「本当の自分」はどこにいる 自分探しの心理学 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569672601

感想・レビュー・書評

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  • 本当の自分は何処か=自分は本当は何がしたいのか。著者のこれまでの経験から自分探しについての解説、ダメな自分を認めれば良い所もわかりやりたいことも見えてくる、といった内容。今までよりもクドイというか静かに怒られているような雰囲気を文章から感じた。今回はニートがたくさん出てくる。著者の他書「正義と憎しみの構造」「不安のしずめ方」「自分のうけいれ方」などが出てくる。読んでいなくても問題ないが先に読んでおくとイメージしやすいかと思う。おすすめは三章。数ページで終わるが大事な事が書かれている。本書の後半は割と良い。


    何かをしている時に楽しければ本当の自分。本来の自分がすることをしていると、気持ちが落ち着き、ものが見える。好きなことに集中している時は競争したり不適当な行動をしない。人の役に立つような能力の使い方を見つける。頑張らなくても成果が上がる。逆に訳もなくいつも辛い時は本当の自分で生きてない。
    クヨクヨするのも本当の自分。クヨクヨしていない自分を見つければ本当の自分になれると勘違いをする。理想の自分が本当の自分だと勘違いしている人がいる。

    自分の頭で考えるということが可能であるためには、まず自分自身の人生に責任を負うということが出来るまでに心理的に成長していなければならない。自分探しをする、カルト集団に出会う、そんな時に自分を見つけたと思ったら、完全に自分を放棄したのと同じである。本当の自分を見失ったのである。

    本当の自分で生きていれば過去を懐かしく思い出し語るものがある。感動している時の自分が本当の自分。人は古きを訪ねエネルギーが湧く。それは心の中に生きてきた証があるということ。当時の事をどのくらい懐かしいと思えるかでその時の自分がどのくらい本当の自分であったかがわかる。

    人が怖いうちは本当の自分で生きられない。やりたい事が、人のことを気にしてできなかったのだ。「自分が本当に欲しいものが欲しいと気がついた時には遅過ぎた」

    納得していないは、優柔不断と無責任。それが悩みの原点。言葉は「いい加減に考えたくない」だけど本質的には「いい加減に考えているだけ」。それを認めて納得する。言い訳は絶対ダメ。妥協するの他に原因を求める人はこれができてない。納得とは心身が一体になること。

    いい人になれば、いい人になりながら現実から逃げられる。自分自身であれば自分も周りも幸せになれる。自分自身であることを恐れれば全てが中途半端で最後には八方塞がりになる。恐れる人は意志のない良い子。

    自分の器以上のことはしない。それ以上のことをしてしまうと混乱する。猫が猫である限り自分のことを適切に守れる。無駄をしない。自分を信じて自分なりの解決をする。

    悩みがあるから悩むのではなく、悩む心があるだけ。今の悩みがなければ別の悩みで悩む。楽して生きてきたツケ。大学は人間性を培うことも大切。仕事も最後は人間性が勝負。

    現実を認めれば突然すらすらと青空になる。それを乗り越えたという。人は自分の弱点を認めれば自分の長所にも気がつく。

    非難するものは本当はしたいこと。

    本当の自分を知りたければ業績ではなく、なぜそれをしているのかという動機が大切。やっているではなく、なぜあれをやりたいのかという心の中に本当の自分がいる。問題は結果ではなく過程の中にある心。

    寄ってきた蜂(攻撃的な人?)を避けずに刺されて(否定されて?)痛いといって生きてきた。それを続けていては人生の切り替えができない。自分の意志がある人は蜂を避ける。人から守ってもらおうとする受け身の人は避けない。

    人が大きく伸びるのは認めたくないものを認めた時。現実を認めなければ人生の切り替えはできない。成長し自分はこれが好きということがないとエネルギーがない。ある人は現実を認めるから嫌だと思いつつ先に進める。だからうつ病になりやすい人は生きるエネルギーがない。

    執着性格者は本当の自分はどこにもいない。固有の世界を持つ努力をして初めて解決に向かう。これがあればみんなに嫌われてもいいと思える好きなものを持つ。それを認めず、仕事を変えるとか無理して努力して仕事の成果を上げようとするから行き詰まりうつ病になる。

    好きか嫌いかがわからないと全てのことに全力を出して燃え尽きてしまう。不適切な分野で頑張ってしまう。好き嫌いがわかると「この仕事は重要だから力を入れよう。これはやる必要がないから断ろう」とエネルギーを振り分けられる。燃え尽きる人は他者からの期待に弱い。優しい人であるから断れないのもある。しかし物事を押し付けてくる人も心が不健康であり他人のことは重んじていない。評価を気にせず手を抜くところは抜き断る。まず努力をして不得意を見つける。そうすると長所がわかる。ありのままの自分で、ということは自分の長所に注意を集中していること。


    長くなりそうなので三章までの要点までで終了。

  • 自分に正直でいることは、簡単なようで難しい。

    なにが好きでなにが嫌いか改めて見つめてみる。
    あるいは、自分はこれに向いていないと、ある意味負けを認めるのも自分に正直になる一歩と思う。

    子どものときの複雑な環境のなかで、わがままや自由な感情を抑圧することになれてしまうと、本当の自分がわからなくなってしまうこともあるのかもしれない。

  • "自分探しが必要な人、自分創りが必要な人"
    "「自分探し」は、まず「自分は何を認めたくないのか?」を本気で考えること"
    というフレーズが気になる人は一読を。
    人によっては物足りなかったり、エッセイ調で読みづらいという人もいるかもしれません。

  • まさに最近よく考えたことが本の題名だった・∀・


    とりあえず前書きぱらーっと読んで購入決定!


    読んでるときはうん、うんってほんとなるほどと思わされた。
    ちょっと時間おくと
    なんかこころえぐられたようなちょっと疲れた感じ・∀・
    あまりにも自分にとって的得たようなこと書いてあったからかも。

    自分の人生に無責任に生きてる。

    排除した感情をもう一度意識に戻していくとこから始めたい。

    また時間おいて読み返してまたアウトプットします。

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著者プロフィール

1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科を修了。元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員。現在、早稲田大学名誉教授。
主な著書に、『自分の心に気づく言葉』『心を安定させる言葉』(以上、PHPエディターズ・グループ)、『心の休ませ方』『自分のうけいれ方』『不安のしずめ方』『自分に気づく心理学』『やさしい人』『絶望から抜け出す心理学』(以上、PHP研究所)、『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』(三笠書房)、『心と体をすり減らさないためのストレス・マネジメント』(大和書房)などがある。

「2023年 『ブレない心のつくり方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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