アメリカはどれほどひどい国か (Voice select)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569707389

感想・レビュー・書評

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  • アメリカ住んでる身として、共感できる内容だった。

  • アメリカの大統領が変われば対日政策はかなり変化すると思っています。ブッシュが良かったと判断するのは難しいですが、その前のクリントン氏と比較した場合、日本経済に及ぼす影響を考えた場合には良い点もあったのではないでしょうか。

    そのような中、民主党のオバマ氏が大統領になって半年が経過しようとしています。アメリカ論について、いつも愛読させていただいている日下氏の本が久しぶりに目に付いてので読んでみました。アメリカの奴隷にまつわる歴史についても認識を新たにしました。

    以下はためになったポイントです。

    ・オバマ政権は一見して親中・反日のクリントン政権とそっくり、ブッシュ時代に鳴りを潜めていた訴訟騒ぎが再燃する(p19)

    ・メイフラワー号がアメリカに着く前年の1619年に、アメリカでは奴隷市場が成立していた(p21)

    ・豊臣秀吉がバテレン追放令を出したのは、九州にいた外国人宣教師が日本人を奴隷として売り払ったから(p25)

    ・アメリカは組合意識が高まって製造業が衰退したと言われるが、そうではなく、製造業部門で使える「奴隷」が枯渇し始めたから、そこで同じ構造の中国に目をつけた(p27)

    ・奴隷扱いしてきた中国人労働者にそれなりの賃金を払う必要が生じると、中国は南北戦争当時のアメリカに近づく(p33)

    ・中国がいま一番怖いのは、地下水の汚染である、2008年1月の湖南省の板橋鎮の硫酸工場から硫酸が地下水に流れて数千人の入院騒ぎとなった(p41)

    ・中国には昔から4つの階級がある、帝王に仕える官僚、官僚予備軍・官僚を失業した知識人、その下に農民、最下層に流民である、流民が革命分子となる(p46)

    ・アメリカには政治を司る「ワシントンのアメリカ」、経済を司る「ニューヨークのアメリカ」、そして「田舎のアメリカ」がある、オバマ氏は「田舎のアメリカ」の代表である(p57)

    ・アメリカの開拓史によると、黒人に対しては奴隷扱い、インディアンに対しては即、殺戮を行った、インディアンはプライドが高くて白人のために働かなかったから(p59)

    ・20世紀の最も印象深かった出来事をアメリカのジャーナリストが選んだ結果、一位:原爆投下、二位:アポロ月着陸、三位:真珠湾攻撃、であり日本に対する恐れが上位にある(p88)

    ・中川前財務省のバッシングも人種偏見の影がある、10年程前のミッキーUSTR代表が酔っ払って二階から落ちて会議がある、フランスのサルコジ大統領、ロシアのエリツィン大統領などの醜態については欧米メディアは触れない(p99)

    ・日本軍でも兵隊を殴っていたのは、下士官連中、将校はそれを叱っていたという三層構造になっていた、現在の会社でも新入・中堅・幹部社員と同様(p101)

    ・1872年、中国人をアメリカ大陸で奴隷として売り飛ばすペルー船籍の船に乗っていた中国人を救助したことに対して、ペルーは賠償請求・謝罪を求めたが、国際仲裁裁判で日本は勝った、日本は奴隷廃止という伝統(1500年)を守ったにすぎない(p106)

    ・明治維新で日本がすごいところは、電気・ガス・鉄道等の利権を外国に売らずに、外国人を雇って技術を導入したこと、これは世界に例を見ないこと(p112)

    ・明治17年に爵位を決めたときに、武家から最高位の公爵になったのは、徳川宋家・島津・毛利の三人だけ、その他は公家のみ(p119)

    ・ガンの原因は、アメリカ人が出したウィルス説がノーベル賞を受賞したが、今となってみれば日本人が出した刺激説が正解である(p130)

    ・大東亜戦争が世界に与えた最も大きな衝撃は、アメリカで黒人が目覚めたことである(p132)

    ・アメリカでの奴隷市場は実は、メイフラワー号が着く一年前に店開きしていて、最初の売り物は140人の英国産の白人囚人であった、その後に黒人男性、やがて女の奴隷も入れるようになった(p137)

    ・リンカーンは黒人奴隷制の廃止を宣言したが、それに前後してダコタ族の討伐命令を下し、その処刑まで命じている(p139)

    ・徴兵制を採用するとむやみに死傷率が上昇する、フランス人を多く殺したのはナポレオン、ソ連人はスターリン、中国人は毛沢東、ドイツ人はヒトラー、アメリカ人はリンカーンである(p145)

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    中国では往々にして、ならず者たちを一つにまとめるのは宗教団体です。紅巾軍も、太平天国の乱もそうです。共産党が法輪功をあれほど恐れて弾圧するのはそのためで、中国崩壊のバロメーターとして、中国国内の流民や宗教の動きを見なければなりません。(日下) いま中国の全土で起きている民衆暴動の発端も、企業や国営企業が雇った「ならず者」たちが煽っているわけです。彼らがどこまで力を握るかどうかで、中国の行方が決まる。革命が起きれば、中国は経済成長どころの騒ぎではない。(高山) 46
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    日本が経済大国を自称したのはとんでもない間違いです。「大国」と聞いたら、叩き潰すしかない。彼らは決して、「共存共栄」などとは思わない。共存共栄は、中規模の国同士で成り立つ状態です。ミドルサイズの国となら、お互いに、ほどほどの平和共存がありえる。たとえば、ミドルサイズの国が三つか四つ連合する。そうして大国と対峙する。(…)日本人はみな学者を含め「経済大国日本、GDP世界第二位」と喜んできた。しかし、そんなことを言うなら、三位、四位の国々と連合しなければいけない。(日下) 94
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    イギリスがマレーシアを統治したときは、イギリス人は一番上にいるエライひとで、みな政府の高官になる。(…)グダグダ酔っぱらって寝ているのがマレー人。彼らを取り締まって嫌われるのはインド人。金を儲けて嫌われるのは中国人。その上に立って「まあまあ」と言っていたのがイギリス人――という植民地統治だった。こうした間接統治は、至るところにありました。(…)帝国主義時代を通じ、植民地が急速に増えていったときは、自分たちだけでは治めきれない。だから中間管理職をつくるわけです。(日下) 102
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    ポルトガル人が幕末の日本へ来て、どうしてこんなに見下されるのか理解できない。なぜ有色人種から見下されるのかわからない。自分たちは白人だ、キリスト教も布教した、鉄砲も供与した。軍艦はあるし、航海術もある。しかし日本人はポルトガル人を見下す。やがて彼らは理解する。自分たちが奴隷制度を続けているからだとわかる。(日下) 105
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    基本的な国際関係では、たとえばいま、パキスタンとインドの両方が原爆を持って張り合っていますが、あれも英国がカシミールを半分に、パンジャブを半分に、曖昧な国境線を残して、いがみ合わせている。チャーチル自身が「イスラムとヒンドゥの争いこそ植民地インドの最大の防壁だった」と言っている。(…)インドでは、パンジャブのシーク教徒を警官や軍隊の兵士にした。イスラムとヒンズーの他にシーク教徒を置いて、力を持たせた。だから宗教戦争が沈静化しない。(高山) 113
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    国際関係は、常に混乱をもってベストとする。日中関係もそうでしょう。毛沢東が「大躍進だ、文革だ」と叫び、紅衛兵が暴れ回り、四人組が騒いだあいだは、日中関係はスムーズでした。日本にとって、これほど都合のいいことはない。(…)それが落ち着いて改革開放で中国が一丸となった途端、日本の戦争責任がどうしたとか、靖国参拝がどうのと言い始めた。中国が安定して団結したからです。(…)アメリカが日本を考える場合、朝鮮半島もシナも仲良く安定している状態はいちばん嫌う。だから、中国人と一緒に反日を盛り上げる。(高山) 115
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    人工衛星からの映像で夜の日本が明るくなって、朝鮮半島の韓国側も明るい。でも北側が真っ暗で、まるで韓国が大陸から離れた島のように見える映像が流れています。北朝鮮は深い闇に覆われている。あれが中国にとって望ましい。まさにバッファゾーン、共産主義の中国を守るためのバッファーゾーンです。(…)アメリカはしょせん、日本の安寧や、朝鮮の安寧は、これっぽっちも考えていない。朝鮮半島を分断しておくのは、アメリカにも都合がいい。中国にも都合がいい。(高山)  123
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    清国は満州民族が北から下りてきて支配していましたから、これを北へ追い払おうというのが辛亥革命です。(…)孫文に小銃を売ってやる。彼はそれを持って広東に帰り、兵を挙げて北へ攻め上り、成功する。そのときの部下が、蒋介石と周恩来です。実は、日本の資金援助と武器供与に際して、その担保として満州を日本が取ってもよいと孫文は言うんです。「満州族の満州を日本にやるから、金と鉄砲を漢民族にくれ」と言ったのは、今風に言えばM&Aです。中国では、昔からこれが普通の常識的な感覚です。(日下) 124
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  • いつも目から鱗の事実、史実を教えていただいて感謝しております。どうひいき目に見ても、かなりの右寄りの発言ばかりが目立ちますが、今までの日本の普通の教育で私が得てきた知識の偏り具合から考えると、これぐらい反対にもう一度揺らしたほうが、補正が効き、もう一度冷静に世の中を見ようと言う気概が出てきます。
    アメリカはニューヨーク、ワシントン、レッドネックの国だと言う見方は新鮮で面白かったです。

    【目次】

    まえがき 高山正之

    第一章 米中・共倒れの時代

    アメリカと中国の意外な共通点 
    アイデンティティのない国は「こすっからい」
    騙し合いやむしり合いが増える 
    中国とアメリカの「奴隷経済」 
    「白人優越主義」というモラル 
    「オバマ大統領」=アメリカのずるさの表れ? 
    奴隷支配の国:中国 
    米中は互いに「食い合う」関係
    「働かずして儲ける」のが米中の狙い 
    米中は日本を師と仰げ
    人に働かせるのはもうやめよ 
    失業対策としての公共事業 
    公共事業に行き詰まると革命が起こる中国 
    中国史に見る王朝の栄枯盛衰 
    中国は日本と戦争がしたい 
    誘いに応じると偏される 
    日本は「高みの見物」でよい 

    第二章 アメリカの悪巧みにのるな

    「中東大団結」を恐れるアメリカ 
    イラク戦争に深入りしたツケ 
    三つのアメリカがある 
    アメリカの人種観を忘れるな 
    人種対立の行き着く先は? 
    赤字に転落したカリフォルニア州の行方 
    牛馬の餌に感謝決議した日本の国会 
    誰のための日本総領事館なのか 
    安倍元首相のカムバックを期待する 
    「サルでも出来るマスコミ式発言表」 
    いずれ潰れる「反日マスコミ」 
    「日本の強さ」を発信しつづけよ 
    日中間に不和の種を蒔くアメリカ 
    朝鮮牛島の分断は未申に好都合 
    孫文は満洲を日本に売ろうとしていた 

    第三章 やはり世界は腹黒い

    アメリカ人はいまも日本人を恐れている 
    数値目標であるかのごとき優遇政策 
    日本が立つ「ノーマンズランド」 
    経済成長を重ねた過程でネットに近づきすぎた 
    中川前財務相のバッシングに人種偏見の影を見る 
    アメリカは決して"人種の坩堝"ではない
    至るところにあった間接統治の支配構造 
    幕末期から奴隷制度を非難してきた日本 
    米国企業が中国に進出する本当の理由 
    自分の国を自分で守った幕末日本 
    米軍基地は"ビンの蓋" 

    第四章 日本は「孤立」しても困らない

    優れた英知を持つ日本人 
    日本を警戒するアメリカ 
    映画『フォレスト・ガンプ』が描いたアメリカの病理 
    メイフラワー号でやってきた清教徒は何をしたか 
    人道的と言うには程遠いリンカーンの人物像 
    トーマス・モアの『ユートピア』に学ぶ戦争論 
    日本がなすべきことはいろいろある 
    日本の自衛隊も傭兵を使え 
    国際人遵法の元祖トーマス・モア 
    田母神問題に見るジャーナリズムの罪 
    「狂気編隊」と書かれた航空自衛隊の雫石事故 
    日本人はなぜ悪口を言うようになったのか 
    学習院の同級生が「ご学友」とは! 
    日本の自主防衛を封じる「米中密約」の腹黒さ 

    あとがき 日下公人

  • 日下 公人(くさか きみんど、1930年12月9日生 )は、日本の評論家、作家。保守派の論客として知られる。

    • まほらやまと- 眞秀大和 さん
      ソ連は、アフガン侵攻を10年も続けた結果倒れた。
      アメリカだってイラクとアフガニスタンへ10年も駐留を続けていれば倒れるのは必定だ。
      日本の...
      ソ連は、アフガン侵攻を10年も続けた結果倒れた。
      アメリカだってイラクとアフガニスタンへ10年も駐留を続けていれば倒れるのは必定だ。
      日本の財務省の馬鹿官僚はそんなアメリカに愚かにも日本の金を無制限に貸そうとしている。
      2011/01/15
  • アメリカの歴史は奴隷の歴史。大バカヤローだよ。

  • 日本は外国に対して外国の根本的な考え方をしっかり理解した上で外交をすることが必要。そのためには今までの教育、メディアの情報は偏っているといえる。

    敗戦後の仕組みの中で現代が動いているとするなら、敗戦国としてのバイアスがかけられた価値観が植え付けられている可能性があるようだ。

    世界史をしっかり勉強して、自分の頭で考えてみよう!

  • 高山正之氏と日下公人氏との対談集。
    字も大きく、文も少ないので1時間程度で読め結構楽しめる。

    日本はもういい加減にアメリカの植民地であることはやめて自立すべきだと思いますが、日本のおかれている状況を考えると、誰一人アメリカには逆らえないのでろうなぁ。世の中いろいろありますから。。。


    ・アメリカ人はやり方も徹底していたので、食料を残すと生き延びてしまうため家畜のバッファローまで殺した。

    ・アメリカ各州の経済が悪化し続ければ、政府はあっさり州の独立を認めるでしょう。州債を発行し、日本に買ってくれと、、、

    ・20世紀の最大の事件は日露戦争。それまでの白人が支配する世界の構造をアジアの日本人が叩き潰した。そして、21世紀初頭に黒人のオバマが出てくる。

    ・日本以外の国はみんな利権を売って豊かになった。そして搾取されていく。なぜ日本はそうしなかったか、それは愛国心と文明度の両方が高いからと思われる。

    ・戦国時代の戦争は徹底していた。あのぐらい徹底的に国内で戦争した国は少なく、自分のことは自分で守らなければというのが定着している。

    ・水に流せる日本人と、流せない外国人
    中国人がなぜ水に流さないのか。何せ清流がないから。水に流したってよどんでいるだけでいつまでも流れていかない(笑)

    ・大国の条件は、領土があって、資源があって、軍事力があること。どこをとってもその要件がない日本が大国化を果たしたため、米国にとって常に怖い存在である。

    ・日本の自衛隊も傭兵を使え。
    ヨーロッパの戦争は傭兵。月給を払っているときの兵隊の損害は少なかったのだが、ナポレオンの時代になって徴兵制になってむやみに死傷率が上がった。

    ・日本が「栄光ある孤立」の立場をとったとき、国際社会は「ジャパン、カムバック!」と叫ぶでしょう。

  • 日下さんの本を読むといつも感じるが、国という単位で接するときには、常にこれくらいに思っておいてちょうどいいのかもしれないと思う。誇り高い胆力のある政治家が育つ社会土壌が育まれないといつまでたってもアメリカの思うツボなんだろうなぁ~と思うとやりきれないねぇ~。

  • ◆アメリカの独立宣言を起草したトーマス・ジェファーソンは、サリー・へミングスという黒人奴隷を所有し、子を孕ませていた。その本人が一方で「人類は等しくつくられた」と語る偽善ぶり。P23→P138に詳述

    ◆アメリカ人は、黒人は奴隷にしたがインディアンは即殺戮した。ピルグリム・ファーザーズは、メイフラワー号でアメリカに着いたのち、ワンパイアグ族のマサソイト酋長らに命を救われて冬を腰、感謝祭を祝った。しかしマサソイトの子どもの代になると跡をついだ長男がニュー・プリマスという白人の町に呼び出されて殺される。さらに次男も殺して、その首を自分たちの街に20年間、晒しつづけ、その妻や子、部族のすべてをカリブの奴隷商人に売り払う。以来アメリカ人は、インディアンを見るなり殺していく。彼らがいなくなると、黒人奴隷を入れた。黒人は奴隷に、インディアンは存在することを許さない。インディアンは、プライドが高く白人のためには働かず、むしろ死を選んだからか。P59

    ◆リンカーンのダコタ族処刑 P139

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