考える技法 小論文で頭がやわらかくなる

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569642376

作品紹介・あらすじ

自分の頭で考えられる人はどこが違うのか?周りを唸らせるにはテクニックが必要である。投げかけられた問いの論点をつかみ、キイワードを見つけ、反論を予想しながら発想を深めていく。「文学部に行って将来役に立つのか」「先生を好きになってしまったらどうする?」といった身近な話題に始まり、「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ善良な人が不幸にみまわれるのか」といった哲学的な議論にも挑戦。さまざまなテーマ、切り口で出題された小論文問題を材料に、発想のヒントをやさしく順序立てて解説する。

感想・レビュー・書評

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  • f.2020/5/26
    P.2020/2/11

  • 在野の哲学者であり、駿台予備校で小論文を教えていた著者が、大学入試の小論文の問題を解説している本です。

    人文系の問題が多くとりあげられており、実践的な発想のテクニックを紹介した本ではない。大学受験の小論文試験の参考書という趣で、あまり一般向けに書かれたとはいえないように感じました。

    大学の小論文試験で求められているのは、課題文や資料から問題を読み取ることと、論理的に構成された文章を組み立てることといってよいと思いますが、本書では前者のみに焦点があてられています。

    第1章と第2章では、問題を理解するために著者が生徒たちに出題したワーク問題が示されていて、考えるための手順が理解しやすいように感じました。しかし他の章では、「近代」や「私」についての著者のテーマ解説に終始していて、「考える技法」というタイトルにしてはいささか無手勝流にすぎるのではないかという不満を感じてしまいました。個人的には、きっちりワークをこなしていくことで「考える技法」を実地に身につけていくようなスタイルの本にしてほしかったように思います。

  • 高校生の小論文をベースにした「解答の導き方」を記したものだけど、高校生以外にも十分にためになる本。
    本書は、問題となっている曖昧な言葉を定義するとか問い自体を問い直すとか、基本でありながらなかなか実践できない思考の技法を、小論文の問題をもとに鮮やかに使いこなして見せてくれる。
    「ちゃんと考える」ってのはこういうことなんだよなあ、と深い納得感を抱くことができた。

    ただ、最後の方はちょいと失速した感があるなあ。そこが若干のマイナスポイント。

  • [ 内容 ]
    自分の頭で考えられる人はどこが違うのか?
    周りを唸らせるにはテクニックが必要である。
    投げかけられた問いの論点をつかみ、キイワードを見つけ、反論を予想しながら発想を深めていく。
    「文学部に行って将来役に立つのか」「先生を好きになってしまったらどうする?」といった身近な話題に始まり、「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ善良な人が不幸にみまわれるのか」といった哲学的な議論にも挑戦。
    さまざまなテーマ、切り口で出題された小論文問題を材料に、発想のヒントをやさしく順序立てて解説する。

    [ 目次 ]
    1 関係をつかむことば
    2 近代的な考え方の枠組み
    3 ことばを分析し、対立概念をつくる
    4 対照的なことばを見つける
    5 問いを発見する
    6 テーマを発見する―発想を豊かにする
    7 問いを変換する
    8 なぜ人を殺してはいけないのか―道徳と倫理
    9 旅の終わりに―制度と風景

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
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    [ 参考となる書評 ]

  • 高校生、大学生向け小論文のテキスト

    【購入日】 不明

    【よみやすさ】 やや硬い 新書221ページ。

    【購入意図】
    国語に自身がないから。
    大学で追い詰めれれている時に。

    【私が再読する時】
    しばらくない。
    私にはもっと簡単なものでよい。

    【お薦めの人】
    大学生。

  • 11感情や関心のあり方、態度をぴったりと言い当てられるような「ことば」が必要
    18畏怖する存在を見ることは、自分の小ささやせせこましさを自覚することにもつながる

  • 「ひとを殺しちゃいけないのはなぜ?」

    「先生を好きになっちゃったんだけど、どうすればいい?」

    みたいな答えのない問いに、ちゃんと相手と意見を交換するための、正しい考え方のプロセスが書かれた本。

    東大を全共闘で中退して後、小論文の講師として長年務めていた筆者の「論」に対する熱い想いが、ぐいぐい読む者を惹きこませる。

  • 東大とかの小論文の試験問題を紹介・解説したりしててまぁ興味深いけど、あんま実用性はない。

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著者プロフィール

1947年、岡山県津山市に生まれる。福岡でだいたい育つ。’79年から執筆活動をはじめ、駿台予備学校講師(論文)も行う。評論家・哲学者とよばれることもあった。2007年没。著書に『思想としての全共闘世代』(筑摩書房(ちくま新書)、2006年)『考える技法』(PHP研究所(PHP新書)、2005年)『絵と文章でわかりやすい!図解雑学 現代思想』(ナツメ社、2004年)『ガイドブック哲学の基礎の基礎』(講談社(講談社+α文庫)、2003年)『考える力がつく論文の書き方』(大和書房、2002年)『そうだったのか現代思想』(講談社(講談社+α文庫)、2002年)『現代社会のゆくえ』(彩流社、2000年)『自分というもんだい』(大和書房、1997年)『哲学通になる本』(オーエス出版、1997年)『小阪の合格小論文』(東京書籍、1997年)『ことばの行方・終末をめぐる思想』(芸文社、1997年)『はじめて読む現代思想 1 水源編』(芸文社、1995年)『はじめて読む現代思想 2 展開編』(芸文社、1995年)『日曜日の図書館』(小山 慶太 他との共著、増進会出版社(Z会出版)、1995年)『市民社会と理念の解体』(彩流社、1994年)『コンテンポラリー・ファイル』(彩流社、1994年)『現代思想のゆくえ』(彩流社、1994年)『自己から世界へ』(小阪 修平 他著、春秋社、1992年)『歴史的実践の構想力』(廣松 渉との共著、作品社、1991年)『ORGAN 10』(現代書館、1991年)『社会主義の解体』(小阪 修平 他編、現代書館、1990年)『ORGAN 9:社会主義の解体1990』(小阪 修平 他、現代書館、1990年)『わかりたいあなたのための現代思想・入門』(小阪 修平 他著、JICC出版局、1989年、宝島社文庫ー宝島社、2000年)『非在の海』(小阪 修平著、河出書房新社、1988年)『オルガン 3』(現代書館、1987年)『オルガン 2:欲望の市民社会論』(小阪 修平 他編、現代書館、1987年)『思考のレクチュール 5:地平としての時間』(小阪 修平編、作品社、1987年)『思考のレクチュール 4:記号の死』(小阪 修平編、作品社、1986年)『思考のレクチュール 3:存在への往還』(小阪 修平編、作品社、1986年)『オルガン 1現代思想批判』(小阪 修平 他編 現代書館、1986年)『思考のレクチュール 2: 生命のざわめき』(小阪修平 編著、作品社、1986年)『わかりたいあなたのための現代思想入門 2 日本編』(小阪 修平 他著、JICC出版局、1986年、1990年)『現代社会批判 の彼方へ(との対話 5)』(見田 宗介との共著、作品社、1986年)『現代思想批判 言語という神(との対話 4)』(栗本 慎一郎との共著、作品社、1985年)『イラスト西洋哲学史』(小阪修平著、ひさうち みちお画、JICC出版局、1984年)『資本論 FOR BEGINNERSシリーズ イラスト版オリジナル 17』(ダヴィッド・スミス著、フィル・エバンス画、小阪修平訳、現代書館、1983年)『マルクス FOR BEGINNERSシリーズ イラスト版オリジナル 3』(エドワルド・リウス著、小阪修平訳、現代書館、1980年)などがある。

「2000年 『現代社会のゆくえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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