- Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566012851
感想・レビュー・書評
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オーストリアで繁栄を誇るウサギの伯爵家。
お菓子ばっかり食べて体が小さくなっていく一族を危惧した伯爵は、男の孫たちを外国に送り出し「体の大きなお嫁さん」を見つけるよう命じた。
一番小さな体をしたエスターハージー王子は、ベルリンへと向かう。
ベルリンの壁崩落から10年後に出版された本作。
ウサギも犬も人間も普通に会話をし合う世界では、やはり体の大きさが仇となり、ウサギのエスターハージー王子には多くの災難が降りかかります。しかし彼は困ったなぁ…という程度。その度胸でどうにか危機を乗り越えていきます。
数年前ベルリンを旅行したこともあり、よりイメージを膨らませて読むことが出来ました。今となっては跡地やラインが綺麗に整備されていますが、壁があった当時、そこは野うさぎの楽園だったとか。
壁を作り行き来できないよう対立したかと思えば自らの手で壊す。時折人間たちへの風刺もきいていて児童文学ながら色々と考えさせられる作品でした。柔らかな雰囲気のある絵柄が素敵です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
くずかごに落ちて出て来られなかったくらい小さな末っ子のエスターハージー王子が、大きくてすてきなお嫁さんを探すというところがツボ。かわいい。
エスターハージーは教養があり、伯爵家で立派に大切に育てられたのが分かる。命の危機では?と思うような困難に直面しても極めて冷静でオトナで。人間のやることなんて うさぎから見れば落ち着いて対処できる程度のことなのかもしれないなァと思ったり。
暖かくてかわいくて、見方によっては物悲しげにも感じる、フェルトのようなふかふか質感の挿し絵もすてきでした。 -
13年前に行ったミヒャエル・ゾーヴァ展で買った本を積読していたのをやっと読みました。
絵に惹かれて買いましたが物語も愉快で、とにかく王子を応援したくなります。
単なる児童文学と思いきや、当時の世相なども反映して、作者の方がこの作品に込めた想いも感じ取れました。 -
絵本
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ゾーヴァファンだったのに、そういえば読んでないなーと、ふと見かけて。
エスターハージー王子かわいいし、好きな主人公タイプ。
あっけらかんとしていていい感じ。
ベルリンの壁だなぁ、歴史的大事件だったけど、動物には確かにそんな感じだよね、みたいな話でした。
昔、38度線の自然、みたいな写真展があって、自然が手付かずのままーという素晴らしい景色だったのだけど、なんかそれを思い出した。 -
三葛館一般 913.6||DI
オーストリアのとある由緒正しいうさぎの一族に、とある問題が発生しました。生まれる子供たちの体が段々と小さくなっていくのです。その問題を解決するために、一族の王子たちが旅に出ることになりました。その中でも最も小さなうさぎエスターハージー王子の冒険のお話です。小さなエスターハージー王子の冒険はハラハラドキドキで、愛らしくて、いじらしくて、とても面白い本です。
(保健看護学部4年 M.Y)
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=82184 -
昔はまったミヒャエル・ゾーヴァ。これはエスターハージー王子がとにかく可愛い!ウサギなんですけども。可愛いんだけど…なんかこうちょっと物悲しい気持ちになる色彩。ゾーヴァって基本的に色彩が寒色ですよね。でもそこがとても好き。
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お嫁さん探しにドイツへとやってきたエスタハージー伯爵家の王子。人に捕まったり蔑まれたり騙されたりしながらも、お嫁さん探しは続く。
この王子のなんとも天真爛漫で鷹揚振りが素敵です。これぞ、いいとこのおぼっちゃまてな感じで。そんな王子の様子を描いているように見せて本当に見せたいのはベルリンの壁の存在とその崩壊についてというのが、あの次期にドイツで書かれた作品としての意義なのでしょうね。ミヒャエル・ゾーヴァのイラストも素敵です。 -
やっぱり大好き。ミヒャエル・ゾーヴァの絵も最高。
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ちいさな王様と挿絵が同じ作家さんで 可愛らしい話だけど、ベルリンの壁が人間以外のものにはなんの障害にならない様がなんだかおもしろい