インディペンデンス・デイ

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569775753

感想・レビュー・書評

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  • “連作”短編、24つがおさめられた一冊になります。

    縦糸と横糸が織物のように重なって、
    万華鏡のような彩りを見せてくれるような、、

    その舞台となる世界は共通で、所々でつながっています。
    始まりと終わりの“川”の物語はなかなかにニヤッと。

     “『自由になる』っていうことは、結局『いかに独立するか』ってこと”

    人は何かに依存して、縛られているのでしょうか。
    そこから“独立”することとは、さて。

    自分自身も含めて、色々と考えさせられる内容でした。
    一つ一つは短いので、一日一話、なんてのも面白そうです。

  • キング、タレマユで、やや自信無さげ?

    ジャック、自分の美しさに陶酔している気がする。

    クイーン、落ち着いて未来を見通している感じ…。

    そして、顔を持たないその他の彼らが誰一人欠けたとしても、
    ゲームはできない、
    世界は動かない。

    24編の短編に登場する女性達を、
    トランプゲームの最中にフト思い出してしまったのは、
    このクイーンの強い視線を感じての事だろうか。

    24の短編は
    (物語にはあるはずの)筋書きが透明で、
    力強く生きてゆく決意をした女性達の意志次第で
    動いていくかのような印象を受けた。

    どの物語も大好きだが、
    印象に残ったのは、
    <お宿かみわら>
    <しあわせの青くもない鳥>

    いや、でもぜんぶ面白かったなぁ~♪
    事あるごとに読み返したい本だな、と思った。

  • ☆4つ
    原田マハは面白い。でもこれってどう考えても女子向きの本だよな。何冊か読んで解ってはいるのだけれど、こうやって次の手が出て読んでしまっている。ま、面白いんだからいいぢゃねぇかよ。とおもいきり男言葉で言ってみる。
    これわ短編集です。そしてどことなくなんとなく、いや明確に物語は繋がっている。いや違う、すまぬストリーとしては繋がってない。あれ?物語ってストーリーってことなのかぁ?いや違う落ち着け。「物語」はたぶん「ノベル」かなんかで、ストーリーは「話筋」だ(なんて読むんだこれ)。汗っ。
    でどういう事かというと、前の物語に登場した脇役が次の物語の主役になるって寸法なのだ。そしてこれらの物語達、のっけは月刊文庫「文蔵」に連載されたものなので、そういう具合につなげて書いていったというわけさぁ。上手いなぁ。

  • それぞれの女性が何かから独立していく短編集。
    そのなかにいろんな形の優しさを感じるような物語。

    「まぶしい窓 - Little Home Window - 」は涙なしには読めなかった。
    最後の「川面を渡る風 - Riverside Toast - 」ではすべてが繋がり心地よい気分に。

    原田マハさんというのとあらすじでちょっと期待しすぎてしまった部分があったかな…
    どれも隙間時間とか気分転換にサクッと読める長さ。

  • 24つの話からなる、タイトルのごとく女性の独立をテーマにした話。
    川の向こうへ引っ越す女、に部屋を斡旋した不動産の女、がよく行くバーの女、の担任の女、を取材した女、が行くネイルサロンの女・・・というように全てがつながっている!これはすごい!
    しかも途中から私はそのからくりに気付き、もしやと思って最初から注意深く読みなおして、やっと気づいた。
    それぞれの女性の歩く姿ももちろんいいのだけど、自分の関わる誰かが誰かと繋がって、まわりまわってとても遠くまで繋がり、いつか自分にまた戻るような、わっかのような人との繋がりがとても心あたたまった。
    バタフライエフェクトのような。少し違うか。
    ああ、さわやかで優しい小説だったなあ。
    おすすめです!

  • 連作短編集。
    各話で少しずつ繋がっていく人たち。
    どの話も面白かったのだけれど、ちょっとくどかったかも。

    夜寝る前、何話か読むのに丁度いい長さ。

  • 勇気付けられる本

  • 漠然としたもやもやをどうにかしたくて、なんとなく手に取ってみた。いろいろな女性たちが登場するけれど、その誰にもどこか共感できる部分がある。大きな逆転劇があるわけではないけれど、自分なりの一歩を踏み出せるような温かい物語が詰まった本だった。
    ただ、ぐるぐるとした悩みの真っ只中にいる身としては、もう少し自分(読者)に対して救いが欲しかった。どうして彼女たちは乗り越えて踏み出すことができたのかもっと知りたかったし、彼女たちが踏み出した一歩に私もついて行きたかったな。

  • バーバーみらいの話が好き。
    顔そり行ってみたいな。
    そしてさっぱりした気持ちで明日へと一歩踏み出すんだ。

    見ず知らずの関係から夢を話せる間柄になるっていうのに惹かれる。
    そこには否定がないから。
    いつだって受け止めてもらえるという信頼がある。

  • 独立日がキーワードの短編小説。短編は苦手なのですが、原田さんのどの短編にもハズレ無し、と思いました。それぞれの作品はちょっぴりジーンとし、前向きな気持ちになれるが良いです。短編なのに、しかも24作ある作品なのに、あの完成度は素晴らし過ぎます。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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