- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562047512
作品紹介・あらすじ
エルメスの調香師が南仏、パリ、東京…で綴った香水の創作日記。
感想・レビュー・書評
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Jean Claude Ellena<br>ジャン=クロード・エレナ | ルシェルシェパルファム
https://lechercheurdeparfum.com/jeanclaudeellena
調香師日記 - 原書房
http://www.harashobo.co.jp/smp/book/b368739.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エルメスの庭シリーズやイリスの調香師であるジャン・クロード・エレナ氏の日記。氏がフレグランスをデザインする時に目指すものや考えていることが落ち着いた文体でつらつらと書かれています。自分が使う香水がどのようなことを考えて調香されたのかその一端を知るのはとても愉しいものでした。受け手の私は、また異なるメッセージやイメージを想起していて、香水はまるで文学のよう。
余談ですが先日、何点か大変気に入り買い求めたLe Couvent des minimの香水は氏の監修だと知り改めてタイミングと巡り合わせに驚かされました。 -
ジャン・クロード・エレナ氏は、
たくさんのヒット作を作った調香師。
今はパリを離れてカブリと言う小さな街に住んで
香水を作っている。
彼の日常からの香水のヒントとなる手帳に書き留めた
エッセイや、新しい香水についての覚書からできている。
香水を作る作業において、何を考え、どんな風に香りを作るのか興味深い。
古典的香水においては、本来の香りに酷似させるやり方が
主だったが、
今では印象派の絵画のように、
連想させインスピレーションを与え、
余韻に想像を加える設計に変化しているようだ。
まるで点描画のように。
最後のページに、何種類かの香りのイメージを
何と何を加えて作るのか、実際の原材料が記されている。 -
職人ではなく、芸術家としての調香師。
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著者の、嗅覚と思考と感性が全て美しく繋がりきったような文章。まるで噎せ返るような香りにぶつかったときのように、ただただ圧倒される。難しい言葉や彼独自の考えも出てくるので、わかりにくい部分も多いけれど、ぱらぱらとめくって断片を楽しめばいいとおもう。特に、日本を訪れた際の描写は、外国人の目を通して、それもエレナ氏の感性を通して表現されることで、改めて気付かされる文化としての美しさに少し涙がでた。
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「かねてより、調香師は作曲家にたとえられてきた。私はつねづね自分は香りの文筆家だと思っている。」
エルメスのお抱え調香師ジャン=クロード・エレナ氏が綴る、「香りを作る」という仕事に就いた人間の日常。
世界には色んな仕事をする人がいて、その人たちの仕事の果実によって、私は今日も自分では作れない至福を手にする。ということを、憧れに近い気持ちでもって再確認する類の本。
読み終わって思ったのは、この本は「調香師」というより「エレナ氏」についての本。エレナ氏という、人生50年以上を香水作りに捧げてきた一級仕事人の、仕事観の本です。
メゾンの専属調香師として、ひたすら自分の好きなように香水を作るわけにも行かず、けれども同時に芸術家として、そして職人としての自分とも対峙し続ける男。
元々「職人」「芸術家」の目線に弱い私には、もう惚れ惚れとする顔(実際の顔知らんけど経験と自信と迷いが刻まれた素敵な「顔」だと妄想します)でございました。
「調香の仕事を続けながら、私は自由を求めてきた。私はとらわれの身である。匂いをかぐことも、匂いのことを考えるのもやめるわけにはいかない。調香の感覚が失われるのが怖い。どんなアーティスティックな仕事にも言えることだが、私は体を張って香料と格闘し、香料に通じていなければならない。その努力と引き換えに、私は調香師でいられる。ときどきそのことで頭がいっぱいになる。」
50年、「至福」を作り出すことに五感を費やしてきた人。遠い背中だなぁ。 -
大切にしなくてはならない感覚を気づかせてくれる本。
ある種、バイブルとしていつでも身近においておきたい類の本! -
現役の調香師の日記はなかなか貴重。
アーティストが現代のマーケティング手法と拮抗するところがある点、ラグジュアリーブランドのマーケティングについても参考になる。
日本を訪れた外国人からみた印象はやはりおもしろくて興味深い。 -
irisがイリス・ウキヨエだったのはビックリ 私からは違和感が感じられるかな でも大好きな香り このエッセイも大好き巻末の処方箋も 想像する楽しさがあって楽しい 物凄く面白いて云うのとはまた違うけど きっと何度も読み返して 身近に置いておきたくなる本でした。