高次脳機能障害 どのように対応するか (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569658407

作品紹介・あらすじ

「突然人が変わったように暴力をふるう」「誰かが促さないと何もしようとしない」「言われたことをすぐに忘れてしまう」-脳梗塞や脳出血、交通事故などで脳を損傷した後、さまざまな問題を引き起こす高次脳機能障害。しかし一見、障害とはわからないため、医療や福祉の専門家でもこの障害に対する理解は十分でない。高次脳機能障害とは何か?全国で三十万人にものぼる患者をどのように支援すべきなのか?正しい評価と診断、家庭と社会の適切な対応によって、症状は必ず改善する。

感想・レビュー・書評

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  • 脳血管疾患、交通事故等による頭部外傷のために発症する高次脳機能障害。誰もが罹患する危険性ある疾病につき、リハビリの観点から叙述するもの。2007年刊。読めば読むほど、自閉症・広汎性発達障害との近似性を感じてしまう。彼が言うように、高次脳機能障害のうち知的機能の低下を伴わないグループが、福祉サービスからもれ落ちている点は全くもって同感。この点は、自閉症(高機能自閉症のカテゴリーか)も同様。精神科領域とのコラボの重要性も著者の指摘しているとおりである。ただ、リハビリでよくなる可能性がある指摘は少しうれしい。
    なお、本書では川島隆太氏と異なり、前頭葉の血流増加だけでは、機能回復の指標とまでは言いにくいとし、また、単純計算だけでなく、少々難易度の高い課題(演奏課題)の方が、前頭葉全体の血流量の増加を来たすという見解を示している(ただし、公文とのコラボで高次脳機能障害患者用の教材を作成して調査しているようで、このあたりがいまいち論を読み取りにくくしている。)。

  • わかりやすく概念を説明されている。
    対応も具体的。

  • 一般向けに書かれた高次脳機能障害の理解に対する入門解説書。
    高次脳機能障害による一見不可解な症状の解説と、高次脳機能障害を持った方への接し方について、家族や医療者の理解を深めるとともに、社会制度について事例紹介を含め解説されている。

    著者はリハビリテーション医で、リハビリテーションの視点から解説されているのがミソ。
    科学的・医学的な理解よりも、社会のなかで如何に高次脳機能障害の方を支えるかに軸足を置いた解説となっている。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    「突然人が変わったように暴力をふるう」「誰かが促さないと何もしようとしない」「言われたことをすぐに忘れてしまう」―脳梗塞や脳出血、交通事故などで脳を損傷した後、さまざまな問題を引き起こす高次脳機能障害。しかし一見、障害とはわからないため、医療や福祉の専門家でもこの障害に対する理解は十分でない。高次脳機能障害とは何か?全国で三十万人にものぼる患者をどのように支援すべきなのか?正しい評価と診断、家庭と社会の適切な対応によって、症状は必ず改善する。
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    【目次】
    プロローグ:ある日突然
    第1部 高次脳機能障害を理解する
    ・高次脳機能障害とは
    ・高次脳機能障害の診断と症状
    ・高次脳機能障害は精神病か
    ・高次脳機能障害者の社会的立場

    第2部 日常生活の向上につなげるために
    ・家族・周囲の心構え
    ・高次脳機能障害のリハビリテーション
    ・高次脳機能障害への対応法
    ・社会復帰までの道のり
    エピローグ:一通の手紙
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  • 判断が難しいけど、参考になった。

  • 非常にうまくまとまっていて参考になった。<br />今まで経験的にやってきたことが大体正しいことも確認できた。

  • 一般の人向けにさらりと詳しく書かれていました。たぶん、わかりやすいんだと思う。けど、仕事の本として読むには入門編・・・?教科書よりも実用的か知れません。こんなに丁寧に対応できているのか、考えさせられました。地域の中で障害者をバックアップしていく人たちで、高次脳を知らない人たちには、ぜひ読んでほしい、と思います。

  • 概念を理解したかったのだが,リハビリ医の本なので,ちょっと焦点がずれる。それでも実際を知るには参考になった。我々は基本的に,これを後遺障害として幾らと認定させるかというところまでしか関われない訳だが,その後の社会復帰までの長い道のりも念頭に置くべきだ。

  • 家の本棚で見かけた記憶があるが、まだ読んではいない・・・
    読まねば。。

    • kengowさん
      セルフコメント
      脳出血から生還して、残ったのが高次脳機能障害らしい。
      てんかんもあるが・・・なんにせよ、いろいろ不具合が出ながら、
      付...
      セルフコメント
      脳出血から生還して、残ったのが高次脳機能障害らしい。
      てんかんもあるが・・・なんにせよ、いろいろ不具合が出ながら、
      付き合って行くしかないのだな、と。早めにいなくなってくれ。どっちも。
      2009/09/11
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著者プロフィール

(はしもと・けいじ)
 1973年、東京都生まれ。独立行政法人国立成育医療研究センターリハビリテーション科医長。医学博士。
 東京慈恵会医科大学医学部卒業。東京都リハビリテーション病院、神奈川リハビリテーション病院、東京医科歯科大学難治疾患研究所、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座などをへて、現職。
 主な著書に『高次脳機能障害 どのように対応するか』(PHP新書)、『高次脳機能を育てる』(看護出版)など。

「2012年 『高次脳機能障害のリハビリがわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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