日本はそんなに悪い国なのか A級戦犯・靖国問題・平和祈念碑設立をめぐって (PHP文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569664583

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  • 靖国問題について知りたくて読書。

    平成に入るくらいまで臭いものには蓋ように避けてきた問題、憲法改正もそうだし、先の大戦での分析や反省も避け、自虐史観を貫き通してきた印象がある。

    日本が岐路に経つ今、日本人自身が主体的に総括して、中国や韓国へ発信ししていくことは大切なような氣がする。

    靖国神社の問題は、私も含め日本人が知らなすぎる。A級戦犯とB級、C級の違いを知っている人がどれほどいるのか。恥ずかしながら私は、教壇に立っていた時代も正しく認識していなかった。日本のことですら知らないことが多すぎる。もっと謙虚に歴史を学ぶべきだと思う。

    一貫して感じるのは、戦争が人の運命を変え、不幸にすること。戦争を防ぐために外交でしっかりと主張し、国益をつぶけ、対等な付き合いをしていくことが大切だと改めて思う。

    戦後復興期に独立したインドネシアやフィリピン、台湾、中国との貿易や関係に深く貢献した旧日本兵や日本人がいる歴史を忘れてはいけないと思う。

    読書時間:約1時間5分

  • 戦勝国の一方的な論理に基づく教育により、罪悪感を徹底的に教え込まれ、卑屈化した日本人の精神は戦争裁判を受け入れ、靖國参拝を躊躇う。この本では、日本人の誇りを取り戻すべく報復措置としての戦争裁判の正当性を問い、明治維新以降の戦没者を祀る靖國の存在意義を見直すことの大切さが訴えられている。
    ・東京裁判の判事をつとめたパール博士は、国家に交戦権がある以上、戦争は犯罪ではないと述べている。当時の日本には交戦権があったから、平和に対する罪を犯したといわれる理田はない。まして負けた側だけに戦犯が存在するのは納得いかない。
    ・日本の神社を掌握している神社本庁の名簿に靖国神社は見当たらない。国難に殉じた人の慰霊の場として、靖国神社はいわゆる神道の神社とは一線を画していることになる。

  • 一本筋の通った女性論客。本書では、日本だけを不当に貶める従軍慰安婦問題、日本降伏と同時に中国に残された子女がソ連兵に凌辱されて泣き寝入りしている点(占領下の米兵の乱暴狼藉も同様)、東京裁判という勝者の論理だけで推し進められた戦争犯罪裁判(石油を止められ自衛のために戦争をした日本人が悪いのなら、植民地主義を推進していた欧米諸国や原爆や東京大空襲などの無差別殺戮は問題なかったのか)、今なお「戦争犯罪人」というレッテルを貼られて不当な差別を受けている戦犯家族たちの名誉回復など戦後日本が声を上げなかった問題を提起しています。また、本書では上坂との対談内容が収録されていますが、瀬島龍三、山本卓眞、中曾根康弘との話はやはり面白い。
    最後は、著者プロフィールです。

    上坂 冬子(1930年6月10日 - 2009年4月14日)は、ノンフィクション作家。本名、丹羽 ヨシコ。
    略歴:
    東京府生まれ。父は警察官で、特別高等警察に勤務していた。弟は、元河合塾教育本部長の丹羽健夫である。
    永田町小学校(現麹町小学校)を経て、愛知県立豊田東高等学校卒業。1949年にトヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)入社。在職中の1959年、『職場の群像』で第1回中央公論社思想の科学新人賞を受賞したことを機に文筆活動を開始。以後ノンフィクション作家として執筆活動に専念する。
    初期には婦人問題に関する評論を、その後昭和史・戦後史にまつわるノンフィクションを多く手掛けた。1993年には第41回菊池寛賞、第9回正論大賞を受賞。1997年、『原発を見に行こう』で第17回エネルギーフォーラム賞普及啓発賞を受賞した。
    保守系論壇誌において靖国神社問題に関する発言を活発に行なった。左派的とされる思想の科学研究会会員でありつつ保守的な論陣を張ることが多く、上坂を見出した同研究会のリーダー鶴見俊輔とは対極の立場でもあったが、鶴見は上坂を高く評価しており、死去と前後して鶴見との対談本『対論・異色昭和史』が出版されている。
    若い頃の失恋体験から生涯独身を通し、倹約してアパートを建て、やがて4階建てのマンションを建ててテナントを入れ、自らは最上階を専有し、経済的な心配がなくなってから心置きなく執筆活動に打ち込んだ。
    2003年に『「北方領土」上陸記』を出版し、翌2004年には本籍地を国後島へ移した。
    2009年4月14日9時50分、肝不全のため東京都港区の東京慈恵会医大病院で死去。78歳没。
    発言:
    靖国神社問題を解決すべく設立された内閣官房長官の諮問機関「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」の委員として報告書を提出。「追悼・平和祈念を行うための国立の無宗教の恒久的施設が必要と考えるが、最終的には政府の責任で判断されるべきだ」との意見に賛成した(反対委員は坂本多加雄のみ)。(ウィキペディア)

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