新「ことば」の課外授業

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 110
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560086100

作品紹介・あらすじ

「青い」という語がなくても空や海の色は表現できる。世界のさまざまな地域を歩き、現地で多くの言語に触れた著者が、「ことば」についてやさしく楽しく語りかける。

感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすい。言語学を勉強するならこの本から読むのが良いと思う。

  • ‪虫ちゃうのに虫偏のつく蛸とか、タブーと言葉の関係、言語による秘密保持、面白かった。‬

  • 言語学者で文化人類学者でもある著者が、「ことば」についての思い込みや誤解を解きほぐしてくれる本。

    旧版(洋泉社新書)との大きな違いは、最後の「補講 言語と音声」が加えられたところだけの模様。第5〜7講はタイトルが変えられている。

  • 言語を通して世の中を捉えるのにすごく興味を惹かれる肩を張らずに読めるけどしっかりした内容で面白かったー!

  • 事実をいかに正確に捉えるか、無意識を意識に変えるヒントが得られた。語学と長く付き合う場合は一度読んでおくべき内容といえる。授業の書き起こしだから仕方ないものの、少々読み辛かった。

  • 現在、地球上で約7千種の言語が話されています。その中のある言語では、物のあり方や方向を表すことばが「長い」と「短い」の2単語しかないため、「空まで長いな~」と言っています。しかし、表すことばが多い国々が物事を微妙に表すことに長けているというわけではないと著者は言っています。言語の種類とその国の文化の豊かさとは、同じではないのです。“ことば”について広く捉えて書かれているので、知らなかった“ことば”についても、普段使っている“ことば”についても再発見できる一冊です。

  • 普通に面白かったです。

    うん。

  • 百ページまで読んで放置して久しい。

  • 気軽に読める、楽しい本だった。
    ことばについての講義、というか漫談。

    以下、レビューというよりメモ。

    ・伝え合いの七要素(p116)
      ①ことば
      ②人物特徴(当人たちの身体や性格面での)、
      ③体の動き(顔の表情の変化や視線の動きを含む)、
      ④場(伝え合いをしている人物がいる周辺環境としての)、
      ⑤生理的反応(直接的な接触によるものや顔色の変化などに見られる)、
      ⑥空間と時間(お互いの距離、当人たちが占めているスペース、そのときの自国、伝え合いの内容を表現するための時間などの)
      ⑦人物の社会的背景(当人たちの社会生活上での地位や立場といった)

    ・ことばを支える四つの背景(pp.131-135)
    ①パラ・ランゲージ
      ②脈絡
      ③評価
      ④言語

    ・人類の言語の7つの特徴(pp.139-152)

      ①二重分節性(音声の切れ目と意味の切れ目、連続体)
      ②生産性(新しい意味単位を創り出す)
      ③任意性(「イス」は「スイ」でも「ピピ」でもよい)
      ④異空間・異時間伝達性(過去や未来も音声だけで伝え合える)
      ⑤老若男女共通性(老若男女、みな声を使って伝え合う)
      ⑥分離性(額面通りには表現しない)
      ⑦後天性・文化性(言語は後天的に身につける)

    ・「学問は尻拭いである」(p.77)
    つまり、「みんなが認めるような「現状まで」の部分の(評者註:表現の)置き換えをするのが学問であると。」

  • この手の本は、本屋だと言語学の棚に並ぶことが多いのかもしれません。でも、この本は、言葉を学ぶ上で、こういうことに興味を持ってもらいたい、こういうところに注目してもらいたいという視点から書かれていますので、むしろ語学書コーナーに置いてもらう方が、読者のニーズ、想定される読者層ともぴったり合うのではないかと思います。内容は肩の凝らない、まさしく課外授業、と言うよりは放課後の雑談といったものですが、取り上げている内容は奥深いです。本気で考えながら読むと肩が凝るかもしれませんが、非常に面白いです。どの言語を学ぶにしても、こういう考え方を持っていた方がよいのでしょう。

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著者プロフィール

1937年東京生まれ。言語学・文化人類学専攻。現在、早稲田大学文学部教授。卓抜した語学の才能に恵まれ、言語調査のフィールドは世界各地に及んでいる。フィールドでは、たんに調査するのではなく、人びとの暮らしぶりに等身大のまなざしで接する経験は多くの優れたエッセイに結実している。『花のある遠景』や『異郷の景色』『東京のラクダ』などはその代表作であり、ほかに『人かサルかと問われても』という半生記がある。

「1999年 『風に運ばれた道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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