螺旋の底 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 147
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562049028

感想・レビュー・書評

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  • 叙述トリックが好きなのだが、トリックが有りそうと思って読んだせいか、あまり驚けず…

  • フランスの片田舎のとある邸を舞台に描かれたミステリ。この邸の様子がまたたまらなく魅力的……。
    秘密を持つ夫と、秘密を暴こうとする妻。それぞれの思惑が交錯し、次第に明らかになる物語。一番メインの仕掛け部分はまあわかりやすいと思いますが。もちろん仕掛けはそれだけではありません。後になってみるとそこここに張られた伏線が見事に生きてきます。

  • う~ん やられた 気付かなかった エピローグでパニクった
    もう一度読まねば。

  • フランスのとある田舎町に嫁いできた女の目的は・・・
    騙されたとか、上手いなとは思うんだけれど、今までの作品のようなドロドロ感が足りない。元の路線でお願いしたい。

  • 前2作の榊原探偵シリーズとはガラリと趣を変え、今度の舞台は北フランス。リーダビリティの高さや伏線の巧妙さはこれまで同様の見事さ。ただ毒っ気は少し薄くなってるかな。ありがちとも言えるトリックだけど、そこに一捻りを加えてあるのも流石。

  • 読了、85点、ネタバレあり。

    **
    屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。その底は牢獄のように暗く、厳重に旋錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。
    その家に嫁いできた彼女の目的、それは「螺旋の底」をあばくこと。また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのには「ある理由」があった―。
    「BOOK」データベースより
    **

    深木章子さん3作目、これまでの探偵シリーズとは舞台を一変させての20世紀半ばフランスを描いた作品。
    文体は『鬼畜の家』(http://booklog.jp/item/1/4562046961)と比較するとかなりあっさりした、読み易い形で描かれていますが、
    個人的にはあの毒味のある文章が好みですので少しだけ物足りない印象もあります。

    ミステリとして見ると非常に上手く伏線が張られており、トリックも手堅いので今年も本格ミステリ系のランキングや書評では取り上げられるのではないかと早くも期待しています。
    少し残念だったのは後述しますがエピローグ部分です。
    では以下ネタバレ。





    トリックは時系列錯誤系、ただしおそらくは錯誤によって読者が偽の真相に導かれるようなタイプではないはず。
    その上で終盤何故か殺されたことになったゴラーズ夫人が死んでいないのはどういうことなのか、という部分でそのネタが明かされた瞬間にサプライズを得る仕組みとなっています。
    伏線は初っ端も初っ端、目次の日付と曜日(3月2日 金曜日)が閏年である1968年に対応しないというものが張られており、閏年であることはオリンピックに熱狂する女中の描写などで上手く描かれています。
    またネタに気付いて読むと、たとえば203ページ
    "来週の土曜日、つまり三月九日の夜ということですが、"
    があからさまに目次との矛盾を描いていたりして、著者のしてやったり感が伺えたりもします。

    残念だった部分としては、それまではネタの関係でポールとアヤコの一人称視点による記述が交互に繰り返されてきましたが、
    エピローグ部分で唐突に三人称視点での記述に代わり、さらにネタを明かす部分では説明然とし過ぎているように感じてしまいました。
    これまでの滑らかな流れが崩れてしまったような印象を強く持ちます。
    また殺人のトリックに関しても、どうも地下と地上部分を繋ぐ螺旋階段が完全に閉ざされていると読み取ってきましたが、
    そうするとデュポン夫人が地下の底ギリギリに吊るされている、という描写にそぐわず、結局建物がどういう構造だったのかどうにもよくわからない点も少し喉に残るような感覚を抱いてしまいました。

  • 2013/03/19読了

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著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目の作家。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』『ミネルヴァの報復』『消えた断章』『罠』など多数。

「2023年 『欺瞞の殺意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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