澁澤龍彦との日々

著者 :
  • 白水社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560027776

作品紹介・あらすじ

夫と過ごした十八年の日々を静かにふりかえる、感動の書き下ろしエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 文章や写真でしか知らない澁澤氏の印象が、龍子夫人の思い出で色付けされた。博識でありながら、子どものような姿。いや、子どものようだからこそ、博識でもあったのか。惜しまれてならない。

  • 澁澤龍彦夫人が澁澤没後18年を経て書いた澁澤龍彦との日々。

  • 渋沢竜彦の奥様が夫との思い出を描いた物語。
    事実を書いているのだろうけど、作家の奥様っていうのが
    興味深く、物語のように面白くあっという間に読んでしまった。
    たまたま今号のku:nelの一番後ろのページにこの本から
    引用した文章が載っていて、本との縁を感じた。

    夫婦の間に余計なものが入るのは嫌だからと
    お互い暗黙の了解で子供を作らなかったという考えに
    二人の愛情の深さを感じた。
    確かに子供が出来るとプラスになる面ばかりだけど
    夫婦という観点からすると密着度は薄まると思う。

    そのほか話の中に色々な交友のあった作家の名前など
    出てきて色々な場面を垣間見れて面白かった。
    またゆっくりと読み返したいなって思う。

  • 最近澁澤龍彦の背後に家父長制みたいなものを感じ、以前より株は下がっているのだが、奥様と結婚前にデートで待ち合わせた場所に現れず、家を訪ねてみると「だって、この宇宙はぼくを中心にして回っているから、これからもずっとそうだよ。そんなことで怒るのはおかしいよ。」との記述に、天動説の男だ、と、思ったり、色々なエピソードを読み見た目も若いけど本当に少年のよう、と、思ったり、「そして、1987年8月5日午後3時35分、ベッドで読書中に頸動脈瘤が破裂。真珠のような大粒の涙が一つ、左目からこぼれてー一瞬の死でした。」の記述に、こちらの涙もこぼれそうになった。

  • その追憶を辿って一番悔しい思いをするのはいつもいつもこの人についてで、本人の才能にはあこがれこそすれ嫉妬などちっとも感じないけれどその周りにいた、さらに女、で愛された、という女の本をよんで何でこんな時間を越えて悔しい思いをしなくてはならないのだろう。真夜中になきながら歯軋りもする。
    澁澤龍彦本人におしかり帖をつけられるのもうなずけるほど著者の筆致はゆるく、時折記憶の中に潜っていたままの部分さえあるほどで、ただそれが手に取る私にとっては深い愛情や思われていたと自分で感じられるほどの時間になっているのがうらやましくてたまらないというか。テーマが何かあるわけでもなく、特に何も伝わってくるでもなく、ただ著者が深く吸い込んだ空気が漂うだけ。それさえ悔しくて、なんというかこんなセンチメンタルにも涙が出てしまうほど、わたしは澁澤龍彦のことがすきだよ!
    比較しても仕方がないが、矢川澄子が回想した澁澤龍彦とはまったくちがうのが興味深く読める部分でもある。矢川澄子が「男性」に対して感じていた劣等感と言うか羞恥心と言うか、(月経のない男がきれいというのは、というコラムを読んだことがあるので)そういうものがやはりあったのだろうかという邪推もする。著者は、なんと言うか同じように「子供を作らないでおこう」という約束さえも、水面に浮かべても仕方ないと言うことなのか、その本質を受け入れることで成り立ってしまったという風がある。

  • 何故龍子が妻なのか。
    ミーハー。嫉妬。

    でも、文中にある友人のセリフ。
    「あなたは澁澤の世界で生きなさい」だったかな。
    それを読んで納得した。

    愛しい澁澤さんをこっそり覗けるひとときを。

  • 渋澤氏亡き後も務めを果たしている、夫人の回想録。
    いろいろ、簡単には言えないですね。他人は。

  • 龍子夫人による澁澤の思い出。
    私生活は意外と普通の人だったんだなって思います。
    甘えん坊で寂しがりやの澁澤が居ます。
    それにしても「龍子」さんって名前に驚きました。
    運命なのかしら。

  • 丁寧な日々。
    澁澤龍彦と過ごした18年は、彼の死後同じく18年経っても全く色あせていない。とても羨ましい。

  • 澁澤とこんな生活が送れた著者に嫉妬してます。

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