大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569697628

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。

    日本の年金基金を運営している政府年金投資ファンド
    (GPIF)。
    すごいよ、GPIF。
    グリーンピアの怠慢経営を含む過去の
    累積赤字4兆円を超える
    16兆円の利益をひそかに上げていた。
    この点において、筆者の言うように、
    マスコミは叩きやすく分かりやすいグリーンピアのことのみならず、
    こうしたGPIFの超安全運転といわれる
    アセットアロケーションに基づく基金運営の
    良いところも報道すべきだ。
    そうでなければ、いたずらに年金不信を招く一方である。マスコミのCSRが問われる。

    …と、GPIFに尊敬の念すら覚えた矢先、
    今朝のNHKニュースで、また累積赤字になったそうで。
    まあ、「超長期」の運用ですから、長い目で見ますよ。
    理論に基づくプロの堅調な運営を信じる。

    私的運用に関して、
    この本はGPIFのアセットアロケーションを一つの
    モデルとして、分かりやすく解説する。
    「投資」…とっつきにくかったけど、
    知ってしまえば面白い!
    短期的なトレーディングによるギャンブル的
    マネーゲームではなく、
    「並み程度の」のリターンを期待できる、
    ポートフォリオ理論にもとづくインデックス投資。
    キーワードは、「成長する経済全体に投資する」。
    だから長期的にリターンがあるのは当然なのだ。
    アメリカ3%、日本2%のGDP成長率、
    つまりは自分たちの成長性を省み、
    同時に投資すべきなのだ。

    投資、面白い!

  • 資産運用について

     □ポートフォリオの株式組み入れ比率
     大人の投資入門より
     ・OECD加盟国の公的年金の平均 36%
     ・欧米の主要年金基金 50~60%
     ・マルキール教授の推奨ポートフォリオ 40~55%(35歳~45歳)
     ・「100マイナス年齢法」 55~65%(35~45歳)
     矢向メモ
     ・敗者のゲーム チャールズエリス 100%(いつでも)

     

    □郵便局や銀行で投資信託を買うこと
     P152あたり
     すでに分散している「公的年金」の上に、そのミニチュア版の相似形である
     「私的年金」を乗せても運用効率は上がらない。

     それどころか、購入時に2~3%の販売手数料を取られ、保有期間中も毎年
     手数料を抜かれてしまう効した投資信託は「私的年金」運用にとっては
     有害とさえいえる存在です。

     【矢】
     →少し変ですよね。手数料を保有期間中毎年抜かれる。。
      すでに投信を買ってみると分かりますが、毎日毎時間徐々に抜かれている
      のですが・・。しかし言われることは納得です。
      では何が、投資先に向いているのでしょう?

     P162あたりにまとめて記載されています。
     本:自宅をお持ちの方は、ご自身のポートフォリオにおいて、これら株式関連
       の資産の組みいれが極端に少ないことを自覚し、「国内株式」と「外国株式」
       に特化した運用を行えばよいことになる。
     
     【矢】
     →ここで、「ウォール街のランダムウォーカー」バートンマルキールを持ってきています。

     マルキールの50代半ばの理想的なポートフォリオ
     (1)不動産12.5%
     (2)現金5%
     (3)債券37.5%
     (4)株式45%

     とのこと。
     また、「公的年金」にしめる株式の割合が、20%なので、株式比率を上げていこう!
     っということから、「国内または、外国株式を上げて行こう」ということから、
     結果につながっていく。


     単体株では、リスクが大きいので、ETFを推奨されている。ETFまたは、
     銀行からなどから自動積立サービスがあるインデックス連動の投信を
     推奨されています。(P217あたり)

     P227まとめ
     普通の市民が年に一回すべきこと
     「チョイと賢い、らくちん&ほったらかし運用法」について次のように
     まとめられていた。
     ①毎月決まった金額を
     ②50%ずつ「国内株式」と「外国株式」に連動する投資信託に
      自動引き落としなどの方法で、相場に左右されること無く、
      着実に積立運用すること


     ①、②を読んでいて、山崎元さんの「超簡単 お金の運用術 (朝日新書)」
     を思い出しました。

     読んでいる本が立体的に交わってきました。

     今回読んだ中で今までの本と交わったのは、マルキールのウォール街の
     ランダムウォーカーもまた、しかりという感じです。

  • これからの投資をする前に読んでおこう(2009.05.24)

    読了(2009.05.24)

    キーワードをメモ
    ・「ボラティリティ(投資収益のブレ)」を意識して超長期投資を行えば
     精神的にも強く投資できる
    ・銘柄は関係なくポートフォリオのみを意識する
    ・ポートフォリオは
     「公的年金(GPIF)」+「私的年金(★)」=「私たちの年金全体(※)」
     を意識する

     ⇒★・・・私たちが意識する部分.
          この部分は国内外の株式(5:5)で定額定時投資を行う
          →この部分は現状では国内外比率4:6も適当?
     ⇒※・・・(p.145)理想的なポートフォリオ(年齢よって変わる)
          →この部分は本で逐次確認する
     ⇒公的年金も

    ・データを確認して常に情報を仕入れる
     年金積立金管理運用(http://www.gpif.go.jp/jyokyo/index.html) → 公的年金のポートフォリオの変更
     投資信託協会(http://www.toushin.or.jp) → 低コストな投資商品情報
     モーニングスター社(http://www.morningstar.co.jp) → 低コストな商品情報

    ・年に1回,「リバランス」を行う「らくちん運用」

  • (2008年5月6日〜5月6日読了)
    サブタイトルに「真剣に将来を考える人だけに教える”自力年金運用法”」と書かれている通り、年金の現状と将来性、個人で年金を積み立てる方法について書かれている本です。
    前半で、年金の仕組み、第1・2・3号被保険者、国民年金(基礎年金)、厚生年金などについて説明されており、今後私達がどのくらいの年金が受給できるのか、さらには特に若い世代は公的年金では将来生活を送る事が苦しくなる事を予想しています。
    また、日本の年金運用が先進国の中ではかなり安全運用に傾いており(国内債券が中心)、世界標準からみれば保守的で時代遅れだと言及しています。各国の年金運用成績の比較は行っていませんが、これから予想するに成績もあまり芳しくないのではと思わせられます。
    後半では、個人で年金を積み立てる方法について現在購入可能な投信について説明されています。
    こちらの方は、その他の多くの書籍・雑誌等で説明されている長期運用を行う為には、インデックス投信・ETFの運用を進めています。
    入門者向けに簡単に説明がされていますので、もっと詳細を理解したい人は、「投資信託ベストガイド2008年2/6号」(東洋経済新聞社)と「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理」(バートン・マルキール著)を読む事によって理解を深める事が出来ると思います。

    (2009年04月05日読了)
    ・(P27)日本の公的年金が現代世代の保険料負担で高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運営。
    ・「自分で出来る年金額簡易資産」(社会保険庁)
    ・35歳世代で2500万円の不足・・・公的年金だけでは足りない。
      3700万円(年金)+2200万円(定年時資産)= 5900万円(定年後使用可能資産)
      8500万円(60歳以降夫婦2人生活に必要な金額)
      ==>(P56)年金ギャップを埋める為の私的年金を作る必要アリ。
      ? 私的年金の運用対象には価格の透明性と流動性が大事
      ? 私的年金の運用は「値下がりのリスク」は許容可能
      ? 私的年金運用成績は市場の平均で十分
    ・国債、手数料の高い投資ファンドは私的年金としてはダメ!!
    ・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人 http://www.gpif.go.jp/ )は運用資産を抜本的に見直す必要がある。
     現在国内向けの株式より債券比率が高く、海外より国内向けの比率が高く、これは先進国の運用比率とは大きな隔たりがある。
     次の見直しは2010年の予定であり、過去の実績からすると長期運用には株式比率を高くする事が望まれる。
    ・特定銘柄ではなく市場全体を買う
     MSCIコクサイ・・・先進国22ヶ国(日本以外)など
    ・投信の自動積立サービス・・・ETFには不向き(ETFは投資金額が大きく、金額を毎月固定にする事ができないため)
    ・米国市場に連動するETF
      ・S&P・・・IVV、SPY
      ・ダウ・ジョーンズ工業株価・・・DIA
      ・NASDAQ100指数・・・QQQQ
    ・欧州ETF EFA
    ・新興ETF EEM
    ・投資した金額と保有しているETFの時価で記録して定期管理する。
    ・定期的なリバランス・・・翌年の積立金額を調整する程度でリバランスはOK。
     比率の高い銘柄を売って、比率の高い低い銘柄を買う必要はなし。これは解約手数料がかかるのでそこまで大きく比率が乖離する事はないため。

    今回再読させてもらったが、やはり長期投資するためのエッセンスが数多く含まれていたように感じます。
    定期的にこのような著書を読む事により、自分の投資スタイルを守る。余計や欲を出さずに投資心理を一定に保つことが可能になると思います。



      

  • 『貧乏人のデイトレ~』実践編といった内容。実際の金融商品名を挙げるなど、話がより具体的になっているので、運用という意味では、こちらも大いに参考になるだろう。

    ただし2007年末に書かれた本なので、2011年現在、早くも金融商品情報が陳腐化していると思われる。本書にも書いてある通り、最新情報は自分で調べるという姿勢が大事だろう。

  • 貯蓄から投資へという政府のスローガンを最近聞くようになってきたが、既に2007年にこの本で提唱されていた。
    一般市民は時間を味方につけて負けない投資を行うことで年金ギャップを埋める私的年金を準備できる。
    本書はその私的年金を構築する具体的な方法が記載してありとても参考になる。
    当時はidecoという制度がなかったがこの本の考え方をそのままidecoに当てはめれば私的年金が完成する。

  • 第1章 あなたは年金をいくらもらえるのか?
    第2章 あなたの年金はこうやって運用されている
    第3章 世界の年金基金の最先端運用法はこれだ!
    第4章 “私的年金ファンド”を作ろう!
    第5章 こうやって運用すれば年金不安も怖くない
    第6章 明るい未来のために
    分散投資のバランスと、長期投資の目標値設定をすること
    インデックス投資のすすめ アクティブ運用でインデックスを上回り続ける例は希少だから

  • 基本的には積立投資の有効性と、アセットアロケーションの提案で、自分年金の必要性を説いています。
    内容としては投資の初心者にもわかりやすい内容で、これ一冊を読んで積み立て投資を始めるのには良いと思いました。

  • インベストライフに関するオールインワンな書籍で、とても読みやすいです

  • ・クォリティオブライフを重視した心と財布がうるおう運用法
    ・「勝つ」ための投資ではなく、「負けない」長期投資(インベストメント)
    ・市場全体を買うベータ戦略
    ・ボラティリティを下げるポートフォリオ構築(国内/海外、債券/株式)
    ・老後のゆとりある生活費を1億としたときに、退職金・年金収入等で不足するギャップは約3000万
    ・ポートフォリオを年に1回見直すだけで相場は気にしなくてよい。
     リバランスする際は一度に行わず、半年かけて徐々に行う。
    ・5年に1度はアロケーションを見直し、リスク許容度に応じた再設計を行う。
     一般的に、30代なかばで株は55%、50代なかばで45%。
    ・アロケーションはGPIF(公的年金)は超安全運転型。世界標準は560は株式運用。
     公的年金(試算5500万)と私的年金全体でリスク資産65%になるように設計するのが理想。
    ・自分自身に当てはめると、毎月公的年金を仮に6万としたときに、私的年金は株式のみ、国内・海外半々にすればちょうど55%の比率になる。(私的年金5万円とした場合。)
    ・定時定額運用を心がける。海外株式は良いETF商品がないため、投信を毎月購入し、一定の額に達したらETFを購入するようにすればいい。(リレー投資)
    ・リレーに向いている投信は三菱UFJトピックスオープン。解約手数料が大事になってくる。(リレー投資は解約前提なので)
    ・世界投信は現時点で良いETFはない。
    ・外国債券は毎月4.5万以上運用する場合にようやく選択肢として出てくる。国内株との相関低くボラティリティ有効

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