図説 魔女の文化史

  • 原書房
2.92
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562059096

作品紹介・あらすじ

中世末から現代まで、魔女という存在がどのように認識され、表現されてきたのか。魔女にかんするヴィジュアルな文化史。危険で邪悪な存在が、魅力的な存在に。このふたつの魔女像は、どのように結びつくのか。 魔女のイメージの変遷を、豊富な図版とともにたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章 魔女狩り
    第2章 魔術
    第3章 魔女のイメージ
    第4章 政治的な魔女とフェミニストたち

  • p183
    「未来は女性のものであり、未来は魔女のものである」。映像作家ベルトラン・モンディカの映画『野生の少年』(2018年)の中で、エリナ・レーベンゾーンが演じたセブリヌ、は預言者風にこう語っている。今日、父権的・資本主義的・反エコロジー的な世界で、魔女がこれまで以上に自由な精神や反抗形態、そして世界におけるもう一つのあり方を体現している。私としてはそうした魔女が私たちの人生なり生活なりを、魔法によって再び魅了してくれるよう願うものである。

    p192
    本書の特徴は、それが生まれた背景もさることながら、何よりもフェミニズムの面から魔女を再検討したところにある。本文にも登場するミシュレの『魔女』1862年以降、少なくとも20世紀末までは魔女を扱った研究は多くが男の視点からのものだった。だがフェミニズム運動の高揚に伴ってそれまで社会的に負性の烙印を押されてきた魔女に新たな光が向けられるようになった。社会的秩序の逸脱者ないし違反者として歴史を押し付けられ、魔女借りや魔女裁判の犠牲者として常に弾圧・抑圧されてきた魔女が反父権制や反資本主義、同姓愛者クィア擁護などの運動、つまり、his-storyを聖脱化した、新しいher-storyの表象とされるようになったのである。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000054098

  • アロマテラピーを勉強している時、アロマテラピーの長い歴史の中で「魔女狩り」は一番悲しい歴史だと聞いた。精油を使う者は、それを用いた治療だけでなく、カリスマ性のある女性が多くいたため、恐れられ「魔女」とされてしまっていたのだと。

    歴史の中にある「魔女」。過去の文献や書物に残る挿絵などもたくさん掲載されていて、読みやすかった。時代の流れの中で「魔女」と呼ばれていた女性たちの姿がわかる一冊。

  • 過去だけでなく、現代の「魔女」を扱っている点において、大変興味深い一冊。そうだよなぁ、日本の占いや呪いだっていくらでも残っているんだから、魔女的なものが残ってないわけがないんだよなぁ。

    日本人にとっての普遍的な、あるいは個としての魔女観に加えて、政治的なそれを大きく扱っているのも驚いた。海外では一般的なんだろうか。

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