聖女ジャンヌと悪魔ジル

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560042540

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  • トゥルニエ逝去に伴い手にした一冊。とはいえ『フライデーあるいは太平洋の冥界』を最近通読したのみの俄か者だが。あまりに有名なジャンヌ・ダルクとジル・ド・レの史実にのっとり、善と悪とのアンビバレントを鮮やかに転回する。哲学的にも幻想的にも変化自在に操るトゥルニエの手さばきは高潔な格調を乱すことなく淫らだ。前時代的な題材を現代に照合し寓話として読み解くことも可能だが『フライデー~』ほどの皮肉は見られない。何よりも狂気にまで至るジャンヌへの愛の物語であり、そのジルの最後の叫びを導きだすための魂の救済の物語である。

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著者プロフィール

現代フランスを代表する作家。1924年パリに生まれる。ゲルマン神話とドイツの哲学・音楽に傾倒する。『魔王』『気象』『黄金のしずく』等著書多数。この作品はドゥルーズが非常に高く評価している。

「2010年 『フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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