新・資本主義論:「見捨てない社会」を取り戻すために

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560097878

作品紹介・あらすじ

資本主義が本来持っていた倫理・道徳的側面に着目し、格差によって底なしの不安に陥っている現代社会を立て直すための方策を提言。

感想・レビュー・書評

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  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/560730

  • 岸田新政権のスローガンも「新しい資本主義」であり、興味深く読んだ。非常に参考になる考え方であるが、都市生活者のレントに課税して再分配に回すというのは政策立案の過程で相当緻密な制度設計が必要になるように思う。この点についてはどうなのだろうか?

  •  資本主義のあり方をもう一度考えようとすることに親近感を覚えながら読み進めていくうちに、書かれていることはものすごく当たり前でその通りなのだという感想を持つばかりなのだが、その当たり前のことを考えるためにこれだけの時間を費やさなければならないということもまた現実だと思い返す。
     何が問題なのかと問うと、これはやはり手段が目的になってしまって、それが「普通」なのだと無意識に刷り込まれてしまっていることにあるのではないだろうかと思う。
     本書が焦点を当てるところは1945年から1970年の25年間。これはどんな時代だったのかを振り返ってみる。ここに重要な要素があるのだと、そして読み手はここに意識をはたらかせる。
     資本主義を否定するものではない。少し軌道を外れてしまったところを正そうとする試みである。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50224013

  • ふむ

  • 東2法経図・6F開架:332.06A/C84s//K

  • 原題:THE FUTURE OF CAPITALISM: Facing the New Anxieties
    著者:Paul Collier
    訳者:伊藤 真
    出版年月日 2020/09/29
    ISBN 9784560097878
    判型・ページ数 4-6・350ページ
    定価 本体3,200円+税

    資本主義が本来持っていた倫理・道徳的側面に着目し、格差によって底なしの不安に陥っている現代社会を立て直すための方策を提言。

    資本主義が本来持っていた倫理・道徳的側面に着目し、格差によって底なしの不安に陥っている現代社会を立て直すための方策を提言。

    各国の社会は今、ナショナリズムやマルクス主義といった古びたイデオロギーやポピュリズムに流される低所得・低学歴層と、グローバル化する世界で利益を追求して豊かな暮らしを謳歌する高学歴エリート層とに分裂し、対立している―。そんな溝を埋め、資本主義をふたたび多くの人びとに豊かさと希望をもたらすものへと軌道修正していくにはどうすればよいのか。著者は、資本主義が本来もっていた責任感と義務感に基づく「助け合いの精神」の復興を説く。そして、そのためにはデジタル化の進展で希薄になり、価値観の相異から内部に対立さえ抱えるようになった国家や地域社会といったコミュニティの住人としての、アイデンティティーの回復が重要だと指摘する。
    開発経済学の分野を牽引してきた第一人者ならではの深い洞察をベースに、かつて鉄鋼業で栄えながら深刻な状況に陥って回復の途上にある英国シェフィールドの労働者の家庭に育った個人的な体験も交じえながら、資本主義の倫理的・道徳的側面に着想を得た方策の数々を平易な言葉で述べる。グローバル社会を生きるあらゆる世代に向けて、未来への指針を具体的に提示した野心作。

    [著者略歴]
    ポール・コリアー Paul Collier
    オックスフォード大学ブラヴァトニック公共政策大学院教授。『最底辺の10億人』『民主主義がアフリカ経済を殺す』(以上、日経BP)、『収奪の星』『エクソダス』(以上、みすず書房)の著書で知られる政治経済学者。アフリカをフィールドワークの中心としながら、世界の最貧国の最底辺で暮らす人びとに寄り添い、先進諸国の政治・経済政策やグローバリズムの弊害に厳しい批判の目を向けてきた。また、途上国援助や民主主義といった理念的には望ましい政策も、運用を間違えればかえって救うべき人びとに不幸をもたらす現実を鋭く指摘。本書でも、相互扶助の精神といった倫理的・道徳的側面に着目し、本来多くの人に自由と生きがいと富と幸福をもたらすべき資本主義の今日における迷走とその問題点、そして未来への可能性を浮き彫りにする。

    [訳者略歴]
    伊藤 真(いとう・まこと)
    ノンフィクションを中心に翻訳に従事。訳書にジョビー・ウォリック『ブラック・フラッグス(上下)』、ビル・ブライソン『アメリカを変えた夏1927年』(以上、白水社)、ニコラス・スカウ『驚くべきCIAの世論操作』(集英社インターナショナル新書)、ジョン・リード『世界を揺るがした10日間』(光文社古典新訳文庫)、P・グロース『ブラディ・ダーウィン もうひとつのパール・ハーバー』(大隅書店)、R・ゲスト『アフリカ 苦悩する大陸』、ワン・ジョン『中国の歴史認識はどう作られたのか』(以上、東洋経済新報社)ほか。
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b525625.html

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著者プロフィール

オックスフォードのセントアントニーズカレッジの経済学教授。世界銀行を経て、開発経済学の世界的な大家。著書The Bottom Billion(邦訳『最底辺の10億人』)は、ライオネル・ゲルバー賞、外交問題評議会のアーサー・ロス賞、コリン・プライズなどを受賞。移民問題を扱ったExodus: How Migration is Changing Our World(Oxford University Press、2013)(邦訳:『エクソダス――移民は世界をどう変えつつあるか』松本裕訳、みすず書房)も話題を呼んでいる。

「2023年 『難民 行き詰まる国際難民制度を超えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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