- Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
- / ISBN・EAN: 9784544020687
作品紹介・あらすじ
智恵子と光太郎の奏でる愛の協奏曲。智恵子の紙絵と光太郎の自筆詩稿。二つの美がここにはじめて向いあい、語りはじめた。
感想・レビュー・書評
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世間一般の認識は,智恵子は高村光太郎の妻ということになるだろう.
智恵子が芸術家だということを知っている人は少なくないだろうけれども,やっぱり高村光太郎の方が大きいという認識だろう.
これはやっぱり違う.智恵子も同じだけの才能を持っている.
こんなにも智恵子は芸術家であった.
ただ一つ内なるこえ、
たましいに聞くことをお忘れにならないよう。
この一事さえ確かなら
あらゆることにあなたを大胆にお放ちなさい。
それは最も旧く最も新しい、成長への
唯一の人間の道と信じます故。
--智恵子
他方,高村光太郎.
高村光太郎のような気持ちで高村光太郎のような詩が書けるのであれば,30年寿命が縮んでもいいな.
30年っていう数字の低俗さに自分の才能がないことを知る.
デカダンと人は言って興がるが、
こんな痛い良心の眼ざめを曾て知らない。
遅まきの青春がやつてきて
私はますます深みに落ちる。
意識しながらずり落ちる。
カトリツクに縁があつたら
きつとクルスにすがつてゐたらう。
クルスの代わりにこのやくざ者の眼の前に
奇跡のやうに現れたのが智恵子であつた。
--高村光太郎
この文章がすっと私の中に入ってき,理解できた.
光太郎は,救われたのだろう.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高村光太郎の詩と智恵子の切り絵。智恵子がこのような切り絵作品を病を得た後に数多く作っていたことを知って感動を覚えた。
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中学の頃に読んであこがれた気持ちが、今の自分にも通じるところがあり、あらたな感動を覚えます。智恵子の切り絵と光太郎の手書きの詩が美しいです。
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智恵子さんの紙の作品と、光太郎さんの詩が合わさった本。うっとり〜というよりも、深いけどこざっぱりしているなあと思いました。寄り添ってもなお愛情が増していくことは恥ずかしい事じゃないんだね。