孤独と人生 (白水Uブックス 1113)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560721131

感想・レビュー・書評

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  • オリヴァー・ゴールドスミス「いかなる場所、いかなる時においても、ただおのれ自身にだけに、われわれはつねに引き戻される。そこでもしおまえが幸せをたのしみたいなら、ただおのれ自身にだけ、幸せを用意すべきである」『旅行者』p41

    ルキアノス「まことの富はただ魂のうちなる富だけだ。ほかのものはすべて、利益よりも困難をもたらす」p54

    「富とは海水みたいなもので、飲めば飲むほどますます喉が渇いてくる。名声についても同じことがあてはまる」p64

    ゲーテ「聞く者が歪んだ耳の持主なら、もっとも幸福な言葉も嘲笑される」p146

    判断力がなく、ときには頭が狂っている大衆によって偉人とされることではなく、その人自身が偉大であるということが、その人を羨むべき存在とする。さらに後世の人びとがその人について知るということではなく、その人のなかに何世紀にもわたって保存され、かつ熟考されるに値する思想が生まれたということが真の幸福なのである。p156

    (18世紀ドイツの詩人クラウディウスの作品の主人公)「だれでも旅行をすれば、何か物語ることができる」p163

    若者はその主たる学問として、孤独に耐えることを学ぶべきである。それはこれこそが幸福と心の平穏のみなもとだからである。p197

    アンゲルス・ジレージウス「孤独は必要である。けっして俗悪になってはならない。孤独であれば、おまえはいつも砂漠のなかで暮らしていける」p208

    社交や人の集まりは火に比較できる。利口な人なら、適当な距離をおいて身をあたためはするけれども、火中にとびこんだりはしない。ところが愚か者は、火中にはいり身を焼いたあとは、こんどは寒々とした孤独のなかに逃れ、やけどをしたと嘆くのである。(Cf. モラティーンの喜劇『コーヒー店あるいは新喜劇』)p214

    【活動は「朝」行うべきである】p222
    スペインの諺「夜は色どられ朝は白くなる」
    なんといっても朝は一般に例外なく、精神的ならびに肉体的な仕事すべてに適した時である。朝のうちはわれわれは、おのれを力強く感じ、われわれの能力すべてが完全に出そろった状態におかれる。寝坊して朝の時間をちぢめるべきではないし、あるいはむだな仕事やつまらなぬ会話で朝をいたずらに過ごすべきではない。われわれは朝を生の本質と見、これを神聖に扱わなくてはならない。
    これに反し夕方は、一日のうちの老年期である。
    「毎日はそれぞれ小さな生命である」

  • 本屋さんで立ち読み....のはずが案外良かったのでほとんど読んでしまった。

    社交などは馬鹿のする事である、天才は精神的生活にいきる、そして孤独を選ぶ(選ばざるを得ないほど社交に苦痛が伴う)、と。他の人にとっての目的はその人にとっては単なる手段である。そして目的は知識と精神の向上か。人生の二つの不幸は災害と退屈。

    明らかに自己(ショーペンハウアー)肯定的に価値判断軸が働いているな、と思いつつも孤独を恐れずにむしろ愛している人は好きだなと思った。

  • 勇気をもらえた。

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著者プロフィール

19世紀ドイツの哲学者。1788年、ダンツィヒ生まれ。富裕な貿易商である父と女流作家である母のもとに生まれる。父に連れられて幼少期からヨーロッパ諸国を旅行し、その経験が世界観・哲学観に影響を与える。父の死後、1809年よりゲッティンゲン大学で自然科学・哲学を学ぶ。1819年に主著『意志と表象としての世界』を刊行し、ベルリン大学の私講師となった。ショーペンハウアーの名が世に認められるようになったのは1851年に刊行された晩年の著『余録と補遺』であり、日本では『読書について』『自殺について』『知性について』などの抄訳で広く読まれている。戦前日本の若者たちには「デカンショ」として、デカルト、カントと並んでショーペンハウアーはよく読まれていた。

「2022年 『今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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