- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569673059
作品紹介・あらすじ
小田原北条氏百年の最期にふさわしい“有終の美”を飾った男・北条氏照。▼三代目・氏康の三男として生まれ、第二次国府台合戦での活躍、越相同盟の実現、八王子城の築城など、「武」と「智」を兼ね備えた氏照こそが、北条氏を関東制覇へと導いたといっても過言ではない。▼豊臣秀吉による小田原攻めでは、徹底抗戦を主張し、始祖・早雲の夢「王道楽土」を追い続けた義将の生涯を描く力作長編。▼文庫書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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秀吉に挑んだ義将・・・
ん-・・・秀吉に「挑もう」とした義将 かな。
さらに「義将」というのも、どうでしょう。
読んだ感想、氏照は現代の会社によくいる「こういうやり方だから」「前からこうしている」「うちらはこれが、一番性に合っている」といって進歩しない年寄りに見えた。
ま、時代が違うので私が「義」というものを理解していないだけかもしれませんが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北条氏照の生涯を描いた歴史小説。史実に忠実に構成されたストーリーと、城跡の実地調査に基づく攻城戦の描写は、相変わらず素晴らしい。ただ、肝心の小説としての人物描写が、この作品ではイマイチな印象。この本の描き方では、北条氏照は「家訓に殉じた単細胞バカ」になってしまう。著者は「ロマンチスト」として描こうとしているようにみえるが、その点はあまり成功していない。
あと、本書では松田憲秀や猪俣邦憲が豊臣方と裏で通じていたと解釈しているが、その辺はどうなんだろうね?名胡桃事件が豊臣秀吉と真田昌幸による謀略であったことを暗示する古文書は出ているらしいけど、猪俣邦憲がそれに積極的に乗ったのか、知らずに騙されたのかはおそらく永遠の謎。松田憲秀が山中城の守備兵を意図的に減らし、豊臣方の緒戦の圧勝に協力したというストーリーは、とても面白い解釈だと思った。 -
或いは“歴史”は「勝者のモノ」なのかもしれない…しかし本作は「敗者の目線」で綴られている…「理想に殉じる」ことを善しとした、“対豊臣抗戦派”の首魁格であった北条氏照という漢…なかなかに魅力的だ!!
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戦国末期関東を舞台にした作品は珍しく、北条氏が謙信亡き後も四苦八苦する経過は興味深く読めたけれど、主人公に魅力がなく…伊東さんの作品としてはちょっと物足りなかった。
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9784569673059 395p 2009・7・17 1版1刷
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氏政の弟で秀吉への徹底抗戦を主張した氏照を主人公にして、あまり題材にされない北条家末期を描いていて新鮮。
知勇兼備の将であった氏照だが、その描いた戦略を駆使して北条家全力で秀吉に挑むには情勢が許さず、その存在を歴史に大きく刻むことができなかったのは残念。
しかし、早雲から続く大北条家としては織田・羽柴など勢力を伸張する勢力を見下す風があったのか、
織田との連携に信を置くことができず、信長死後の急転する中央の情勢にとり残された時点で北条の運命は決まっていたように思う。 -
後北条氏3代目北条氏康の三男で、4代目氏政の弟。
他の弟達と共に兄や甥で5代目の氏直を助けて北条氏を盛り立てようとするものの、中央勢力への対応では苦慮することに。
氏政・氏直からすると頼りになる弟達・叔父達だけど考え方が違い過ぎるので、決断力がないと方針の統一もし難くなったというところか。
歴史の大舞台ではないけど、天正壬午の乱や御館の乱なども描かれていることも自分的には高評価。 -
小田原北条氏百年の最期にふさわしい“有終の美”を飾った男・北条氏照。三代目・氏康の三男として生まれ、第二次国府台合戦での活躍、越相同盟の実現、八王子城の築城など、「武」と「智」を兼ね備えた氏照こそが、北条氏を関東制覇へ導いたといっても過言ではない。豊臣秀吉による小田原攻めでは、徹底抗戦を主張し、始祖・早雲の夢「王道楽土」を追い続けた義将の生涯を描く力作長編。
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民のための王道楽土という「存念の成就」を実現するために、父氏康の遺言に従い修羅として振る舞った人物として描かれている。
一応氏照の話なのだが、氏直が思いのほか優秀な感じで描かれていている点は好感が持てた。