チボ-家の人々 (13) (白水Uブックス 50)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070505

感想・レビュー・書評

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  • ついに読了。高校1年の夏に読んで以来の再読。黄色い本ねンねンを売り払い白水uブックスで買いなおしてからも実に長いこと寝せてしまった。16歳時に果たしてどれだけ理解できていたのかはわからないがとにかく感動したという記憶だけが胸の奥深くに刻まれていた。今回は先に巻末の解説を読んでから読み始めるということを繰り返し理解は深まったように思う。正直開戦前後1914年の3巻はかなり斜め読みになってしまった。最も感動したのは最終巻アントワーヌの独白、日記の部分。病や死というものが身近に感じられる年になったからなのかもしれない。

  • 感無量。涙が止まらない。最終巻はデュ・ガールの平和への思いを、アントワーヌの哲学的な想念の綴れ織りに託し語っている。いわば統括。一つ一つ言葉が胸に刺さって堪らなかった。平和を目前としながら、一旦平和を勝ち得ながら再び破壊と利己的な戦いに導かれる愚かな人間の本能。この本能がどうしようもないものなら、それを防御しうる組織を築けばいい。二度と戦争の起こり得ぬ全世界的で強靭な組織を。戦いの本能を平和に向けての戦いへと利用すればいい。長い長い戦いとなるだろう。チボー家の兄弟の魂を引き継ぐべく、この物語は終わらない。

  • 戦争でも災害でも事故でも、死者数はデータである。その時代にいなかった者たちにはデータである。その一つ一つに悲しみと怒りがあることを想像する。チボー家の二人の息子はどちらも戦争の犠牲者である。ラストで長男は自分の病状や世界情勢を克明に記録し、幼い甥のジャン・ポールに希望を託す。私はこんなに強い病苦の中での彼の強い意志に圧倒された。物語は彼の自死を匂わせて終わる。ダニエルも母が生きてるうちは生きるよという。ジャックの政治運動の時期がこの話のピークだったのかな。こんな終わり方とは想像していなかった。

  • 最終巻の後半は、アントワーヌの独白である。

  • アントワーヌが命を絶つまでの記録。甥のジャン・ポールのための遺書。未来に良き世界をつなげることが、安楽した死を保証する。今の世はどうだろうか、、、

    本シリーズの隠れたテーマとして、緩慢な死(3人に共通)、安楽死(父)、自死(アントワーヌ)といった死をめぐるタブーに切り込んだことが特筆できる。

  • アントワーヌの遺書というか独白というか、日記風の記述なのですが、ちょっと長いです。言いたいことがたくさんあるのはわかるけれど無理やりな感じがしてしまった。それでも第一次世界大戦の終盤の経過が窺われて歴史的な記述としても意義のある内容だと思う。最終的にやっぱり戦争は悪だ。1914年夏とエピローグが日本語で読めるようになったのは第二次大戦終結後だったというのも残念な我が国事情。
    ちなみにこの全13巻すべての巻末にある解説が非常にわかりやすくサマライズしてくれているので、とても助かった。

  • 古典

  • 新潟などを舞台とした作品です。

  • 20/2/1

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