- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560047286
作品紹介・あらすじ
愛すらも信じることができず、不安な日々を送る女たち。彼女たちの眼前に広がる水が映し出すものは…。
感想・レビュー・書評
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とても読みやすく、何に惹き付けられるのかよく解らないのについつい読み進めてしまった。
訳が読みやすいのもあるのかな。
訳者の解説も面白く、納得した。
『彼の作品に救いを見出だすことはできない』 『ここにあるのはある種の〈共感〉もしくは〈代弁〉』 『ロジェ・グルニエの文学は青春の文学である』
自分が惹かれたのは、作者の描く絶望的な人生観や作中の女性たちに〈共感〉したからだと思った。
でも後味は悪くなく、すーっと気持ちを吐き出したような気分です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「船旅」「女像柱」の2編収録
「船旅」
主人公イレーヌは風邪をこじらせ、散々な冬を過ごし、
その後も鬱々とした日々を過ごしている。
仲の良い同僚、活発で行動力あふれるジュディットに誘われ、
気分転換の船旅に出ることに…
その船旅では
その国(スペインか?)の
グループ(実はある思想集団)と一緒になり…
旅行って、楽しみにして行ってはみても
なんだか面倒くさくなったり
帰りたくなったり、と言うのが上手く表現されていて共感。
イレーヌはその違うグループの男性と恋愛関係となるが、
起こった「悲劇」と合わせて、
忘れられない旅となった。
大好きな人との温度差の表現が絶妙。
あちらにそういう気持が無いと重々承知していても
見捨てることが出来ず、役に立とうとしてしまう気持ち。
「女像柱」
心を病んだ女性モニック、優しい夫ジャック
モニックは女像柱のある病院に入院する…。
挿入される「アンナ・カレーニナ」の話がきいている。