密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
3.33
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本棚登録 : 337
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562048687

感想・レビュー・書評

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  • 『アルファベットパズラーズ』で心を掴まれたのですが、今回は期待値上げすぎました。
    時代をこえて老いることなく現れる謎の“密室蒐集家”という独自設定は面白いものの、事件内容に薄さを感じました。
    さらっと読むにはいいかもしれませんが、ややこしい真相で理解しにくい部分もありました。
    あと警察も許可しているというのも、変な部分……
    何だか残念です。

  • 密室殺人の短編集5編。色々な密室殺人をどこからともなく現れる密室蒐集家が謎を解き明かします。事件の関係者から話を聞くだけで、安楽椅子探偵の密室蒐集家がものすごい速さで謎を解きます。密室のトリックも物理的なものから、叙述トリック、心理トリック、アリバイトリック等多岐にわたり、密室トリックの教科書のようです。短編5編は深い関係はないがつながっている部分もあり、その関係を考えるのも楽しい。物語は戦前の1937年から現代の2001年まで時系列で並んでおり、密室蒐集家は時空を飛び越えます。なかなか感情移入が出来なかったが最後の密室の物語が良かった、最後もきれいな終わり方だと思います。
    ★★✩✩✩ 2.0

  • 忙しい時の細切れ時間で読んだのですが、短編でとても読み易く、楽しむことができました。一つ一つはあっさりはしているのですがどれもしっかり本格の密室でよくできているのではないかと思います。密室がどうやって作られたか、どうして密室にしなければならなかったか、本当に密室に特化して展開されているので状況が理解しやすく、一緒になって考えるのがとても楽しかったです。密室蒐集家が不思議な人で警察でも伝説的な人物という設定が、逆に彼の印象を薄くしてしまったようでそれが少し残念でした。

  •  密室殺人が起こると、どこからともなく現れ、事件の話を聞くだけで密室の謎を解き、犯人を言い当てる「密室蒐集家」は、事件が解決すると、いつの間にか姿を消している謎の人物。
     都市伝説みたいな感じですが、この本の中では実在の人物です。

     話自体は、戦前から2000年代まで時系列になった連作短編で、密室蒐集家以外の登場人物は、話ごとに異なります。
     初出を見ると、第5話と第2話以外は書下ろしなので、1冊に纏める際に、時系列の連作短編としたのでしょうか。

     論理的に解決できる密室から叙述トリックまで幅広くあって楽しめます。

     お話の雰囲気とか文章の書き方が好き。
     読みやすいです。

  • 密室で起こった事件の解決に警察が困っていると突然に表れて,明快な推理を披露する謎の男 密室蒐集家.5つの短篇だが,どれも素晴らしい.特に面白かったのは「少年と少女の密室」で鬼頭真澄と篠山薫が登場するが,意外な結末には驚いた.密室だと錯覚する人間の心理をついた面白い構成のミステリーだ.

  • 密室殺人になると、あらわれる人物。こんな人がいたら、未解決事件は解消されそうだ。なかなか、面白い!

  • ミステリ短編集。
    密室殺人事件を論理的に解決する、ということにこだわった作品。
    短編ながら、どの話も読み応えがある。
    切ない結末の「少年と少女の密室」と、密室を作った動機が秀逸な「理由ありの密室」が好き。

  • 最初、なんだこれは、事件解決するのが早すぎやしないかと思った。しかし、しばらく読んでるとなーんかハマってしまいそうになる魅力がある。テンポがいいからかな。

  • 難解な密室殺人事件になるとあらわれてたちどころに謎を解いていく「密室蒐集家」のお話。。。

    短編集で、一つ一つが時系列順になってはいるんですが話のつながりはほとんどありません。時代を経て歳をとらない密室蒐集家についても別にその謎が解かれるとかもないですし・・・密室を舞台にしたハウダニットのクイズって感じでした。良くも悪くも。
    ストーリーを重視する人にはウケは悪いんでしょうねえ。きっと。

  • 密室蒐集家なる人物が時代も様々に登場し、さらっと事件を解決していく話を5つ集めた短編集です。
    『柳の園』はたった一つの違和から、あれよあれよと推理が展開され、ここしかないという所に落としてくれる佳作。
    『少年と少女の密室』は序盤の時点でなにがしたいかバレバレ。とはいえ、そのアイデアの使い方は秀逸だと思います。
    『死者はなぜ落ちる』はタイトルから何となく死体の使われ方が想像がついてしまうのがアレですが、概ねよく纏まってると思います。
    『理由あり密室』が本書のベスト。安っぽいトリックの裏にある企みを見破れる読者はいないでしょう。新たな密室の扉を開けた傑作。
    『佳也子の屋根に雪は降りつむ』はトリック自体は面白いものの、ご都合主義な感じがしないでもありません。
    全編に渡って、偶然が都合よく使われていますが、そこに目を瞑れば短編集としては良いできでしょう。

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著者プロフィール

1971年、埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。18年刊行『アリバイ崩し承ります』は「2019本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング第1位に、20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ。著書に『仮面幻双曲』『赤い博物館』『ワトソン力』『記憶の中の誘拐 赤い博物館』、訳書にエドマンド・クリスピン『永久の別れのために』、ニコラス・ブレイク『死の殻』がある。

「2022年 『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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