雪に咲く (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569767987

感想・レビュー・書評

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  • #読了 読了後に知ったことだが、「越後騒動」という実際のお家騒動をテーマにしたお話だった。主人公の美作が最終的に息子(とても良くできたお子さんだった)共々切腹に処されたのはショックだったが、史実としての美作は傲慢な人物との評があって、小説になるとこうやっていろいろな解釈ができるのだなぁと改めて感心してしまった。
    とは申せ、主人公の美作に人間的魅力を感じづらく、ひっかかりを感じる行動をとることも多くていまいち入り込めなかった。残念。

  • 読み始めは時代小説かと思ったが、越後騒動を題材として歴史小説で、伊達騒動を扱った「樅ノ木は残った」同様に事件で断罪された人物を良い人物として描く形式の作品、ということに途中から気がついた。そういうトリックというかテーマであることを外しても、そこそこ楽しめる内容だった。浅茅との関係とかちょっとしんみりするが、重要ばキーである雅楽頭との厚い関係が嘘くさい雰囲気なのが残念だが、全体として力作だなと思った。

  • 江戸時代家綱-綱吉将軍時代に起こった高田騒動を小栗美作を主人公に書かれた小説。筆者は司馬遼太郎のもとに修行しており、現在も奥様の秘書をされているそう(あとがきより)

    酒井雅楽頭は切れ者曲者のイメージが強かったが、高田藩には特別配慮している、融通のきくお偉いさんという感じ。
    美作は藩政に辣腕を奮い、地震後の立て直しや石高を増やすなどの能力の凄さはわかったが、そこに至るまでの思考や個人の魅力をもう少し厚みを持たせて描かれてもよかったのではないかと思う。
    河村瑞賢を招いたシーンはよかった。

    途中「この会話文は誰の言葉?」と思う部分があったり「ページ脱落してる?」と思うように飛躍する部分があったように思う。(読解力不足かもしれないが...)

    後半、「女の寝姿のような赤松」という表現が多々出てくるが小説全般への象徴という印象もなく、違和感があった。

    小説によって越後騒動の流れを楽しく学べた。

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著者プロフィール

一九六七年京都市生まれ。会社勤務等を経て、司馬遼太郎氏の夫人である福田みどり氏の個人秘書を十九年間務める。二〇一〇年『マルガリータ』で第十七回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。

「2022年 『せきれいの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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