グレー・ラビットのクリスマス (児童図書館・絵本の部屋―グレー・ラビットシリーズ5)

  • 評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566000643

感想・レビュー・書評

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  • 長かった。クリスマスイブから当日までの出来事を細かく描く。アトリーは子どもの頃を思い出しわくわくしながら書いたのだろう。クリスマスは赦しあい優しさを分け合う日だとモールディの行動で思った。挿絵がもっとあれば嬉しかったな。

    • seanさん
      初めまして
      この本に関しての投稿ではなくすみません。
      以前から私の登録本全部にイイネしてもらってるようなのですが、出来れば感想を読んだ結果と...
      初めまして
      この本に関しての投稿ではなくすみません。
      以前から私の登録本全部にイイネしてもらってるようなのですが、出来れば感想を読んだ結果として押してもらいたいです。よろしくお願いします
      2024/01/20
    • 111108さん
      seanさん
      はじめまして。フレーズでレビュー投稿されてるかと勘違いしていました、ごめんなさい!これからは感想読んだ上で「いいね」しますね。...
      seanさん
      はじめまして。フレーズでレビュー投稿されてるかと勘違いしていました、ごめんなさい!これからは感想読んだ上で「いいね」しますね。映画や漫画など含め私の知らない世界をたくさん堪能されてるseanさんのレビュー楽しみにしています!
      2024/01/20
    • seanさん
      ありがとうございます^_^
      ありがとうございます^_^
      2024/01/20
  •  クリスマス絵本特集、その8。

     先に書いておきますが、お話がものすごく長いのと(約60ページ)、絵の無い文章だけの見開きのページもあるので、読み聞かせにはご注意を。

     画像が無いのがなんとも残念だが、妥協したくないので(偕成社版は画像付きだが、訳者が異なる)、実際に私が読んだ、評論社版で登録しました。 

     『グレー・ラビットシリーズ』は、灰色うさぎの「グレー・ラビット」、大うさぎの「ヘアー」、りすの「スキレル」の三人を中心とした、電気もガスも水道も無いけれど、自然の恵みに囲まれた田舎生活での素朴な歓びと、動物同士の絆に癒される、そんな温かい雰囲気は、作家アリスン・アトリーが、子ども時代を過ごした、素敵な思い出を元に創作されております。

     さて、今回はクリスマスということで、どんなお話になるのか、楽しみです。


     もう何時間もずっと雪が降り続ける中、家の前で両手を広げて口を思い切り開けて、雪を食べているのは・・・やはりヘアーだったか。あんたは、たまにそういう子どもっぽいところ、あるよね。ほら、早速スキレルが呆れたように見ているから、と思ったら、クリスマスの買い物に行った、グレー・ラビットの帰りを待っているらしい。

     そして、二人がくだらない会話をしている間に、子うさぎ達に引っ張られながら、ピッカピカの赤いそりに乗って、悠々と帰ってきた彼女を見て二人も驚き、しかも、そのそりには三人の名前が書かれていて、どうやら私たちの物ということに二人が大喜びしている間、彼女は何かをしているが、それは気にせずにしておこう。

     翌日、晴れ渡った空の下、三人は早速そりで遊び、その楽しそうな様子に、はりねずみの「ヘッジ」の息子「ファジペグ」も仲間に入りたそうで、「ぼくトボガンすべり(ペンギンの腹這いの滑り方のこと)したいな」と言ってみるが、聞こえなかったようで、仕方ないから体を丸めて一人で滑り出したら、当然のごとく雪に取り巻かれて、平らな地面で止まった三人のそりの横に、突然、謎の雪だるまが現れるという素敵な展開に、グレー・ラビットは、「まあ、きれい!」とうっとり。

     しかし、本人はそうでもなく、「たすけて! たすけて! だしてよ!」という小さな籠もったような声に驚くスキレルだったが、ヘアーは、しゃべる雪だるまなんて珍しいから、家へ持って帰って庭に置いとこうと言って、雪だるまをそりに引っ張り上げて丘の上へ引き始めたって、おいおい。

     そして、てっぺんに辿り着いたヘアーは、雪だるまをそりから転がり落とし、ひと蹴りしたものだから、さあ大変。「ウッ!」と片脚跳ねながら悲鳴を上げたとき、またしても声が聞こえて、ようやくファジペグだと気付いたグレー・ラビットは、雪をかきだして助けてあげると、ヘアーはがっかり。そんな彼を見たからか、「ぼくものっていい?」と聞くファジペグに、「ヘアーがきっとのせてくれるわよ」と、彼女が言ってあげたことで、ヘアーは、そりの後ろに座ったファジペグから腰をつかまれて、またまた悲鳴を上げるという。バチが当たったんだよ(笑)

     そんなこんなで家に帰ってきた三人は、今夜がクリスマス・イブということで、グレー・ラビットがミートパイを作る間、他の二人は、ヒイラギやヤドリギの飾り付けをしていた時、クリスマス・キャロルを歌う聖歌隊の訪問があったりと、イブならではのささやかな特別感に酔いしれたのか、ヘアーは、何故か一人でそりを滑りに行ってしまった。
    「サンタクロースやトナカイなんかにあえるかもしれないしね」。はいはい。

     その月の光に白く照らされて、全てがいつもと違って見えた雪景色は、彼を夢中にさせるものがあり、何度も何度も滑りながら美しい月を見つめたって、あんた、結構ロマンチストなんだね、と思ったのも束の間、なんと彼は、自分の脇を一緒に走る黒い影を、見たことのない怪物だと思い込み、そりをほっぽり出して、一人で逃げ帰ってきたから、スキレルは大激怒。「よわむし!」と、彼女が言うのもよく分かる。せっかくグレー・ラビットが買ってきた三人のそりを・・・これには、さすがにヘアーも塞ぎ込んで、サンタもこの大雪じゃ来ないだろうと二階へ上がってしまう。でも、靴下を吊すのは忘れなかったけどね(スキレルも)。

     そして、翌朝のクリスマス、彼ら二人に何が起こったのかは伏せておいて、ここで印象的だったのが、キッス・バンチ(キッシング・バンチ)という、天井から下げる丸い飾り物で、ここではヒイラギだが、主にヤドリギで作るそうで、それもそのはず。ヤドリギの花言葉は『私にキスして』で、しかも12月24日の誕生花であり、そのキッス・バンチの下でキスをすると幸せになれる風習があり、早速そこで三人が寄り添い合う、マーガレット・テンペストの絵には、思わず顔がほころぶ柔らかい温かみを感じられて、何だかんだ言っても三人は仲良しだよね。

     その後、彼らの家を訪れたのは、郵便屋のこまどりで、そのクリスマスカードと手紙は、もぐらの「モールディ」からで、内容がクリスマスパーティのお誘いだったことに、ヘアーは一番に喜び(こういうときは真っ先に手を挙げるんだから)、勿論、皆で呼ばれますと返事を書いてくれと、グレー・ラビットに頼み、早速彼女は、「おまねきありがとう、モールディさま♡」と書いて・・・と、失礼。♡は私が妄想で勝手に書きました(^_^;
    そう今回は、そんなおちゃらけムードじゃないのでした。すみません。

     それから、モールディのところへ行く前に、丘へそりを探しに行ったが見つからず、「サンタクロースがかりていったのよ。雪どけになれば、きっと見つかるわ」と、グレー・ラビットがヘアーを慰めるが、夜になって出掛ける時には、スキレルが、そりがあれば乗ってこれたのにと、ヘアーに向かって言い、気持ちは分かるけど、そろそろ許してあげたら、なんて思ってしまうが、ヘアーはヘアーで、その話はもうやめにしてくれないかなとか、思ってんじゃないの。

     やがて、モールディの家の近くに来たとき、見えたのは、たくさんのろうそくの炎がチロチロと揺れた枝や、そのてっぺんに輝く星も印象的なモミの木であり、それには、昔からヨーロッパに伝わる話として、幸せを運ぶ妖精(コビト)が住んでいるといわれていることから、永遠の命の象徴とも言われている、そんな妖精の木をモールディは、「これはクリスマスツリーだよ」、「森や野にすむ鳥や動物、みんなのためのものさ」と言い、その広がった枝の下の地面には、鉢に入ったハシバミの実、丸い大麦パンに、小麦のケーキ、袋入りのトウモロコシ、山盛りのイチゴ、等々、それらは全てモールディが地下の倉で作ったり、用意したりしたものであり、それらは、自由に食べて飲んで好きなだけ持って帰っていいと、彼は言う。

     そして、そんな彼の思いは、遠くから、この木の光を見たさに集まってきた、動物たちの多くが、貧しさに苦しむものであることからも感じ取れて、彼らにとって冬の厳しさは、決して容易く乗り越えられるものではないが、それでも今日まで無事に生きてきた彼らへ、せめてもの楽しいひと時を提供したい、それこそがクリスマスなのだという、彼のそんな優しさと、クリスマスツリーの持つ永遠の命の輝きもあり、これまで登場した動物たち、ヘッジ一家や、かわねずみの「ウォーター」に、今日は狩りが出来ない「フクロウはかせ」、ねずみの「ラット」も奥さんと子どもを連れて、端っこに控えるといった形で集まってきた、ささやかで温かいパーティは無事終了し、殆どの動物たちが帰った後には、見事に何も残っていなかった点に、改めてクリスマスとは、自分たちで特別な歓びを作り上げることが出来て、誰もが等しく幸せになれる、そんな素敵なものであることを、しみじみと実感させられた。

     しかし、話はこれで終わらず、ここからは、これまでのシリーズを読んできたファンにとって、とても感慨深い展開となり、結局、そりは何故無かったのか? そして、ここで贈られた、素敵なクリスマスプレゼントに込められた、その意味は、かつて、彼女がどれだけ悲しんでいたのかということを、よく分かっていないと贈ることの出来ないものであると共に、それでも当時の彼女は、それを責めることなく、いつも通りの優しい彼女でいたからこそ、ここに来て報われたのだとも思われて、そこには、たとえ悲しいことが起こったとしても、長い人生で俯瞰すると、ちゃんと嬉しい形で自分の元に返ってくるような印象を与えてくれたが、そうさせたのは、きっとどんな事が起こっても、決して自分を曲げることなく、今日まで変わらずに歩いてきた、彼女自身の心の美しさなのだと感じ、改めて、アトリーがこれだけ長くシリーズものとしているのにも肯ける、いつの世にも変わらぬ素晴らしさを教えてくれたのであろうと、彼女の気高さには、いつも深く感じ入るものがあり、そんな素敵な彼女を支える皆も含めて、改めて「メリー・クリスマス!」と、ささやかながら素敵な言葉を、私からも贈りたい。

    • たださん
      111108さん

      ええ、是非。
      レビュー楽しみにしてますね(^^)
      111108さん

      ええ、是非。
      レビュー楽しみにしてますね(^^)
      2023/12/17
    • たださん
      あ、予約ではなくてリクエストですよね。
      失礼しました(^^;
      もしもの場合に備えて、偕成社版もありますが、確か、左開きの縦書きなんですよね。...
      あ、予約ではなくてリクエストですよね。
      失礼しました(^^;
      もしもの場合に備えて、偕成社版もありますが、確か、左開きの縦書きなんですよね。
      ちなみに、そちらの表紙の絵をブクログで見たら、こちらの本編で使われている絵だったので、既に微妙な差異はありそうですが、よろしければ、ご参考までに。
      2023/12/17
    • 111108さん
      ありがとうございます♪
      『はじめてのパーティー』偕成社版でかなり違和感を感じたので、本書はたださんと同じのをリクエストしようと思ってます(*...
      ありがとうございます♪
      『はじめてのパーティー』偕成社版でかなり違和感を感じたので、本書はたださんと同じのをリクエストしようと思ってます(*´-`)
      2023/12/17
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