放射性物質の正体 (PHPサイエンス・ワールド新書)

著者 :
  • PHP研究所
4.14
  • (2)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569802619

作品紹介・あらすじ

福島第一原子力発電所の事故によって、ヨウ素やセシウムに代表される、大量の放射性物質が空気中にばら撤かれてしまった。また、放射性物質に汚染された水も漏れでてしまった。汚染された土と水、そして食べ物にも…。原子力・原発をよく知る米国在住の物理学者が、今回の事態を憂い、放射線とは何か、被曝の影響をどう考えるか、原発の中で何が起こったのか、放射性物質にこれからどう対処すればよいか、丁寧に説きほぐしていく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 新書文庫

  • 今一番知りたかったことが書かれている本でした。3.11以来、原発についての本は数多く出版されていますが、どれが信頼に値するのかよく分からず触らずじまいでした。そして、今回この本を手にしたのですが、これは正解でした。読みやすい、分かりやすい。原子核の成り立ちから説き起こし、α、β、γ崩壊を順を追って分かりやすく解説、さらにウランの中性子はどうして陽子よりもかなりの数多くなってしまうのか、そして核分裂はどのように起こるのか、ひとつひとつていねいに説明されています。いくつか、質問したい内容もありましたが、大まかには理解したつもりです。しかし、他人にうまく説明できるかどうかは別問題で、調子に乗って授業で話してみましたが、しどろもどろでした。まだまだ自分の血と肉にはなっていませんでした。ちなみに、「放射能とは放射性物質に汚染された物質1kgあたり1秒間に放出される放射線粒子の数のことで、ベクレルという単位で表される。ベクレルの値は同じでも、放射線粒子の種類が違えばエネルギーは異なり、人体に対する影響も変わってくる。こちらをシーベルトという単位で表す。」ということでした。

  • いったい、被曝とはなんなのか?放射線とはなにか?どうして健康被害が生じるのか?そういった疑問に答えるベく始まるのが、なんと、原子の構成の説明からなんです。そんな、ミクロの世界から始めなければ、放射性物質については説明できない。

    ウランを使う原子炉から、なぜ、放射性物質のヨウ素やセシウムやストロンチウムが飛び出したか。そして、どうして放射線が出るのか。アルファ線、ベータ線、ガンマ線とはなにか。すべてに、わかりやく答えてくれています。ただ、やはり、本来、物理の難しい言葉でこそ説明がつくような事象なので、ときどき読みながらもWEB検索してみて、自分なりにこの本の説明の捕捉に充てたりもしました。

  • 所在:展示架
    資料ID:11102153
    請求記号:539.6||Y19||053

  • 放射性物質について、基本的なことから知りたいと思い、読んだ一冊。
    どうしても物理的な話は入ってくるけど、基本的なことをがわかりやすく書かれてると思う。新書サイズというのも読みやすい点の一つ。
    放射性物質とは何か、放射線とはどういうもので、どうやって出てくるのか、原発とはどういう仕組みになっているのか、といったことが書かれている。
    まずはのとっかかりにオススメ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

山田克哉(やまだ・かつや)
1940年生まれ。東京電機大学工学部電子工学科卒業。米国テネシー大学工学部原子力工学科大学院修士課程(原子炉理論)、同大学理学部物理学科大学院博士課程(理論物理学)修了。Ph.D.。セントラル・アーカンソー大学物理学科助教授、カリフォルニア州立大学ドミンゲツヒル校物理学科助教授を経て、ロサンゼルス・ピアース大学物理学科教授に就任。2013年6月に退官。アメリカ物理学会会員。主な著書に『原子爆弾』『光と電気のからくり』『量子力学のからくり』『真空のからくり』『時空のからくり』『E=mc2のからくり』(いずれも講談社ブルーバックス)などがある。「読者に必ず理解してもらう」意欲にあふれた熱い筆運びで、ブルーバックスを代表する人気著者の一人。1999年には、講談社科学出版賞を受賞した。

「2023年 『重力のからくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田克哉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×