よそ者たちの愛 (エクス・リブリス)

  • 白水社
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本棚登録 : 106
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560090619

作品紹介・あらすじ

この世界になじめずに都市の片隅で不器用に生きる人びと。どこにでも、誰のなかにも存在するたちの様々な思いを描く短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • また短編。意外にどころか、かなり良かった。最初からヘンテコで、掴みとして奇抜を狙ってるのかと思ったが、全部この雰囲気で非常に好き。タイトルと表紙が売る気あるんか?と思う。日本の人で言うと松田青子さんみたいな感じかね?頑張ってるのに、私ってなんで世の中と温度差あるわけ?というか頑張ってるのあたしだけ?しんどいー、温泉行って癒されたいー。あ、ちょっと誇張しすぎたか?最後の日本人が主人公の作品で、カブの漬物が出てくるのは、ちょっとすごくない?日本人でもなかなか食べないし忘れてるけど、日本の心的なアイテム。

  • どこにでもいる不器用な人たちの、ちょっと不思議な10の物語 | 本がすき。 - 本がすき。
    https://honsuki.jp/review/43788.html

    よそ者たちの愛 - 白水社
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b498413.html

  • ★3.5
    全10編が収録された短編集。タイトルの“よそ者”が指すのは、他国からの移民ではなく、世間の“普通”から外れた人たち。が、そんな彼たち・彼女たちなりに、日々を懸命に生きている。傍から見ると、時に妄執的だったりもするけれど、少なからず似た部分が自分にもあることに気付く。中でも、「エイリアンたちの愛」「求めつづけて」がお気に入り。前者のティムとサンディの生活は褒められたものではないものの、二人だけの世界が何だか微笑ましかった。著者の独特な語り口に初めは読み辛さを覚えたものの、慣れてくると全く問題なし。

  • 短編集10編
    舞台はハンガリーのある街や田舎あるいはロンドンだったりするが,よそ者は文字通りの他の土地から来た者でなく,その社会に違和感を感じている者たちのこと.その少しか大分かはともかく疎外感や物足りなさ息苦しさといったものに注がれる作者の暖かい目にほっとする.ただひたすら走るマラソンマンの『魚は泳ぐ,鳥は飛ぶ」ひたすら歩く「求めつづけて」が好きだ.

  • 社会からこぼれ落ちてしまった孤独で不器用な人々についての短編集。
    今風に言うならば、全員がコミュ障でインキャで社不。
    都会の話だからか、作者の移民的背景によるものか、理由はわからないけれども、不完全で愚かな存在を受け止めてくれるような帰る場所を、登場人物の誰も持たず、孤独感が強い。
    反面、どの人も、Xのアカウントを作って赤裸々な思いな日常をポストすれば、かなりの人気者になれそうな面白みがあった。

  • 新たに出会う作家は1冊目が重要なので、これを選んでよかった。原文で読んでいないのにこんなこと云っていいものか、おそらく翻訳がすごくいい。

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著者プロフィール

1971年、オーストリア国境に近いハンガリーの町ショプロン生まれ。ドイツ語を話すマイノリティの家庭で、ハンガリー語・ドイツ語の二か国語を母語として育つ。ベルリンの壁解放後の1990年にドイツに移住、フンボルト大学で演劇学とハンガリー文学を修めたのち脚本家の修練を積む。デビュー作の短篇集『奇妙なマテリアル』(1999年)中の一篇でバッハマン賞、初の長篇『日々』(2004年)でライプツィヒ・ブックフェア文学賞、長篇三部作の長大な第二作『怪物』(2013年)でドイツ書籍賞など、多数の文学賞を受賞。さらに2018年、作家としての活動に対しドイツ語文学の最高賞であるビューヒナー賞が与えられた。本作『よそ者たちの愛』もブレーメン文学賞を受賞している。ハンガリー文学のドイツ語翻訳者としても高名。

「2020年 『よそ者たちの愛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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