尼子経久: 毛利が挑んだ中国の雄 (PHP文庫 な 13-2)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569569833

感想・レビュー・書評

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  • 郷土の戦国大名・尼子経久を主人公にした数少ない小説ということで、経久の大活躍を期待して手に取った。

    しかし、序盤の富田城奪回辺りがピークで、中盤からは主人公の影がとんと薄くなる。11ヵ国の太守になるまでの活躍が見られるかと思っていただけに、その辺りの描写が少なく残念。

    コロコロと日和見で寝返る国人達など、当時の出雲国周辺の情勢は勉強になった。毛利元就はやはり恐ろしい。

  • 尼子経久の生涯をわかりやすく書いた一冊。一代で山陰の雄となったが後年長子の戦死、三男の謀反、孫晴久の郡山城攻めの失敗と必ずしも順風満帆とは言えなかった。最後は尼子滅亡まで書かれている作品。

  • 毛利離反の報に、尼子方に大きな衝撃が走った。経久は怒るのも忘れ、茫然としてため息をついた。「やはり元就という男、ひとすじ縄ではいかぬ奴じゃった。毛利家を継ぐのを、なんとしてでもくい止めるべきであった」―わずか一代で山陰の雄となり、山陽に進出して11カ国を領有した尼子経久。傑出した将器と深い人間的魅力で人心をつかみ、毛利と死闘を演じた武将の生涯。

  • 尼子経久は地元出雲地方の戦国大名。戦国初期に山陰山陽11州を支配したにも関わらず、PHP文庫歴史人物シリーズくらいでしか取り上げられないマイナーさ。前半は国人による追放・富田城奪還・出雲支配、後半は大内・毛利との攻防。経久死後から尼子滅亡・再興がやや端折られているのが残念。

  • 尼子経久が好きで読んでいます。
    戦国時代の始まり、実は北条早雲より先に経久は下克上をしたとか。
    物語調になっているので読みやすいです。
    人に物をポンポンあげたり、部下や使者にも丁寧な口調、態度だったとか。
    人となりを知るのが楽しい。
    ところで裏表紙の内容紹介が、尼子経久よりも毛利元就の紹介ぽいような…

  • 尼子氏を、栄華の極みまで高めた経久と、その知恵や振る舞いを伝授しなかったが故、自滅の道を辿らせてしまった息子との対比が、なんとも悲しくもあり、哀れでもある。
    さてこのお話、ラストにあの山中鹿之介が登場。
    山中鹿之介といえば、池波正太郎の「英雄にっぽん」。
    このあとに続けて読むと、さらにおもしろくなるでしょうね。

  • 尼子のイメージはパッとしないというのが僕の中にありました。
    信長の野望では経久の能力が異様に高く中国地方にその名を轟かせたこともあり少し気になって読んでみました。
    なかなか関心が惹かれたので今後も中国地方の人物も読んでいこうかと思います。

  • 尼子経久、尼子家を一代にして中国11ヶ国の大大名にのし上げた稀代の謀将です。しかしとんとん拍子に事が進んだわけではなく、一度は出雲から追放されるという憂き目にあっています。この小説では経久は孫子の思想をもとに下剋上を成し遂げます。その後の尼子家の躍進は言うまでもありませんが、やはり偉大な人物の後継は難しいもの。物語は経久亡き後の尼子家まで描かれていますが、思うところが多かったです。

    読了日 2009年11月

  • 1400年代後半,戦国初期に中国地方を席巻した尼子経久の話。
    以前,北条早雲の話を読んだ際に,戦国時代(下克上)の幕開けは早雲からということだと思っていたが,実はこの尼子経久だったようである。経久は孫子や孟子を読み,戦の面でも政治・徳の面でも非常に優秀な武将だったようである。経久は出雲の国の守護代であったが,殷の湯王による夏の傑王の追放や周の武王による殷の紂王の誅伐などに例を見るように,仁を損なったり義を損なうものは既に主君ではなく普通の人間であるという孟子による放伐の論理に基づいて,出雲の守護であり京で怠惰な生活を送っている無能な主人に叛旗をひるがえしたのである。

  • 毛利が出始めたら「ずっと毛利のターン!」。そして経久さんはあげたがりなんですね(笑)。

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