- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569649733
作品紹介・あらすじ
年収、1億円以上。経済新聞が報じなかった企業買収・再編をしかけるプロ集団のすごい仕事。
感想・レビュー・書評
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投資銀行とは何なのか説明した本
目次
<blockquote>第1章 実は一〇倍になってもよかった日本の株価
第2章 「買収」を演出する投資銀行
第3章 こんな会社が狙われる
第4章 シミュレーションあなたの会社が買収される日
第5章 日本の銀行は投資銀行になれない
第6章 投資銀行家の高い年収の背景にあるもの
第7章 人こそ全て―投資銀行が求める人材とは
第8章 投資銀行の仕事に学ぶ
第9章 投資銀行とどうつきあうか
第10章 KKR上陸で日本が変わる
特別編 投資銀行式「本当の株価」を見抜く方法
</blockquote>
投資銀行という、企業買収で黒子の役割を果たす組織の話。
M&Aの際、企業に対してアドバイスする役割を担う……らしい。
中に書かれていることは、実際に投資銀行がどのようなことをやっているのか?という点だけ。あくまで紹介本だと思っていいかもしれない。
サブプライムローン問題でも一役買ってるし、アメリカの金融の中では大きな存在なので、どんなものなのか知りたい……とは思ってたけど、どちらかというと狭い内輪の話だったりしたんで、ちょっとズレたかな……。
彼らの仕事はM&A対象の企業を分析したりすること。
そのために、5つの視点から評価してる。
<blockquote>・収益力の評価
・成長性の評価:顧客は成長性が見込まれる分野に経営資源を集中させているか?
・競争力の評価:顧客はその業界で世界第一位の地位を占めているか?
・バリュエーション分析:顧客の事業部門はどれくらいの価値があるか?
・機関投資家の視点:顧客企業は世界の優良な機関投資家と十分なコミュニケーションをとっているか?
</blockquote>
かなりあちら側の世界の話……という感じがしますねぇ……徹底的に情報を磨き、他より良い情報を出す……そこに価値があるんでしょう。
これから企業価値のアップをアドバイスする
<blockquote>・事業部門の売却・アライアンス
・企業買収・出資
・資本戦略
</blockquote>
もう見てわかるとおりで、会社のなかで投資にまつわる分野でものすごく動くわけです。
納得させるだけの情報がちゃんとあるんでしょうね……。
中で働く人のものすごさは、ある意味で怖い。
恐ろしいほどマッチョな動きなのだ。成果、報酬、名誉……自らの全てを賭けてそこまでやる……ことができる人がこの世の中にいるのか……と。
そんな投資銀行が欲しい人材は……
<blockquote>1.本当の意味でやる気のある人
2.動機を持つ人
3.頭が良い人、性格が良い人
4.トラックレコードのある人
</blockquote>
どんだけスーパーマン……でも採用があるということは、そういう人がいるってこと。
これだけえり好みするのだから、それ以外の要素はあまり考えられないのだろう……。
総じて言うと、スケールがでかすぎて、あまり頭に入ってない。
ただ、こんな世界があるんだなぐらいには、知っておいても悪くないのかな……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔読んだ本。投資銀行の世界について、詳しく書いてある&邦銀に対する辛辣な批判が書かれている。勉強になる。
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投資銀行についてとても簡略にわかりやすく書かれた本。
バブル崩壊以後の停滞する日本経済、
および「バブル崩壊したんだからこの低成長はしょうがない」と考える
「日本の経営者たちの怠慢」についての導入が新鮮だった。
「敵対的買収」は「(経営者にとって)敵対的買収」であるとか、
そのあたりをちゃんと理解し直すことができた。
(もっとも買収によって従業員にも少なからず悪い影響はあるだろうが)
すごいコマ切れに読書を進めた一冊だったが、
なかなか良書だったと思う。 -
元外資系投資銀行マンによる、「投資銀行」紹介の本。
Investment Bankがどういう機能を持っていて、社会の中でどういう役割を果たしているか、簡単に説明されている。
副題には日本に大変化が起こる、とある。この本が書かれた当時が2006年の5月。経済は「戦後最長の成長期間」のまっただ中で、外資系企業ブーム(就職市場などにおいて)のようなものが広がっていった時期だ。
それから実に6年が経過したわけだが、日本社会は、経済構造はどのように変化したのだろうか?
市場主義とでもいうべきメカニズムを著者は積極的に迎えるべきだ、投資銀行やKKRのようなファンドの到来が否応なしに日本の経済を変える、と筆者は主張する。
僕は基本的にこの考え方には賛成だ。競争、という仕組みが資本主義の大原則だからである。
ところが現実の日本社会を見てみると、必ずしも筆者の言うような企業淘汰は進んでいない。競争力のあるバルジブラケットが市場を席巻する、ということはあまり起こっていない。
それはリーマンショック以来の金融危機で、financial industry、特に欧米系の体力が落ちたということがあるだろうが、日本社会の変化への弱さを感じざるを得ない。
郵政民営化の反動、ペイオフをめぐる議論、「キコウ資本主義」、どれをとっても民間市場による淘汰が積極的に行われていない、あるいは行おうとしない例である。
これらが資本主義を歪めているのか、修正しているのか。日本の資本主義はいかなる方向に進むべきか。
直接的なレビューから外れてしまったが、投資銀行という極めて市場主義的な存在が日本に突きつける問題は大きい。 -
P28 大競争時代を迎えた今、企業経営者に求められるのは「明確なビジョンと先見性」を持って、ぐいぐいと組織を引っ張っていく「実行力」である。
P29 組織の中で「上の人に重宝がられる人」と「上に立つ人」とでは、本来、求められる資質が決定的に違う。
P33 「企業が価値を生み出す力」を測る尺度が「企業価値」であり、「株価」である。個人を含む「投資家」は、価値を生み出す企業へ投資することによってのみ「株価」上昇という形による恩恵を受けることができる。
P48 五つの視点から企業を分析・評価
①収益力の評価
②成長力の評価
③競争力の評価
④バリュエーション分析
⑤機関投資家の視点
P139 いかなる戦乱や迫害があっても「貨幣を確保し知恵と知識を磨いていけば生き残れる」
「最後に頼れるのは自分だけだ。したがって常に最高レベルの知識とノウハウを身につけておかなければならない」
「国の後ろ盾など期待しない。自分で考え自分でリスクをとる」
P180 「一ヶ月いろいろ努力しても本当に必要なのはたった一枚のデザインだ。われわれはこのたった一枚を探すためにやっている。一枚のスケッチは1時間もあればできる。」
P241 企業価値と理論株価
step1 企業が現在から将来にわたって稼ぎだすフリーキャッシュフロー(FCF)を計算する
step2 これをベースに理論株価を計算する -
投資銀行の業務、および内情を綴った一冊。・・・とは言っても昨今数ある投資銀行本よろしく、込み入った具体論には追求してるとは言えない。投資銀行家の激務っぷりとその対価である報酬、そもそも投資銀行は何をミッションにしているか。こういった部分は昨今、本書を読まずとも簡単に手に入る情報である。
漫画や小説のような投資銀行本では満足できず、投資銀行家が利用する変数の(ほんとにわずかだが)ごく一部を具体的に知りたい入門者にとっては、最適な書と言えるだろう。 -
外資系銀行と日本の銀行の根本的な戦略の違い、日本の甘さをツラツラと書き綴ってる本です。他にも色々と面白い話が載っているので、ぜひ読んでみてください
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「常識のワナ」p19
<「企業価値の創造」が経営者の仕事>
経営者に求められるのは、
1.先見性に裏打ちされた「明確なビジョン」
2.これを実現する「実行力」
3.「価値創造」に関する「具体的な数字」p30
「株価」=「企業価値」=「企業が価値を生み出す力」を測る尺度
投資銀行は、株式市場において「価値を生み出す企業」と「価値を見極めようとする投資家」を結びつける役割を果たしているp33
世界市場・日本市場におけるM&Aアドバイザリーランキング・市場規模の近況は?
株価が安い会社が狙われる
→経営者が「企業価値」を高める努力をしていないからp80
資産がコストであるとの発想に立てない会社が狙われる
→資産は、それを使って利益を生み出して、はじめて事業としての価値を生み出す
→売り上げや資産の拡大を目指す経営者が少なくないp83
投資銀行は企業の財務アドバイザリー、コンサルタント的な存在p300 -
岩崎日出俊さんの本を読みました。
この人は興銀→外資系投資銀行っていうキャリアの人で
本いくつか出してて、これで多分読破かな?
Blogも結構面白いです。
日本のいわゆるメガバンクがいかに外資系金融機関に比べて
投資銀行業務においてダメなのかについて書いてありました。
まぁ、特に新しい知識はない本だったけど
何も知らない人とかにはお薦め。 -
読んでる間にリーマン倒産。
あまりにもタイムリーなんですが、かなり面白かった。
投資銀行といわゆる銀行の違いからなぜ日本の銀行、証券会社がダメなのか?解説している。
最後に付録で付いている理論株価は説明が丁寧で自分でもよくわかった。
こういう本に大学時代に出会ってたらと思う本。
若い人はゼヒ読んでください。
世界を動かす人たちはホント頭いいですね(^^;