アーサー王物語伝説魔術師マーリンの夢

  • 原書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562033218

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・マーリン
    ・さまよえる騎士
    ・石
    ・剣
    ・隠者
    ・一角獣
    ・乙女
    ・王さま
    ・スキオポド
    ・魔女
    ・…夢

    中学生のころから、いつかきっと読もうと思い定めているのに読めていない『アーサー王物語』。
    なのに本編ではないこの作品に手を出してしまったのは、アラン・リーの挿絵のせい。

    読んでいなくてもアーサー王物語の概要は知っている。
    だからマーリンが、アーサー王が受胎される機会をおぜん立てし、王位につく手はずを整え、魔剣エクスカリバーを与え、最後には美しい女性に恋をした結果、大岩の下に葬られたということも。

    そもそもアーサー王物語って、勧善懲悪「ああ、すっきり」って話ではない。
    円卓の騎士を従え、美しい王妃を持つ王アーサーの孤独。
    ランスロットとグィネビアの、トリスタンとイゾルデの、悲恋。
    ヒーロー物語のはずなのに、なんだかみんな不幸。

    で、マーリンは大魔術師なのに、最後小娘に骨抜きにされて殺されてしまうということになっているのだけど。
    未来を予見できるはずのマーリンがなぜ?
    という疑問は残る。

    この本ではマーリンは死んでいない。
    ただ、長い長いまどろみの中で時折夢を見たり目ざめたり。

    多分マーリンは、そのなすべきことをすべてしてしまったのだろう。
    しかし未来を知るマーリンは自ら死ぬことも、殺されることも出来ない。
    だから生と死のあわいで、長い長いまどろみを生きるしかなかったのかも、と思いました。

    好きなのは「乙女」。
    ヒロインと騎士が力を合わせて敵を倒すのだけど、その後二人はそれぞれの道を行くの。
    どちらも自分の生き方を変えることができないのを知っていたから。
    切ないけれど、潔くてよい。

  • アーサー王伝説はさほど関係なく、短めのケルト幻想譚を
    地中に眠る魔術師マーリンが見る夢という文脈で並べた本
    だ。1本1本のお話がピリッとひねりがきいていて面白い。
    結局マーリンはまどろんだままだというのもいいかと。

  • 2009/12/2 TVドラマ 「魔術師 MERLIN(マーリン)」に影響され、借りる。
    途中で中止。

    出だしから、希望のない暗い話・・・。
    数ページ読んで、先に進もうか? 迷うところ。
    挿絵は、トールキンの指輪物語の挿絵で有名なアラン・リー。 とても幻想的で魅力たっぷり。
    それだけでも、読む価値あり!

    内容 :
    すべての伝説は、彼が見た夢かもしれない…。
    アーサー王伝説に登場する謎の魔術師マーリンが岩の下に封じ込められ、
     深い眠りの中で見る夢を描いたケルトの幻想物語。

    著者 :
    1927年ジンバブエ生まれ。
    ケンブリッジ大学等に学んだ後、雑誌の編集に携わる。
    著書に「エヴァが目ざめるとき」「英雄の誇り」「ガラス箱の蟻」など。

    挿絵 : アラン・リー (Alan Lee) 
    ファンタジー画家。水彩画による美しい風景が得意。

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著者プロフィール

Peter Dickinson

「2006年 『封印の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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