部分は幾分面白い。


    ただ、食べログしかり、"みんなの"評価が力を持ってる時代に、主観により依拠するマンガのレビューや点数部分が厳しい。
    二言目には主観と切り捨てたくなってしまい、あまり内容が入ってこなかった。

  • この手の本って小難しい単語をちりばめてるだけのオナニー文章か味もそっけもないカタログ的なもののどっちかって印象だったけど、この本は分かりやすく紹介されてる本を手に取りたくなるような内容だった。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業。1979年から裁判官。2012年明治大学教授に転身、専門は民事訴訟法・法社会学。在米研究2回。著書に、『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(第2回城山三郎賞受賞)『民事裁判入門』(いずれも講談社現代新書)、『檻の中の裁判官』(角川新書)、『リベラルアーツの学び方』『究極の独学術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『教養としての現代漫画』(日本文芸社)、『裁判官・学者の哲学と意見』(現代書館)、小説『黒い巨塔 最高裁判所』(講談社文庫)、また、専門書として、『民事訴訟法』『民事保全法』『民事訴訟の本質と諸相』『民事訴訟実務・制度要論』『ケース演習 民事訴訟実務と法的思考』(いずれも日本評論社)、『民事裁判実務と理論の架橋』(判例タイムズ社)等がある。

「2023年 『我が身を守る法律知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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