本格ミステリ・ベスト10 (2013)

制作 : 探偵小説研究会 
  • 原書房
3.62
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本棚登録 : 55
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562048793

感想・レビュー・書評

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  • 今年のマイベスト友桐夏『星を撃ち落とす』が12位! もうちょっと上を狙えたようにも思うのですが、ベスト10圏内がかなりのぎちぎち状態なので致仕方なし。『ビブリア古書堂』や『珈琲店タレーラン』を小粒ながらしっかりとしていると評した上で、本格ミステリのカジュアル化を歓迎すべきかどうかという意見には考えさせられるものがあり、その“本格の牙城を守り抜く”精神が少なからずジャンルの衰退を招いている気がしなくもありません。その一方、『イニシエーション・ラブ』のような作品が本格とされている違和感もあるわけで。このあたりがミステリ読みは本格かどうかを作家で判断する、といった話にも係ってくるのかなぁと。確かになんちゃってミステリも結構な数あるにはあるのですが、それ以上に、いわゆる本格作家以外が書いた本格もきちんと評価してみせる態勢を整えることが大切なんじゃないかと感じる今日この頃。

  • "2013本格ミステリ・ベスト10"原書房(2012/12/03発売)

    ・・・原書房発行の年次ガイドブック。
    国内編
    1位 ”キングを探せ”法月綸太郎著 講談社
    2位 ”密室蒐集家”大山誠一郎著 原書房
    3位 ”奇面舘の殺人”綾辻行人著 講談社ノベルス
    4位 ”幽女の如き怨むもの”三津田信三著 原書房
    5位 ”体育館の殺人”青崎有吾著 東京創元社
    6位 ”江神二郎の洞察”有栖川有栖著 東京創元社
    7位 ”葬式組曲”天祢涼著 原書房
    8位 ”アルカトラズ幻想”島田荘司著 文藝春秋
    9位 ”スチームオペラ”芦辺拓著 東京創元社
    10位 ”カマラとアマラの丘”初野晴著 講談社

    海外編
    1位 ”巡礼者パズル”パトリック・クェンティン 論創社
    2位 ”死の扉”レオ・ブルース著 創元推理文庫
    3位 ”火焔の鎖”ジム・ケリー著 創元推理文庫
    4位 ”迷走パズル”パトリック・クェンティン 創元推理文庫
    5位 ”バーニング・ワイヤー”ジェフリー・ディーヴァー著 文藝春秋
    6位 ”俳優パズル”パトリック・クェンティン著 創元推理文庫
    7位 ”マシューズ家の毒”ジョージェット・ヘイヤー著 創元推理文庫
    8位 ”サイモン・アークの事件簿Ⅲ”エドワード・D・ホック著 創元推理文庫
    9位 ”フィディリティ・ダヴの大仕事”ロイ・ヴィカーズ著 国書刊行会
    10位 ”彼の個人的な運命”フレッド・ヴァルガス著 創元推理文庫

    他に皆川博子・會川昇・大山誠一郎インタビュー、竹本健治・法月綸太郎の対談、ミステリ作家44人の2013年、
    各ジャンル総括(映像化作品・ラノベ・コミック・ゲーム含む)、装丁大賞等。

    ・・・毎年のことですが、”本格(但し定義は投票者による)”と投票条件を絞っているので他とは違うランキングになっているかと。
    ある種地味な作品にも陽が当たってる気がするので好感が持てます。
    注目は12位”星を撃ち落とす”友桐夏。
    デビュー作が以前このガイドブックの”ラノベ総括”で”コバルト文庫の異色作”として紹介されていました。
    2007年に第四作刊行後、音沙汰がないので”消えたかな?”位に思っていたのでしたが、
    本書で五年ぶりの新作刊行を知りました。
    こうした”チェックしきれない部分”を補ってくれるのもある意味ガイドブックの魅力ですかね。

    また、”ミステリ作家44人の2013年”コーナーでは順調に著作予定を並べている作家もいる中で次作の企画が止まっていると記載している作家も。
    ちょっと寂しかったですね。

  • 今年、初めて購入した。本格ミステリと本格でないミステリの差は一体何なんだろうか。編集者が探偵小説研究会となっているので、探偵小説のことかと思えば、そうでもないようだ。エンターテイメントでないミステリなのだろうか。わからん。来年からは購入しないと思う。

    国内、海外のベスト10ともに全て未読。国内は単行本だけだし、海外は7作が創元推理文庫。創元推理文庫の海外作品を何冊か読んで面白いのもあったのだが、一作もランクインしてない。アンケート紹介には何冊か既読本が入っているのだが。

    他のミステリランキングともだいぶ異なる内容に驚いた。

    きっとプロ仕様なのだろう。俺みたいなシロウトは手を出さない方がよいのだな。なまねこ。なまねこ。

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著者プロフィール

1995年に創元推理評論賞の選考委員と受賞者らを中心に結成。
おもに探偵小説に関する多面的な研究、評論活動を行っている。
編著に『本格ミステリ・ベスト100 1975-1994』(東京創元社)、『本格ミステリ・クロニクル300』『本格ミステリ・ディケイド300』(原書房)などのほか、各メンバーが各紙誌書評・評論活動などで活躍している。
2006年から機関紙『CRITICA』を発行。

「2023年 『本格ミステリ・エターナル300』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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