「日本封じ込め」の時代: 日韓併合から読み解く日米同盟 (PHP新書 444)
- PHP研究所 (2007年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569690049
作品紹介・あらすじ
米国の日本占領は、表向きはすでに過去のもの。だが、金融やメディアなどの深層部分には、支配の仕組みが巧妙に残されている。「年次改革要望書」によって、郵政民営化などの米国が望む改革が進み、それに対する批判は、思考停止の対米追従論によってかき消される…。こうした構造は、戦前の日韓併合と重なり合うと、著者は大胆に指摘する。日本は、かつて仕掛けたことを、逆に仕掛けられているのだ。日韓と日米の植民地統治のプロセスを比較・再検証し、経済利権をめぐって「封じ込まれる」日本の現状を明かす。
感想・レビュー・書評
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2011/7/29:読了
日本の韓国併合の政策。
日本へのGHQから日米同盟の政策は、同じ。
っていう感じかな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地政学の一種だろうか、日韓併合とGHQの政策を分析する事で、現在の日本をアメリカがどのようにコントロールしているのか、を記した本。
著者は、まず、アメリカから「年次改革要望書」と言う形で命令が飛んでくる現在の状況を、戦前の挑戦の状態と似ていると指摘。そこで、日韓併合の、特に第1期〜第2期まで(1910〜1919、1919〜1931)に注目し、研究している。
結論だけはしょって言うと、日韓併合では、
・金融システム:◎
・メディア戦略:×
という結果になったため、イマイチ朝鮮人の行動を抑えられなかった。
GHQは一方で、挑戦に張りめぐらした日本の銀行をすべて解体なりで、メインバンクから切り離す。そして、徹底した検閲により日本中のマス・メディアを監視した。
国の統治方法というものが、また1つ見えてくる一冊で、秀逸だった。 -
日本は米国による日本管理から独立していない。むしろ、そのもの自体では目に見えないなんらかの手段によて、そのことに気づかされていないだけではないだろうか 植民地銀行 朝鮮銀行、台湾銀行、朝鮮殖産銀行 内地の特殊銀行 横浜正金銀行、日本勧業銀行、日本興業銀行、北海道拓殖銀行 横や浜正金銀行は東京銀行へ 植民地支配 メディアと金融をコントロール GHQ 利用しようとするものは、一旦、地に落としてから拾う 閉ざされた言語空間 江藤淳 CCD;civil censorship detachment 民間検閲支隊 CCDの日本人検閲者およびATIS allied translators and interpreters section勤務の日本人をあわせれば1万人を超える その後どうなったのか? CCD勤務の事実を記載しているひとはいない 未完の日本管理 天皇制
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日本−朝鮮の支配&被支配関係と亜米利加−日本の支配&被支配関係の共通項を論じるという意欲作。日本の朝鮮支配がいかに権謀術数に長けたものだったかが良く分かる。通史では「朝鮮半島の権益を守るため」という程度の理由付けしかなされていない日清、日露戦争と韓国併合を、「国の利益」とは何かという点を具体的に突き詰めて著している点は良い。ただ、米−日の関係においては、非公開資料があることもあってか特にメディア関係の項において状況証拠に過ぎないのでは?という印象を抱いてしまう行が多々ある。まぁGHQが本書にあるような意図を持って対日統治を行ったと考えるのは限りなく妥当であるとは思うけれども。
地味に凄いなと思ったのが、朝鮮銀行の最盛期の支店網の地図。中国の要所はほぼ網羅し、さらにロシアのチタにまでも支店があったとは。植民地の一大銀行だったんですね。 -
日米同盟というものは現実的にはどういうものなのか、かつての日本による韓国統治を踏まえ、現在の日本がアメリカに統治されているのではないかと、鋭くえぐってくる。