イネの文明: 人類はいつ稲を手にしたか (PHP新書 262)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569629803

作品紹介・あらすじ

本書では、生物としてのイネの特質、主に野生イネの遺伝学的な研究成果を報告。インディカ、ジャポニカという二つの母系の存在はいかに確認されたか?また、さらに深まる起源の謎とは?長江に端を発する文明との関わりを追い、「稲の文明」という新しい歴史観を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 作と文明史を結びつけた視点でイネを研究し、人類のコメ栽培の発祥を追求する話。古代遺跡での種子の発掘、DNA調査、アジア各地でのフィールドワーク、先人の成果の報告等々、様々なテーマからイネ研究を語るも、どのテーマも決定的な結論に至らないのがもどかしい。あとがきで、著者自身が「解らない事だらけ」と認めているが、研究成果というより、研究プロセスの紹介と言った方が相応しいだろう。面白かったのは、サンプル種子から純系を増やすためにを自家受粉させた話で、期待度通りの形質が発現せず、多年生のはずが一年生になってしまったという。どうやら研究室内で純系に拘りすぎたのが、その理由らしい。観測そのものが観測対象を変えてしまうという量子論っぽい話が、マクロな局面で現れたのは偶然だろうが、なんとなく含蓄ありそうなエピソードに思えた。

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著者プロフィール

1952年生まれ
京都大学大学院農学研究科修士課程修了
総合地球環境学研究所副所長・教授 農学博士
序章執筆
主 著 塩の文明誌(共著,NHKブックス,2009),イネの歴史(学術選書,2008),よみがえる緑のシルクロード(岩波ジュニア新書,2006),稲の日本史(角川選書,2002)など


「2010年 『麦の自然史 人と自然が育んだムギ農耕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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