「懐かしの昭和」を食べ歩く (PHP新書 510)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569697772

作品紹介・あらすじ

カレー、焼鳥、トンカツなど、日本人がこよなく愛する味を黙々とつくり続け、暖簾を守る主人たち。戦災を乗り越え、高度経済成長に浮かれることなく、バブル崩壊後も商売を続ける店を支えたのは、変わらぬ味を慈しむ客たちである。本書は、浅草、銀座、神田、日本橋、神楽坂と、昭和の香り漂う老舗を訪ねる味の旅。主人の話と著者自身の思い出が交錯し、「たそがれゆく昭和」が鮮やかに浮かび上がる。前作『明治・大正を食べ歩く』同様、店を通じてひもとく「もう一つの昭和史」。

感想・レビュー・書評

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  • 2008年発行なので、お店に行きたいと思うと、残念な思いをするかもしれない。例えば神楽坂の「大〆」は今はない。森まゆみ氏は、単なるお店紹介ではない。味定めの本でもない。例えば大〆は、お店の主人から神楽坂の話をしっかり聞いて、神楽坂の人や歴史が興味深く綴っている。老舗のお店は、しっかりと町とともにあるというのがやくわかる。歌舞伎の「すずや」にはもう何十年も行ってないが、このお店のご主人は戦後歌舞伎町を立ち上げた鈴木喜兵衛の縁者だったのだ。そのことをこの本で初めて知った。歌舞伎町ができたいきさつも、森まゆみ氏は奥さんからきちんと聴き出している。大正8年生まれということで、もうお店に行ってもお目にかかれないだらう。でも、まったく久しぶりに茶漬けトンカツ食べてみようか。

  • 森まゆみさんの「明治・大正を食べ歩く」に続く「懐かしの昭和を食べ歩く」、2008.3発行です。紹介されている店で一番馴染み深い店は神田須田町、神田川に架かる万世橋そばの「万世本店」(ステーキ、ハンバーグ)です。橋詰広場にあった沢山の施設、万世橋駅、広瀬中佐と杉野上等兵の銅像、交通博物館の廃業、撤去、移転(2007年10月、鉄道博物館としてさいたま市に)は寂しいですね。特に、部下を思う指揮官の気持ちを示した銅像の撤去は残念です!

  • 〈目次〉
    第一章 浅草
    第二章 銀座・有楽町・新橋
    第三章 神田・日本橋・神楽坂
    第四章 渋谷・赤坂・六本木
    第五章 新宿・高田馬場・池袋
    第六章 横浜

    〈内容〉
    明治、大正、昭和の名店を食のジャンルを問わずにルポしたもの。料理の紹介時に値段が載っていないが、その辺は新書という形状だから仕方ないかな?
    たぶんどの店も値段ははると思いますが、どこも行ってみたい名店ですね。


    逗子市立図書館

  • 新書文庫

  •  先月の29日から5日まで、西武池袋で「昭和がきた!!うまし、なつかし昭和ホリデー」という催し物が開催している。昭和の洋食、スイーツをはじめとして、昭和30年代のお茶の間を再現したり、あのシャボン玉ホリデーのVTRを公開。さらに昨日は、小松政夫が「シャボン玉ホリデーの頃」と言うスペシャルトークショーを行った。

     そんな昭和を食べ歩きたい人に向いているのが今回の本。ただし。昭和と言っても、浅草、銀座、神田、日本橋、神楽坂など東京限定。

     メニューの写真入り、それぞれの店の店主との対話、見せの歴史などがコンパクトに載っていて食べ歩きのおともにぴったり。

     カツサンドで有名なまい泉、ステーキ・ハンバーグの万世、インド料理のナイルレストラン、フルーツで有名な渋谷西村フルーツパーラーなどが登場している。時代の波にもまれながらも生き続けている老舗ばかりだ。

    西武池袋

    https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/showa2016/

    小松政夫に関する記事

    http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20160426/enn1604261201017-n1.htm

  • 折角、東京をうろうろ歩き回ることが多いんだからと思い、なるべくうまいものを食べることにしている。
    だからこういう本は実は楽しい人生の参考書みたいな感じで楽しんでいる。
    本書も行ってみたいお店がたくさん掲載されていた。
    まあ、若干筆者の「ミシュランなんかに載ってる高いだけのお店なんて!!」みたいなちょっと古い東京人の傲慢さみたいなのが鼻についたりはするんですけどねw

  •  簡単には手を出せなさそうなものもあるけれど、どれもこれも未来に残しておきたいものばかり。

     東京偏重なのがやや不満だが、著者の経歴からしてもやむを得ないか……

  • 昭和から続く食べ物屋の案内。
    浅草、銀座、渋谷から横浜まで行ってみたい店ばかり。もちろんミシュランには載らない店ばかり。

  • [ 内容 ]
    カレー、焼鳥、トンカツなど、日本人がこよなく愛する味を黙々とつくり続け、暖簾を守る主人たち。
    戦災を乗り越え、高度経済成長に浮かれることなく、バブル崩壊後も商売を続ける店を支えたのは、変わらぬ味を慈しむ客たちである。
    本書は、浅草、銀座、神田、日本橋、神楽坂と、昭和の香り漂う老舗を訪ねる味の旅。
    主人の話と著者自身の思い出が交錯し、「たそがれゆく昭和」が鮮やかに浮かび上がる。前作『明治・大正を食べ歩く』同様、店を通じてひもとく「もう一つの昭和史」。

    [ 目次 ]
    第1章 浅草
    第2章 銀座・有楽町・新橋
    第3章 神田・日本橋・神楽坂
    第4章 渋谷・赤坂・六本木
    第5章 新宿・高田馬場・池袋
    第6章 横浜

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • あとがきに「打倒ミシュラン」を唱っていて、たまたま三省堂で付けてもらったブックカバーが真っ赤だったのに気がつき膝を叩いた次第。

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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