優等生サバイバル: 青春を生き抜く13の法則

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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024793

作品紹介・あらすじ

成績に一喜一憂する寝不足な日々。
さらに、はじめてのホントの恋まで! さあ、どうする?

 首席で進学校に入学してしまったジュノ。入学初日から生徒を成績でランク付けする学校のやりかたに違和感を感じながらも、高校生活が始まる。父は田舎で病気の療養中。母は父についていき、叔父とふたりで暮らしている。
 入学してからはトップをとれず、思い悩む日々。家計を思い、塾にも行っていない自分が、この学校で競い合っていけるのかと不安になる。同じ中学出身の親友、ゴヌに誘われて入った時事討論サークル「コア」だけが、晴れやかな気持ちになれる貴重な場だ。びっくりするくらい博識で、知的な刺激を与えてくれるボナ先輩、まっすぐな性格の同級生ユビン、そしてゴヌ。「コア」の仲間には、おしこめた不安や焦りも口に出すことができた。ジュノは次第に、独特なユーモアでまわりを笑わせるユビンに惹かれていく。
 ところがある日、ユビンから、転校を告げられる。観光経営学科のある学校に転校し、卒業したら大学には行かず、旅行会社に就職するつもりだと。将来は自分の会社をつくりたいと言うユビンが、とても大人びて見えた。「ぼくは、はっきりとした目標があって大学に行こうとしているのだろうか」――。
 テスト、課題、進路、SNS、そして恋……。1日は24 時間。やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことは満載!! ハードな高校生活を生き抜くために、“ 優等生” のジュノが見つけた法則とは?

未来のための今も、今のための今も、どっちも大切なぼくたちの時間。

感想・レビュー・書評

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  • 『優等生サバイバル-青春を生き抜く13の法則』(ファン・ヨンミ/著、キム・イネ /訳、評論社) – K-BOOK振興会
    http://k-book.org/yomeru/230706/

    황영미 - 예스24
    https://www.yes24.com/Product/Search?domain=ALL&query=%ed%99%a9%ec%98%81%eb%af%b8&author=%ed%99%a9%ec%98%81%eb%af%b8

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    優等生サバイバル | 株式会社評論社
    https://www.hyoronsha.co.jp/search/9784566024793/

  • ジュノは進学校の優等生だ。
    その特権を享受しながら、いつ成績が落ちてスクールバスカーストから落ちてしまうかを心配している。
    人気者の女子と何となくつき合うようになったけど…

    ○進学校だからかもしれないけど、韓国の高校生たちの勤勉さにおののく。自分の未来を見据えている。
    ○ゴヌみたいな友人いいな!
    ○伝説のタヌキ

  • 韓国の超進学校高校生の日常。テストのたびにランキングが発表され、順位が下がれば校内の自習室の優先権を失ったり、担任や指導教官から言葉もかけられなくなる。学校生活はひたすらストレスMAXな順位戦。

    韓国の学生は勉強家で、勉強の仕方もハイテクで実用的というイメージがもともとありましたがこんな世界だったのか、とカルチャーショックを受けつつとても楽しく読みました。
    ウルトラ進学校の話だと思うのですべての高校生がこうではないだろうけど。

    とにかく勉強するのが本分とばかりに皆あれこれ言いつつ放課後や休日や夜にまで学校に来たり塾へ行ったりスタディカフェ(勉強するための漫喫みたいなところ?)へ行ったり。
    とにかく勉強するとなったらどこかへ繰り出していて、家庭教師が来る時以外は家では勉強しないという感覚が新鮮でした。

    勉強しまくる上におそらく校外学習としてのボランティア活動もやり、部活もする。
    主人公は親友と共にコア部という難関大学合格者を多く輩出している討論部へ参加。エリート部なので応募者も多く、入部希望者は課題本の感想文と自己アピールを書いて提出する。この課題本がサンデルとかだったりして本当に大学生みたいなハイレベルの勉強をしている。

    自習室の利用やこの部活への入部希望などがすべてオンライン申請でハイテクな感じな中、悪い噂を流されて落ち込んでいる友達を励ますのにお母さん手作りのあわび粥を学校に持ってきたり、餅を持ってきたり、テストが終わるたびに親友と家でインスタントラーメン食べていたりと食べ物がオシャレ化していないところがちょっとほのぼのしていて好き。韓国ドラマとか見ていても食べ物が意外と欧米化してないのかな?と思う。

    いろいろと文化の違いを味わえてとても面白かった。文化の違いなのか受験戦争なんて遠い昔の話なのでもしかしたらジェネレーションギャップなのかもしれませんが。

  • 韓国の名門進学校に入学した優等生のジュノ
    テストや課題に追われる殺伐とした日々の中、
    仲良くなった友達や先輩との繋がりによって自分のありかたを考えていく物語


    まず、韓国の進学校の大変さにびっくり!
    (これがフィクションではなく現実を反映させたものなのかどうかは分からないけれど)
    ジュノが入学したトゥソン高校では成績優秀者だけが使える自習室があり、そこも順位によって格付けされ、成績優秀だということがステータスになっている

    学校の授業の後にも自習室や塾に通い、定期テストではみな生きるか死ぬかというほど追い詰められた様子

    韓国は日本以上に学歴社会で受験戦争が苛烈を極めると聞いていたけれど、実際こうして高校生の生活を知ると確かに大変だなと思った

    ジュノの場合、父親の病気があり、両親とともに暮らしていないことにより、学費の不安があったりするが

    他の子たちの多くは両親からのプレッシャーにより潰れそうになっていたりする

    社会的に学歴至上主義が浸透しているがために、親も盲目的に子に良い成績を取ることを強いる
    それが過剰になりすぎるとやっぱり子の精神には悪影響だということは韓国も日本も変わらず…
    行き過ぎた競争による弊害はどこも同じなのだなと思う

    主人公ジュノの友達や先輩の多くは大学進学に向けて受験勉強をしているが、
    大学進学ではなく、自分のやりたいことをやるために転校を考えている子もいる

    学歴が絶対ではなく、自分の人生に必要なことを正しく選択することが大切

    学歴至上主義の波に飲み込まれていると
    そういう基本的なことを忘れてしまって良くない

    ジュノの両親は子の選択を認め、不安を軽くしてくれるような対応をしてくれているのでホッとする
    ジュノのお父さんのアドバイスは「結果を考えずにただやってみること」結果を気にしすぎてしまうことで不安になり、ミスが増えるという悪循環から逃れるには結果を気にせずただ目の前のことに真摯に取り組むことだというのは納得
    結果は後から付いてくる

    殺伐とした学校生活でも友人の存在は大きい
    同級生は蹴落とすべきライバルだけではなくて、その生き方を認め合い、助け合える存在がいることは、この過酷な環境の中での大きな助けになるんだと思う

    ―――――――――――――――――――――――――――――

    自分で判断できるということは、自分自身を尊重できるということなんだ。だれかが決めた基準で流されている限り、ぼくは永遠に不安の奴隷として生き続ける以外ない。たとえどんな結果になろうとも、ぼくは運命の主導権を可能な限り自分で握るんだ。

  • 不安と希望と、憧れ、夢、勇気。

    進学校に通い始めた高校1年生のジュノ。父母は田舎にいて、叔父さんと暮らしている。中学からの友人ゴヌ、討論サークルの仲間であるユビンやボナ先輩、突っかかってくるビョンソ、元アイドル候補生のハリムなど様々な人と近づいたりぶつかったりしながら、気持ちは揺れ動く。勉強のプレッシャーに振り回されながら、自分の姿を見つめていくジュノに、読み終わったらこちらの心も清々しさでいっぱいになる。

    何のために勉強するのか。よい大学に入るためか。自分の道を歩いていくためだ。トップ30のみ利用できる正読室の雰囲気に当初圧倒されていたジュノも、中間テスト頃にはすっかり慣れている。また成績が落ちて正読室から追い出されたらどうしようと不安になる。一時期ジュノは転校まで考え始める。プレッシャーに負けそうになって。そんなジュノを温かく迎える父母。ジュノとゴヌをつかず離れずの距離で受け入れてくれる叔父さん。自分のやりたいことのために転校を予定しているユビンや、親の方針に少しずつ反抗しているボヌ先輩。固定された価値観に縛られるビョンソや、他人の視線に振り回されるハリムにマイナスの気持ちを抱きながら、ジュノは自分の道を歩く勇気を持ち、勉強する意味を見い出す。するともう正読室にいる必要もなくなり、父母に遠慮していた塾は必要な数学のみ通いたいと言えるようになる。

    勉強へのモチベーションをキープすることや毎日を息苦しくしない方法は、なかなか今でも常時実践できていない。他人の視線に気持ちが負けたり、不安が心を支配することもしょっちゅうだ。でもできる限りは自分をそのまま好きになり、自分のしたいことに時間を使いたい。そんな気持ちの支えになるような物語だった。

    ビョンソ視点の物語も読んでみたくなる。ジュノの中で一番理解できない存在だけに、語られていない部分が多そう。

  • ちょうど現在の自分の状況(本当にやりたい仕事をするか、他人が良しとする仕事をやりつづけるか)と重なる部分があり、ユビンの選択に大いに勇気づけられた。

    訳がとても良く(原書ももちろん良いのだろうが)、読みやすい。

  • 「成績に一喜一憂する寝不足な日々。
    さらに、はじめてのホントの恋まで! さあ、どうする?

     首席で進学校に入学してしまったジュノ。入学初日から生徒を成績でランク付けする学校のやりかたに違和感を感じながらも、高校生活が始まる。父は田舎で病気の療養中。母は父についていき、叔父とふたりで暮らしている。
     入学してからはトップをとれず、思い悩む日々。家計を思い、塾にも行っていない自分が、この学校で競い合っていけるのかと不安になる。同じ中学出身の親友、ゴヌに誘われて入った時事討論サークル「コア」だけが、晴れやかな気持ちになれる貴重な場だ。びっくりするくらい博識で、知的な刺激を与えてくれるボナ先輩、まっすぐな性格の同級生ユビン、そしてゴヌ。「コア」の仲間には、おしこめた不安や焦りも口に出すことができた。ジュノは次第に、独特なユーモアでまわりを笑わせるユビンに惹かれていく。
     ところがある日、ユビンから、転校を告げられる。観光経営学科のある学校に転校し、卒業したら大学には行かず、旅行会社に就職するつもりだと。将来は自分の会社をつくりたいと言うユビンが、とても大人びて見えた。「ぼくは、はっきりとした目標があって大学に行こうとしているのだろうか」――。
     テスト、課題、進路、SNS、そして恋……。1日は24 時間。やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことは満載!! ハードな高校生活を生き抜くために、“ 優等生” のジュノが見つけた法則とは?

    未来のための今も、今のための今も、どっちも大切なぼくたちの時間。」

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1432948

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著者プロフィール

大学で教育学、大学院で文芸創作を学ぶ。2016年に『판탈롱 순정(パンタロン純情)』『중딩은 외롭지 않아(中学生はさみしくない)』を発表。2018年、『チェリーシュリンプ わたしは、わたし』(金の星社)で第9回文学トンネ青少年文学賞大賞を受賞。2019年「書店員が選んだ今年の本」にも選ばれ、韓国国内で30万部を超えるベストセラーとなる。2022年に初のエッセイ『사춘기라는 우주(思春期という宇宙)』を出版。受験競争や思春期の悩みのなかでも、たくましい生命力で楽しさを見つけ出し、友達をつくり、愛を学んでいく十代に、作品を通して強いエールを送っている。

「2023年 『優等生サバイバル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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