オリヴァー・ゴールドスミス「いかなる場所、いかなる時においても、ただおのれ自身にだけに、われわれはつねに引き戻される。そこでもしおまえが幸せをたのしみたいなら、ただおのれ自身にだけ、幸せを用意すべきである」『旅行者』p41
ルキアノス「まことの富はただ魂のうちなる富だけだ。ほかのものはすべて、利益よりも困難をもたらす」p54
「富とは海水みたいなもので、飲めば飲むほどますます喉が渇いてくる。名声についても同じことがあてはまる」p64
ゲーテ「聞く者が歪んだ耳の持主なら、もっとも幸福な言葉も嘲笑される」p146
判断力がなく、ときには頭が狂っている大衆によって偉人とされることではなく、その人自身が偉大であるということが、その人を羨むべき存在とする。さらに後世の人びとがその人について知るということではなく、その人のなかに何世紀にもわたって保存され、かつ熟考されるに値する思想が生まれたということが真の幸福なのである。p156
(18世紀ドイツの詩人クラウディウスの作品の主人公)「だれでも旅行をすれば、何か物語ることができる」p163
若者はその主たる学問として、孤独に耐えることを学ぶべきである。それはこれこそが幸福と心の平穏のみなもとだからである。p197
アンゲルス・ジレージウス「孤独は必要である。けっして俗悪になってはならない。孤独であれば、おまえはいつも砂漠のなかで暮らしていける」p208
社交や人の集まりは火に比較できる。利口な人なら、適当な距離をおいて身をあたためはするけれども、火中にとびこんだりはしない。ところが愚か者は、火中にはいり身を焼いたあとは、こんどは寒々とした孤独のなかに逃れ、やけどをしたと嘆くのである。(Cf. モラティーンの喜劇『コーヒー店あるいは新喜劇』)p214
【活動は「朝」行うべきである】p222
スペインの諺「夜は色どられ朝は白くなる」
なんといっても朝は一般に例外なく、精神的ならびに肉体的な仕事すべてに適した時である。朝のうちはわれわれは、おのれを力強く感じ、われわれの能力すべてが完全に出そろった状態におかれる。寝坊して朝の時間をちぢめるべきではないし、あるいはむだな仕事やつまらなぬ会話で朝をいたずらに過ごすべきではない。われわれは朝を生の本質と見、これを神聖に扱わなくてはならない。
これに反し夕方は、一日のうちの老年期である。
「毎日はそれぞれ小さな生命である」