- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569677842
作品紹介・あらすじ
大黒柱である清盛を失い、滅亡へと向かう平家。その流れは押し留めることができないかに思えたが、それでも運命に抗い続けた平家の男たちがいた-。歌の道を望みながらも、武人として生きる道を選んだ忠度。虜囚の身となるも、次なる戦いに賭ける重衡。嫡流の血の重圧と戦い続けた維盛。歴史の流れに最後まで逆らおうとした知盛…。平家の男たちの颯爽たる姿を描いた連作短編集。文庫書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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清盛以外の人物にたくさんスポットが当たっていて、それぞれの立ち位置から話が見えるので面白かったです。ちょっと盛りだくさん過ぎて駆け足なのと物足りなさと「あれ?終わっちゃった?」感も多かったです…
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平家の公達にスポットを当てた物語。
滅び行く運命を受け入れるしかない、彼らの気高い生き様・死に様に、美学を感じます。 -
平家が滅亡したのは、驕りや公家化などと理解していたが、この本を読んで時代の必然だったのだと感じた。歴史には明確に登場しない、一般の人々(この当時は農民)の世論が統治者を決めている。その意味で、朝廷政治を守ろうとした平家に民意はついてこなかったもであろう。
清盛の嫡男である重盛の急逝が平家滅亡の直接的な要因であろうが、その後を託された宗盛には荷が重かったということだろう。
ただ、公家的イメージの強かった平家にもこんなにも優れた武将がいたことは思いがけない発見であり、歴史は勝者のものより、敗者のものが面白いと改めて感じた。 -
私は史実に基づいた物語派で、著者の作品は私の路線に比較的マッチしている。本作品も、人物描写や心情表現など各短編の主人公が良く描かれていると思った。面白かったと思う。