シュガー (新しいイギリスの小説)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560044773

作品紹介・あらすじ

E・M・フォースターが死んだ日に霊感を受けた女性作家、女家主の事故死した子供の幽霊を見てしまった男、母が亡くなって後ひそひそと先祖の話し声が聞こえる隣部屋。大作『ポゼッション』でブッカー賞を受けた英国きっての知性派女流の短篇には、いかにも英国的な、繊細で不気味な雰囲気が滞う。

感想・レビュー・書評

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  • 女史唯一の短編集だそう。

    ここのところ続けてフランスものを読んでいたので、第一作「ラシーヌとテーブルクロス」で、いきなり寄宿女学校ときたのに異次元ワープでした。

    面白かったのは、作家女史が預かった少年が自作の主人公にそっくり、っていう「取替え子」。
    自分がこしらえた世界から出てきたものが現実に目の前で
    動き回る、その足場の揺らぐ異様さがぐっと書き込まれていて、ゾワッ。

    一転、「面目丸つぶれ」は、他民族の個体認識っておつむの良し悪しで解決できるものもでもなくて、ひょっとすると「文明の衝突」どころの話じゃないんじゃない、はあ~っ、と身につまされた。

  • 「『抱擁』、早く読まにゃなぁ」と思いながらこの短編集を何度も読み返しています。小道具の使い方が抜群にうまいと思うのです。赤い靴とか、コーヒーとか、そういう物に込められた様々なディテールを折り重ねて、言葉に託すと白々しくなる感情やなんやかんやを描き出すのです。語りえないものを語るテクニックって、やっぱりあるんですね。でもそれは天才にしかできないんですね。

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