ベスト&ブライテスト (下巻) (Nigensha Simultaneous World Issues)

  • 二玄社
4.12
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784544053081

感想・レビュー・書評

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  • もう50年も昔の話で、ケネディ政権の熱気や、キューバ紛争の雰囲気をリアルに覚えている人にはお目にかかったことがない。安保の話はよく聞くけどね。世界が、この本のように動いていた時代に、団塊世代っていうのは、いったい何をやってたんだか・・。今また、彼らが近視眼的な政治意見を吐き散らして、日本の行く先にノイズを撒き散らしている。

  • 253.0

  • ベトナム戦争に先立つインドシナ戦争は、フランスの植民地支配から

    脱しようとした戦いだった。この時点でのアメリカは植民地支配に

    批判的であり、フランスへの援助をためらっていた。

    しかし、北ベトナムの向こう側に中国・ソ連の影を感じ取ったアメリカは、

    共産主義から世界を救う民主国代表として積極的な介入を行う。

    そこにはジエム政権の腐敗とそれに迎合するサイゴン司令部の思惑も

    あり、軍部はアメリカ政府に対し多くの要求を突きつける。

    「ナパーム弾、使いたいんですけど?ジャングルはゲリラに有利になる

    ので枯葉剤も使いたいな。あ、空爆したら奴らも抵抗をやめるんじゃな

    いかなぁ」

    そして使用したナパーム弾は非人道的であるとしてマスコミに叩かれ、

    ジャングルを裸にするはずだった枯葉剤は自国の兵士にも後遺症を

    残し、北爆しても北ベトナムは根を上げるどころか益々強力な兵力に

    なって行く。

    イラク戦争時に見られた国務省vs国防省の構図がベトナム戦争時にも

    あった。政府中枢にアメリカの積極的介入に懐疑的な官僚がいても、

    国防総省や軍部の楽観的な見通しに押され、反対意見は封じ込めら

    れて行く。

    いくら優秀な頭脳を集めた官僚集団でも、文化の違い・歴史の違いを

    考慮することがなければ自国の進む道を見誤る。それがベトナム以降

    のアメリカであろう。

    北ベトナムの影には確かに中国・ソ連がいた。しかし、北ベトナムは

    イデオロギーだけで戦っていたのではない。そこには民族の独立という

    悲願があった。

    「フランスにとっても、アメリカにとっても、この戦争の偉大な幻想の

    一つは、自分たちが戦争の規模や進展を左右している、という考えで

    あった。現実には、それを左右していたのは敵であった。敵は、一定時

    にどの程度の兵を投入するかを決定することにより、戦争規模を拡大

    したり、縮小したりする決定権を握っていたのである。」

    主役はいつでも自分たちである。そんな驕りが泥沼の戦争に国を導いた。

    この教訓は活かされることなく、今、アフガニスタンで同じようなことが進ん

    でいやしないか。

  • 2010/8/5

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