飢えのリトルネロ

  • 原書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562046720

作品紹介・あらすじ

1930〜40年前半に青春期を生きた主人公少女エテル…時代の記憶によって養われ、著者自身の心身に刻みつけられたイメージと感覚によって紡ぎだされた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 村野美優さんは、ル・クレジオ作品の訳者の中で、一番良い。
    読みやすい。
    私は、フランス語でこの本を読んでから、村野さんの和訳を読み、「ああ、そうだったのか」と、原文を再読し、感心した部分がいくつもある。
    わかる人はわかっています。村野さん、がんばって下さい。

  • ノーベル賞作家の作品って読みにくい印象があるし、ル・クレジオは「海を見たことがなかった少年」しか読んでいないので、どうかなあと思いつつ読んだら、良かった!!
    戦前から戦後のパリに生きる少女エテルの物語。
    大伯父の深い愛情、極貧のロシア人美少女との友情など微妙な心の動きも丹念に描かれている。大伯父の遺産を受け継ぎながら、父が無謀な投資をし、破産に至る様子。裕福だったころの父のサロンに通っていた人々の裏切り。父と母の諍い。どれもリアルなディテールをもって語られる。何より哀切を極めたのは父と長らく愛人関係にあった女性の零落ぶりと、それでもエテルには愛とプライドをもって接する様子。
    ヴォイチェホフスカ「夜が明けるまで」とともに反骨精神旺盛な少女の戦中記としておすすめ。

  • 資料ID:21101284
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著者プロフィール

(Jean-Marie Gustave Le Clézio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)、『アルマ』(2017)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。

「2024年 『ブルターニュの歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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